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介護業界を目指す方へ

2021.04.07 UP

前職はバスガイド。未経験ではじめた福祉の仕事。入社前の不安が解消された"意外なギャップ"とは?

未経験から介護の仕事を始めて活躍している方をインタビューし、おひとりおひとりの「はたらく」ストーリーをご紹介!第二回目は、【社会福祉法人南高愛隣会 4年目 嵩(タケ)佳那美さん】のストーリー。現在20代。2017年9月に入職し、障がいのある方の生活介護を行うフロアリーダーの嵩さんに、介護の仕事を始める前から今まで経験したこと、考えてきたことをお聞きしました。

「人と関わる仕事がしたい」という想いから介護・福祉業界へ

――2017年9月に入社されて3年半経ちますが、入社まではどのような経緯でしたか?
地元が長崎だったのですが、高校を卒業してすぐに上京してバスガイドの仕事を2年ほど経験しました。就職活動でやりたいことが見つからない中、修学旅行でバスガイドさんが楽しそうに仕事をしていたのを見て興味を持ったことがきっかけです。仕事は関東の観光地で案内をほぼ毎日していました!その後、案内する地域が広がり、より幅広い知識が必要となる中で、頑張りすぎて体調を崩しかけたため転職を考えたんです。退職後に住み慣れた地元の長崎に戻り、南高愛隣会へ転職しました。

――地元に戻られてから介護・福祉業界で仕事をしようと考えたきっかけは?
バスガイドの仕事は大変だったけど、案内をしていた時にお客様が「ありがとう、良かったよ」と言ってくれた時がとても嬉しかったですし、人と関わる事の楽しさを感じることもできました。だから、「人と関わる仕事」という軸で仕事を探していたところ、友人から南高愛隣会を紹介されたんです。実際に施設見学をしてみると雰囲気が良く、職員もご利用者も良い笑顔で、わいわい楽しそうにしていたのが印象的でした。その時は、ちょうどレクリエーションの時間で、1つのフロアーを使ってボーリングをやっていましたね。室内にペットボトルを立ててご利用者10名くらいでとても賑やかで楽しそうでした。

――現在の職場を選んだ理由は?
福祉の仕事の事は全く分からなかったのですが、施設見学の時に対応してくれた当時の上司が、優しく案内してくれて、ここであれば他の職員とも楽しく働けそうだと感じたことが決め手になりました。見学をする前の福祉業界のイメージは、沢山の介助をしたり施設内をドタバタ走っていてとても大変そう…でしたが、実際に見学した時はとてもゆったりとしていたので印象は全然違いましたね。他の業界や施設は見ずに、ピンポイントで南高愛隣会に決めました。

――新しい業界でお仕事をする時に、悩んだことや不安に思ったことはありましたか?
自分の性格的に、新しいことにどんどんチャレンジしていくというよりは、コツコツ着実にやっていくというタイプのため、知識も全く無い新しい業界の中で、「うまくできるのかな」という不安が一番大きかったです。うまく言葉が話せないご利用者もいると聞いていたので、どうコミュニケーションを取れば良いか、という事が一番不安でした。

日々の不安や課題も職員みんなのチームワークで解決していく

――不安があった中で、入社前と入社後のギャップはありましたか?
働く中で不安は解消されていきました。言葉が話せないご利用者の場合でも、色々な方法でコミュニケーションが取れるんだ、という事が分かりました。例えば、ジェスチャーや絵が描かれたカード(絵カード)を使ってお互いにやりたいことを伝えています。トイレに行きたい時には、トイレの絵カードを見せてくれてコミュニケーションが取れており、コミュニケーションを取る手段は一つじゃないんだと気づきました。良い意味のギャップでしたね。


▲状況や気持ちを表現するために使う絵カード

――現在のお仕事の内容について教えてください!
通いのサービスで働いていて、午前は朝礼から始まり、前日の情報共有、送迎、入浴介助、食事準備、食事介助です。午後は、外出介助、レクリレーション、おやつ(水分介助)、送迎ですね。2つのフロアーにわかれていて、職員10~12名くらいで20名くらいのご利用者をサポートしています。
2020年4月からですがフロアリーダーになり、その日1日の活動ではどんなことをするか、ご利用者がしっかりトイレに行けているかを確認したりなど、チームやフロアー全体の状況を把握しながら、それぞれの職員に声がけをして定期的にコミュニケーションを取っていますね。

――これまでのお仕事の中で「つらかったこと」「楽しかったこと」を教えてください
ご利用者の『危険を伴う行動』をどうやったら改善できるか、色々試してもうまくいかない時は少しだけ大変だなと思うことはあります。ただ、他の職員と試行錯誤しながら解決できた時はとてもうれしいので、つらいと思うことは無いですね。
大変だったエピソードとしては、ふとした時に大声を出すご利用者さんですね。ご利用者本人にとっても、周りで過ごしているご利用者にとっても負担となるので、なぜ大声を出すのか、チームで観察や分析をしました。すると、大声を出すタイミングがどうも『注目をしてほしい時』なんじゃないか、という事に気づきました。大声に対して周りが反応すると大声を出し続けていたので、大声を出した時にはまず周りで反応をしないようにしてみたことから少しずつ改善に向かっているところです。
その一方で、一番楽しいと感じるのは、やっぱりご利用者と接するときやレクリエーションの時間ですね。また、先ほどのエピソードでもお伝えした通り、大変なことがあった時も職員同士チームで支え合っているのですが、チームワーク良く働けていると感じられた時に楽しいなと思います。例えば、ご利用者の立場になって考えて、他の職員や上司に「こんな風に思っているんじゃないか?」と相談することがあります。その時は、職場のみなが一緒になって考えてくれますし、お互いに支え合っていると感じられますね。

――前職の経験で活きていることはありますか?
相手の立場になって考えることですね。最初のころは、職員の目線で1から10まで全部サポートすることが良いことだと考えていました。でも少しずつ周りが見えるようになっていく中で、ご利用者自身ができることは何かを考え、行動を促すようになりました。例えば、伝えて促すことによってご利用者がご飯を食べた後に自分で食器を下げるようになったなど、ご自身だけでできることが増えていくケースもありました。また、どんな風にしたらご利用者が楽しめるか、やりたいことは何なのか、ご利用者の立場になって考えながらサポートすることもできるようになりましたね。

――プライベートの過ごし方や気持ちを切り替えている方法があれば教えてください。
甥っ子姪っ子がいるので、遊んで癒されることです!あとは、長崎市内で友人と美味しいものの食べ歩きをして、リフレッシュしています!

▲プライベートで食べ歩きをしている時の様子

楽しいから続けられる!ご利用者と共に挑戦したいという想い

――最後に、介護・福祉の仕事を続けていくにあたっての想いを教えてください。
ご利用者の様々なご希望を叶えられた時の喜びはとても大きなものです。毎日ご利用者と関わることで元気をもらえますし、なにより楽しいからこそ続けていくことができています。これからもご利用者と楽しみながら、難しいことでも一緒に挑戦していけたらなと思いますし、ご利用者が楽しんでいただけるように支援していきたいと思っています。

――嵩さん、素敵なお話をありがとうございました!

【社会福祉法人南高愛隣会】
「生きる誇りへの、挑戦」「人生は 楽しい」を合言葉に掲げ、障がいのある方の夢や希望を叶えるために挑戦を続ける社会福祉法人 南高愛隣会。長崎県下の5市にて約1,000名ものご利用者へサービス展開を行う。(http://www.airinkai.or.jp/)。未経験の方に活躍していただくための制度・取組事例はコチラ

【文: HELPMAN JAPAN 写真: 社会福祉法人南高愛隣会 提供】

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