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介護業界を目指す方へ

2022.04.20 UP

サービス毎に異なる働き方とは?〜介護サービスの仕事を知ろう!④〜

「就職/転職活動の選択肢の幅を拡げてみたい」
「介護職の求人が増えていると聞いたけど、どんな仕事か分からない」
「興味はあるけど、自分に出来るのか不安」

2021年時点で世界最高の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)の日本において(*1)、介護サービスに対する需要は高まり続けています。一方で、介護サービスの仕事は誰にとっても日常で接する機会が多い仕事とは言えず、仕事内容や働き方のイメージを持ちづらい方も多いのではないでしょうか。

介護の仕事をひとりでも多くの人に知って欲しい。そんな想いから、「介護サービスの仕事を知ろう!」というテーマで、5回に分けて解説します。

介護サービスの仕事を知ろう!全5回

1.介護とは「お世話」ではなく「自立支援」?
2.仕事内容と身につくスキルとは?
3.仕事に対する「5つの誤解」とは?
4.サービス毎に異なる働き方とは?
5.介護サービスの仕事の未来とは?

第4回は、サービス毎に異なる働き方をご紹介します。

介護保険法に基づく介護サービスは全26種類

介護サービスと聞くと、例えば「介護施設」といった言葉で一括りにイメージをしている方も多いのではないでしょうか?2021年現在、介護保険法に基づく介護サービスは全部で26種類あります(*2)。サービス毎に目的や提供価値が異なり、職場の雰囲気や働き方も異なります。

介護サービスは大きく3つに分けられる

介護サービスは大きく3つの種類に分けることが出来ます。利用者が「通う」サービス、利用者の自宅等に「訪問する」サービス、利用者が「生活する・宿泊する」サービスの3つです。それぞれの代表的なサービスと働き方のイメージをご紹介します。

利用者が「通う」サービス

利用者が「通う」サービスは、利用者に日中センターに通って頂き、日常生活のサポートや、運動やお出かけ等のサービスを提供するものです。利用者に一日を楽しく過ごして頂くために創意工夫しながら、昼間に安定した働き方が可能です。代表的なサービスには「通所介護」があります。

「通う」サービスの1日の働き方

ここでは、通所介護で働く方のある1日の仕事内容のインタビューをご紹介します。

■09:30 送迎
社用車を運転して、利用者をご自宅までお迎えにいきます。車の大きさや、利用者の状態によっても異なりますが、一回の送迎で数名の利用者のご自宅に伺い、事業所とご自宅を何回か往復することが多いです。自分が運転することもあれば、スタッフが運転する車に添乗することもあります。ご自宅に伺う際には、送り出すご家族にとって安心してお任せ頂けるような立ち居振る舞いを心がけています。車内では、乗り合わせた方々が楽しく過ごせるような会話の話題の提供や、利用者のお話に耳を傾けています。

■10:30 機能訓練
機能訓練とは、利用者の状態に応じて日常生活を営む上で必要な訓練を行うことです。私たちの事業所では、トレーニングマシンを使って機能訓練を提供しています。訓練中の事故がないよう細心の注意を払うことはもちろん、おひとりおひとりの目標や、やる気を尊重しつつ、無理のない範囲で取り組んで頂けるように配慮をしています。機能訓練中は、複数の方が同時に異なる訓練に取り組んでいるため、全体への目配りとスタッフ同士のチームワークは欠かせません。

■14:15 アクティビティ/レクリエーション
利用者みんなで昼食前後に体操やストレッチをしたり、地域ボランティアの方々にご協力を頂き、演奏会や観劇会等を企画しています。体操やストレッチは、スタッフが日替わりで担当していますが、スタッフそれぞれが得意なことを活かして、利用者に楽しんで頂けるような工夫をしています。私たちは、ご利用者様の大切なお時間をお預かりしているので、『また来たい!』と思って頂けるサービスを提供したいですし、実際にそのようなお言葉を頂けた瞬間に、仕事の醍醐味を感じます。

利用者を「訪問する」サービス

利用者を「訪問する」サービスは、利用者の自宅に訪問して、日常生活のサポートをするサービスです。訪問先の利用者の状況にあわせて必要なサービスを提供し、1日に複数の自宅を訪問します。代表的なサービスには「訪問介護」と、入浴のサービスを提供する「訪問入浴」があります。

「訪問する」サービスの1日の働き方

ここでは、訪問介護で働く方のある1日の仕事内容のインタビューをご紹介します。

■10:10 自転車で訪問先を移動
1件あたりの訪問時間は30分から1時間程度で、住み慣れたご自宅で生活するために、必要なお手伝いを必要な時にご提供することが主な業務内容です。今日は、1件目の訪問先に直行し、利用者の起床や朝食の介助を行いました。訪問記録をつけてから、自転車で次の訪問先へ移動します。1回の訪問で利用者と関われる時間は決して長くありません。だからこそ、利用者の日々の小さな変化に気を配ることを大切にしています。

■13:15 移動の合間にメール対応
2件目の訪問先で昼食の介助を行った後、近くのファミレスでお昼休憩をとりました。次の訪問予定まで少し時間があるので、社用携帯のメールを確認します。私は現在、事業所の管理者を兼務しているので、移動の合間はメールや電話の対応をすることが多いですが、空き時間の過ごし方は基本的にスタッフに任せられています。カフェや公園で小休憩をとったり、自宅に一度戻ってから次の訪問先に向かったりと、サービスの提供時間以外の過ごし方に柔軟さがあることは、訪問介護で働く魅力のひとつかもしれません。

■16:20 事務所にて事務作業
訪問記録を集約して、サービス提供票と呼ばれる用紙にご利用実績を記入します。サービス提供票は、ご利用実績に応じたご請求をするための大切な記録です。そのため、毎月締日を設けて、内容に不備がないか確認しています。普段スタッフは訪問先を移動しており、直行直帰も少なくないので、顔をあわせない日もあるのですが、締日が近づくと一緒に事業所で作業する時間が増えます。スタッフの一体感が頼もしく感じられる時期ですね。無事に締日が終わると、仕事終わりにみんなで食事に行くことが多いです(注1)。

利用者が「生活する・宿泊する」サービス

利用者が「生活・宿泊する」サービスは、利用者が生活の場所を移す、または一時的に滞在して利用するサービスです。サービスの種類がいくつかあり、サービス毎に特徴があるため、代表的な4つのサービスをご紹介します。

■介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
日常生活で支援が必要な程度(介護度)が一定以上の利用者が生活する施設です。施設内で買い物や理美容等のサービスが受けられる施設もあります。

■介護老人保健施設(老健)
利用者が自宅で生活ができるように、医師による医学的な管理のもとで昨日訓練や栄養指導を提供します。

■特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)
利用者が充実した生活ができるように、日常で必要な支援を提供します。民間企業の参入が増えているサービスです。高価格帯のサービスを提供している施設もあります。

■認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
その地域で暮らす認知症の方が共同生活を営むサポートを提供します。定員は最大18名(一部27名)で、アットホームな雰囲気です。

「生活する・宿泊する」サービスの1日の働き方

ここでは、有料老人ホームで働く方のある1日の仕事内容のインタビューと、夜勤シフトの場合の働き方をご紹介します。

■12:00 介護記録の確認・記入
10:00に出勤後、起床した入居者にお茶を提供し、共用スペースでの朝の体操、ダイニングでの昼食などのサポートをしています。昼休憩に入る前に、これまでの入居者のご様子をiPadで記録します。入居者の生活を24時間・365日サポートする私たちにとって、記録はとても重要です。スタッフ全員で共有し、少しでも入居者の様子に気がかりなことがあれば、すぐに看護師に相談します。様々な専門スタッフが連携して入居者をサポートしています。

■14:00 レクリエーション・趣味活動のサポート
入居者の生活がより充実したものになるように、レクリエーションや趣味活動のサポートをします。カラオケやぬり絵、ペン習字や書道、脳トレ等、内容は様々です。近くのショッピングセンターに買い物に行くこともありますし、毎月1回は遠くに外出する日を設けています。先日は、バラ園にお連れしたのですが、いつもは小食のご入居者が、売店で売っているソフトクリームを美味しそうに召し上がっていたことが印象に残っています。行きたいところに行く。食べたいものを食べる。入居者の望みを叶えるお手伝いが出来たときはとてもうれしいですね。

■16:00 入浴のお手伝い
入浴は、入居者のご希望にあわせて、午前と午後のどちらかの時間帯にご案内しています。脱衣所と浴室は一部屋ずつ独立していて、貸切風呂のようなイメージです。入浴のお手伝いに限らず、入居者の安全を確保することは大原則ですが、お風呂の湯加減などの好みもありますので、心地よくお入り頂けるような心配りが大切です。複数の方を順番にご案内する場合は特に、自分の手が徐々にお湯の温度に慣れてしまって、細かい湯加減が分かりにくくなるので、専用の水温計で温度を確認し、ご本人にも確認してもらいご入浴頂きます。

■夜勤シフトの場合の働き方
入居者の生活を24時間・365日サポートするために、スタッフは交代制のシフトで勤務をしています。今日は日勤帯(10:00〜19:00)のシフトでしたが、早番(7:00〜16:00)や、遅番(11:00〜20:00)、夜勤(17:00〜10:00)のシフトもあります。夜勤シフトの主な業務内容は、入居者のお部屋を定期的に巡回することや、お呼び出しがあった際に対応することです。それ以外の時間は、リネンの整理等、日中にできない事務作業をしています。仕事をはじめる前は、夜勤はとても大変なんじゃないかと不安でしたが、実際にやってみると、入居者はお休みになっているので、大きな負担を感じたことはありません。強いて大変なことをあげるとすれば、朝の起床時の対応ですね。一部屋ずつ入居者にお声がけして、身支度をお手伝いするのが意外と大変でした。早番シフトのスタッフと手分けして対応しています。

今回のまとめ

「介護サービスの仕事を知ろう!」第4回は、介護サービスのサービス毎の働き方の違いを紹介しました。介護サービスは様々なサービスがあり、サービス毎に雰囲気が異なります。興味をもったサービスは職場見学等を通じて雰囲気を感じて頂けると納得感をもって職場を選べるかもしれません。次回は、介護サービスの仕事の未来について考えます。

【出典】
*1 内閣府「令和3(2021)年版高齢者白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

*2 厚生労働省
「介護事業所・生活関連情報検索 公表されているサービスについて」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/

【注釈】
*1 コロナウイルス感染拡大前にインタビューを実施しております。

【文: HELPMAN JAPAN】

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