介護業界を目指す方へ
2021.07.15 UP
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
未経験から介護の仕事を始めて活躍する方をインタビューし、おひとりおひとりの「はたらく」ストーリーをご紹介!第7回目は、【社会福祉法人東の会 1年目 木村寛恵さん】のストーリー。ご家族の入院を機に介護の仕事に興味を持っていた木村寛恵さん。介護の仕事を始める前から今まで経験したこと、考えてきたことをお聞きしました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3年間、介護の仕事をするか悩んでいた木村さん。「向いているわ」の言葉で決心。
――東の会で働くまでは、どのようなお仕事をされてきましたか?
人と接することが好きだったので、専門学校を卒業後、まずはホテルのフロントで働いていました。その後、よりお客様との会話時間を増やしたいと思い、飲食店で働くことを決め、都内のフランス料理店やイタリア料理店で働くようになりました。当時一緒に働いていたオーナーや同僚がワイン好きで、私も影響を受けてソムリエの資格を取ったりしましたね。
出産をして、引っ越しをしたことがきっかけで仕事を辞め、専業主婦として家事をしていました。その後、子どもが幼稚園に入って落ち着いたのを機に、ラーメン屋さんのパートとして働き始めました。そこで4年ほど接客と調理業務を担当していました。
――そこから介護の仕事をしようと思ったきっかけは何ですか?
きっかけは、3年ほど前に父が脳梗塞を患ったため入院したことです。そこで介護職員さんと初めて接する機会ができたんです。もともと介護の仕事は暗いというイメージがあったんですが、病院でイキイキ働いている姿を見て、かえって明るいイメージを抱きました。皆さん笑顔で明るく接してくれたことで、明るいイメージが強まりましたね。私の父は気難しい部分があったのですが、職員のみなさんが盛り上げてくれたり、リハビリが上手くいかなかったとしても、気分を上げてくれたりして、本人のやる気が出るように接する姿を見てそう感じましたね。そのような姿を見て、介護職として働きたいなって思ったんです。
――お父様の入院をきっかけに、介護の仕事に興味を持つようになったんですね。そこからすぐに介護の仕事を目指したんですか?
介護の仕事をしたいと思ってはいたんですが、「自分にできるのだろうか?」と自信がなく、なかなか踏み込むことが出来なかったんです。日々忙しかったこともあり、介護の仕事がしたいなと思っていたものの、自分に向き合う時間もなかなか取れませんでした。そうこうするうちに3年くらい過ぎてしまったのですが、2020年に新型コロナウイルス感染症の拡大があったことで、1か月ほど考える時間ができたんです。その年の夏に、働くか否かを一旦置いておいて、まずは資格を取ろうと思い、介護職員初任者研修の学校に通い始めました。研修の受講をしながらも、それでも介護職として働くことと、ラーメン屋さんを続けることについて気持ちは五分五分でした。ただ、講師の方に「介護ってとても楽しいわよ。あなたにピッタリな仕事だと思いますよ!」と言われたんです。実際、人と接することがとても好きだったことや、介護の勉強をしていても大変だと思わなくて、確かに自分に向いているかもと思ったんです。そこで介護の仕事を調べてみよう!と思っていたんです。
――介護の仕事をしようか悩んでいたところに、講師の方が背中を押してくださったんですね!その中でも東の会を選んだ理由は?
介護職の求人をいろいろ見ていたんですが、東の会の求人を見たときにビビッと来たんです!『みんなでつくるみんなの笑顔!』というメッセージを見て、その方針に感動したんです。普段、笑顔でいることを大切にしているのですが、これまで一緒に働きたいと思ってきた人も、いつも笑顔がある人だったので、「ここだ!」と思いました。
そこで、東の会の面接に行きましたが、面接官の方はとても笑顔で楽しそうだったんです。それに、見学もさせていただいたのですが、フロアが開放的な印象で、清潔を保っている。匂いもない。そして職員の皆さんがニコニコと挨拶をしてくれて、『みんなの笑顔』という言葉が合っていましたね。もう一つ東の会に決めた理由が合って、ホームページに「介護の経験がない方でも、先輩方から丁寧に教わることが出来るので、心配はいりません。 1年後、2年度には必ず自信を持てると思います。」と書いてあって、それを見たときにも「やってみたい」と勇気が出ましたね。面接を通過し、2021年3月に入職して今約2か月ちょっとが経ちました。
▲木村さんが見た東の会のホームページ。トップページに東の会が目指すメッセージが目に入る。
ご利用者さんご自身できることと、手が必要なこと。見極める力を養っています。
――『笑顔』を軸に東の会に行こうと決めたんですね。現在どのような仕事をされていますか?
今は先輩に付いて業務を学んでいるところです。ご利用者さんのトイレ、入浴、食事のお手伝いのほか、ご利用者さんとコミュニケーションを取ることが主な仕事です。コミュニケーションでいうと、ご利用者さんの昔の話をお聞きしたり、読めない漢字を教えていただいたり(笑)今は日勤帯で働いているのですが、子どもが大きくなったら夜勤などの時間帯もやっていこうかなって思っています。
――介護職員初任者研修を取得されたときの学びが実際に介護の仕事で活きているなと思うことってありますか?
資格の勉強をするまでは、介護のお仕事は、ただお世話をするだけだと思っていたんです。でも、実際は“自立支援”・“尊厳保持”が私たちの仕事であることを学びました。ご利用者さんができることを支えていくことが大切。例えば、様々な生活の場面で、ご利用者さんの動きに時間がかかっていたりすると、ついつい手を出してしまいがちなのですが、できることは見守って、ぐっと我慢し忍耐力を持つ必要があります。まずはご利用者さんのお力でやっていただく、手が必要なところはサポートする。それぞれを見極めていくのが難しかったですし、今まさにその力を養っているところです!
――未経験で初めてのことばかりかと思いますが、育成に関してどのようなサポートがありましたか?
1か月・2か月・3か月で学ぶべきことの行動確認シートがあります。自分でそのシートをもとにできていることと、そうでないことを確認して、上司にも面談を通じてチェックしていただきます。その確認票には、50個以上の行動指標があって、自分自身の振り返りができるので、とても役立っています。
飲食業の『おもてなしをする心』が介護の仕事に活かされている
▲ご利用者のお食事介助をする木村さん
――前職は飲食業だったということで、今の仕事に活せていることはありますか?また、接客業と今の仕事について、どう捉えていますか?
飲食業で働いていた期間が長かったことから『おもてなしをする心』が身についていますね。その力は介護の仕事でも活きています。当時から「居心地のいい空間にしたい。」と思っていたのですが、ご利用者の皆さんにとっても “ずっとここにいたいな”と思っていただける空間にしたいと思っています。
接客業と介護の仕事は、お客さんと笑顔で、感じよく接するという点で似ています。ただ、接客業の場合、常連さん以外は一瞬一瞬のお付き合いで終わることが多い。一方で介護の仕事は、長期的なお付き合いがあり、人の生活に入り込んで人生を支える。深く長く続く信頼関係を作っていけるという点では、接客業と違うなと思っています。
――介護の仕事は長く接点を持て、信頼関係を作る仕事と捉えていらっしゃるんですね。プライベートの過ごし方や気持ちの切り替え方法を教えてください。
コロナ禍では難しいのですが、アウトドアが好きですね。家族と良くキャンプに行っていました。冬はスキーに行ったり。今の時期は外出が難しいこともあり、家の中でワインなどのお酒を飲んでリラックスしています。
▲コロナ禍以前は良くいっていたスキー。アクティブに過ごすのが好きな木村さん。
――介護の仕事をする中で、これからに向けて頑張ろうって思っていることってなんですか?
今は未経験すぎて毎日学びの日々です(笑)いろんな介助をこつこつと身に着けていくことが第一歩だと思っています。今は覚えるために、何回も何回も同じことを繰り返し行うのですが、それだと利用者さんにも不安を与えてしまうんですよね。あとはご利用者さんとの信頼関係を作っていきたいです。仲良くなっても敬意は忘れずに接したいと思っています。
――木村さんが昔そうだったように、介護の仕事をしてみたいけど悩んでいる方に向けて、ぜひメッセージをください!
「思っているよりも大変じゃないよ。」と伝えたいです。周りの人にも、介護の仕事って大変じゃないの?って聞かれるんですが、そんなに大変って思いません(笑)。むしろ、私がご利用者さんに元気をもらえている気がしていて、冗談を言い合えて、笑わせていただいている。こんな楽しい職場ってないなと(笑)なので、もっと早く入ればよかった!っとも思いますね。というのも、若ければ若いだけこの業界に長くいられますし、介護福祉士の資格も3年の実務経験が必要ですしね。迷っている方は、ぜひ“今”挑戦してみていただきたいです!
――木村さん、素敵なお話ありがとうございました!
【社会福祉法人東の会】
神奈川県相模原市にある社会福祉法人東の会は、2003年に特別養護老人ホームを開設。(https://www.mitake-h.com/)。地域に根を張って地域と共に考え行動し、地域に頼りにされる福祉の拠点になることをビジョンに、『「ゆとり介護」でその人らしさを大切に!』する介護を目指している。未経験の方に活躍していただくための制度・取組事例はコチラ。
【文: HELPMAN JAPAN 写真: 社会福祉法人東の会 提供】