ヘルプマン
2013.10.30 UP
サッカーの盛んな静岡県で育ち、幼稚園のころからサッカー一筋だった高村和哉さん。休日は、社会人サッカー西部地区リーグ「FCシグマ」で、ミッドフィールダーとして活躍しながら、普段は、ケアスタッフとして働いています。「サッカーと介護の共通点はあきらめないこと」と話す高村さん。そのわけを聞きました。
ご利用者の部屋に
番地名がついた施設
物心がついたときにはもうサッカーボールを追いかけていました。
小中学校は地元のクラブチームでキャプテン、高校では県のベスト4が最高かな。社会人サッカーの選手で食べていきたいと考えたこともありますが、そうそう簡単じゃなかった。
福祉を目指そうと思ったのは高校の実習がきっかけ。障がい者施設や高齢者施設などで体験しましたが、高齢者施設でひ孫のような自分に昔話をしてくれる老人と過ごす時間が素直に楽しいと感じました。
大学で本格的に介護を学び、介護福祉士と社会福祉士の資格を取得。実際に働く場を選ぶ際には、少人数でしっかりと生活サービスを提供できるユニット型を実践している施設がいいと思い、梅香の里を選びました。施設ではご利用者の部屋を「亀井戸三丁目十番地」といった地名で表して、あたかもここが自分の暮らす場所という気持ちになっていただけるサービスを目指しています。
年に一度の研究発表会
優勝チームにはハワイ研修
ご利用者にとって梅香の里はもう一つの「家」。ここにいる間は自分の家のように安心して居心地のいい時間を過ごせるよう環境を整えるのが僕らの仕事です。
大切にしているのは最初のアセスメント(事前評価)。ご本人の性格や生活歴(どんな仕事をしてきたのかや、ご自宅での暮らしぶりなど)や今後どういう生活をお望みなのかをしっかりと把握し、可能な範囲でそれに応える介護をすることです。
認知症の方の場合は会話が成り立たない場合もありますが、毎日向き合っていればちょっとした表情の違いもわかってきて、眉間に皺をよせたり、ふっと笑ったりする様子から機嫌の良し悪しを推察できるようになります。昨日まで自分で食べ物を口に入れるのが難しかった方が、上手にスプーンで口に運べるようになった時など、ささいな進歩が何よりの喜びです。
そうした工夫・試みを発表し合うのが年1回の「研究発表会」。今年、決勝で優勝したチームにはハワイ研修が待っています。
ほかにも思いついたアイデアを提出すれば一つにつき500円がもらえる制度など、クリエイティブな風土が八生会らしいところです。