介護業界を目指す方へ
2022.05.11 UP
「就職/転職活動の選択肢の幅を拡げてみたい」
「介護職の求人が増えていると聞いたけど、どんな仕事か分からない」
「興味はあるけど、自分に出来るのか不安」
2021年時点で世界最高の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)の日本において(*1)、介護サービスに対する需要は高まり続けています。一方で、介護サービスの仕事は誰にとっても日常で接する機会が多い仕事とは言えず、仕事内容や働き方のイメージを持ちづらい方も多いのではないでしょうか。
介護の仕事をひとりでも多くの人に知って欲しい。そんな想いから、「介護サービスの仕事を知ろう!」というテーマで、5回に分けて解説します。
介護サービスの仕事を知ろう!全5回
1.介護とは「お世話」ではなく「自立支援」?
2.仕事内容と身につくスキルとは?
3.仕事に対する「5つの誤解」とは?
4.サービス毎に異なる働き方とは?
5.介護サービスの仕事の未来とは?
第5回は、介護サービスの仕事の未来を考えます。
介護サービス業は日本において唯一就業者数が増える
リクルートワークス研究所の予測によると、介護サービス業は日本において唯一就業者数が増えると予想されています(*2)。日本の人口は2008年をピークに2011年からは減少しており、今後も減少は続くと推計されています。人口減少に伴って15~64歳の生産年齢人口も減少するなかで、就業者数が増えるということは、現在介護サービス以外の仕事をしている人が、介護サービス業に転職することが増える可能性を意味します。第3回で紹介した通り、介護サービスの仕事をしている5人に3人(62.1%)の前職は、介護サービス以外の仕事でした(*3)。2021年時点で日本は世界最高の高齢化率を誇りますが、これからも高齢化率は上昇し続けるなかで、介護サービスに対する需要は高まり続けるでしょう。
介護サービスはAIやロボットによる代替可能性が低い
野村総合研究所が2015年に行った研究によると、日本の労働人口の約49%が就いている職業は、技術的には10〜20年後に人口知能(AI)やロボットに代替可能であるという推計があります(*4)。この研究では、代替可能性が高い職種と低い職種の参考例が紹介されており、介護サービスに関連する職種は代替可能性が低い職種に含まれています。介護サービスにおいても、AIやロボットの活用は進んでいますが、利用者の自立支援のための介護過程の展開という仕事自体がAIやロボットに代替される可能性は低いと言えます。
「介護×〇〇」の組み合わせで、可能性は更に拡がる
これからますます働く人の数が増え、人にしかできない介護サービスの仕事の可能性は、介護以外の分野との組み合わせで更に拡がります。ここでは、実際に「介護×〇〇」の組み合わせで活躍されている方々をご紹介します。自分自身の経験や興味関心を、介護サービスと組み合わせることによって、自身と社会の可能性を拡げていることがお分かり頂けると思います。
※画像をクリック頂くと、取材記事をご覧頂けます。
# 介護×美容
メイクセラピーを介護・医療の現場に普及し
「最期まで自分らしく生きる」ためのケアを
# 介護×動物
年間180の施設で「動物介在介護」を実践し
犬との触れ合いを通じた体や心のケアを提供
# 介護×スポーツ
福祉×スポーツのコラボレーションが
新たな価値と可能性を生み出す
# 介護×旅行
日常のおでかけから非日常の旅行まで
外出を支援する「トラベルヘルパー」とは?
# 介護×音楽
施設で出会う高齢者の人生や介護をテーマに
介護現場から歌を届ける介護福祉士シンガー
今回のまとめ
「介護サービスの仕事を知ろう!」最終回となる第5回は、介護サービスの未来を考えました。日本で唯一就業者数が増えていく介護サービス業界。利用者の希望を叶えることは、人にしか出来ないクリエイティブな仕事です。自分自身の経験や興味関心を活かして、可能性を拡げて活躍している方も多くいます。介護サービス業界が誕生してから約20年。これからの日本の未来は、介護サービスの仕事の未来でもあります。介護サービスの仕事を通じて、あなたの未来を描いてみませんか?
【出典】
*1 内閣府「令和3(2021)年版高齢者白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
*2 リクルートワークス研究所
「2025年 ― 働くを再発明する時代がやってくる」
https://www.works-i.com/project/2025yosoku.html
*3 公益財団法人介護労働安定センター
「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2021r01_chousa_cw_kekka.pdf
*4 野村総合研究所
「日本の労働人口の49%が人口知能やロボット等で代替可能に」
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/
news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf
【文: HELPMAN JAPAN】