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2014.04.21 UP
1月末に発表された総務省の労働力調査によると、2013年の65歳以上の就業者数は636万人と、前年に比べて6.5%増え、就業者全体に占める割合が初めて1割を超えました。
働く高齢者が増えれば、長年の経験で培った仕事への姿勢や考え方を若い世代に受け継ぐ絶好の機会にもなりますし、日本経済の活性化も期待できそうですよね。
そんな高齢者の就労支援として、最近では育児に参加する高齢者男性=“イクジイ”を増やそうという動きが、NPO法人や自治体で活発になっているといいます。
男性高齢者の働く意欲を子育て支援に活用しようと、「イクジイプロジェクト - 笑っているおじいちゃんが社会を救う。」を立ち上げたNPO法人ファザーリング・ジャパンは、セカンドライフを満喫する高齢者向けに孫育て講座や講演会を開催。子どもとの触れ合いを通して、若い父親では伝えきれないヒューマンスキルやコミュニケーション能力を伝える機会を設けているのだそう。
NPO法人エガリテ大手前は、孫育てができる男性高齢者を“ソフリエ(祖父×ソムリエ)”と名付け、ソフリエ認定講座を全国で展開。さらに、赤ちゃんの沐浴の方法や読み聞かせのやり方などを教える研修会を開き、公共施設で高齢者の就労支援と子育てサポートを展開する自治体も増えているようです。
“会社人間”だった男性高齢者が育児に向き合うことで、新たな生きがいを感じ、本人たちの自活にもつながるという“イクジイ”。おじいちゃんと子どもたちの笑い声があふれる、楽しい街がどんどん生まれてきそうですね!
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】