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2024.09.26 UP

地域の人が集まるカフェで多世代がつながり、「シェア旅」で思い出をシェア!?(FIOREI)/デジタルアートを使った楽しいリハビリを高校生が推進!?(デジリハJK)

2024年2月に開催されたイベント「社会福祉HERO’S」。同年に新設された賞「社会福祉学生ヒーローズ賞」は、高校や大学、専門学校の団体やサークルで、創意工夫あふれる学生による福祉活動を表彰する賞です。
受賞した5団体に、活動の詳細や社会福祉学生ヒーローズ(以下、学生ヒーローズ)に参加した理由などを伺い、3回に渡ってご紹介するこの企画。今回は、第2回目の記事です。

目次

1.# 福祉っぽくないかわいいデザイン # 10年前の取り組みを復活させた! # 福祉をみんなごとに(wel-bee)
2.# 高校生をレンタル!? # ちょっとした困りごとをお手伝い # 若者の力が与えるパワー!(レンタル高校生/上田千曲高校)
3.# 多世代カフェでつながる # デジタル旅行体験で涙 # 継続が居場所になる(FIOREI)
4.# デジタルアート #楽しくリハビリ # 高校生と専門学生がタッグを組む!(デジリハJK/陽明高校)
5.# 島暮らし # ボランティア # 島の高齢者と学生をつなぐ(さぬき広島ボランティ愛ランド)
6.# 社会福祉学生ヒーローズ #今後の期待

# 多世代カフェでつながる # デジタル旅行体験で涙 # 継続が居場所になる



▲今回お話を聞いたのは、「FIOREI」の佐藤さん・細川さん。社会福祉法人四恩学園と連携の上、コミュニティカフェと模擬外出「シェア旅」を実施。


団体設立のきっかけや理由をお教えください!

2022年に始めた活動で、新型コロナウイルスの影響がきっかけとなっています。コロナ禍では、地域のつながりの減少や高齢者の外出制限など、様々な機会が奪われました。そこで、学生によるボランティアの組織化を図ることが、地域福祉の推進になるのではという想いで、もともと大学の先生とご縁のあった社会福祉法人四恩学園と連携して始めました。
私自身も立ち上げメンバーの一人だったのですが、リモート授業で対面の授業がないなど、

そしてこの活動に取り組んでいる中で、細川さんにも声を掛けました。

学生生活で仲良くしていた佐藤さんに、動画編集のスキルが必要だと声を掛けてもらいました。私自身、動画編集が得意だったこともあり、中心的な役割としても関わるようになりました。

活動への想いと印象に残っている出来事を聞かせてください!

コミュニティカフェについては、「福祉」を感じさせず、入口を緩いものにすることで、地域のいろんな方に来ていただけるようなカフェにしようと思い取り組んでいます。そのためにも、学生が楽しんで運営している姿を地域の人に見ていただけるようにしています。
▲カフェのハロウィンイベントで子どもにお菓子を配る様子。赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い世代の方とお話できることがいい刺激になっていると、心から楽しんで学生が運営している

印象に残っている出来事が、先月のことです。道路を挟んだ向かい側の広場で男の子がサッカーボールを蹴っていたんです。声を掛けたところ、彼は転校してきたばかり。近所にもまだ友達がいないけど、カフェがワイワイしてたから来たとのことでした。話が終わり、カフェに戻った後にしばらくしてまた外に出たら、先ほどの男の子と、いつも来ている小学生が一緒にボールで遊んでいたんです。それを見て、カフェをやっている意味を感じられました。

▲カフェを通じて様々な世代が交流するきっかけが生まれている

模擬外出については、施設に暮らす高齢者の方が対象ですが、普段接することが無いからこそ、
模擬外出の名前は、「シェア旅」。若者の間では、今様々なものをシェア(共有)する文化があり、高齢者の方々にもシェアを楽しんでいただきたい。そこで想い出をシェアできるようにしようということで始まりました。
取り組みの具体的な流れとしては、対象者さんにその場所に対する想い等、何度かラフに聞き取りを実施→高齢者の想い出の場所に実際に訪問して撮影→本人だけでなくご家族や様々な人に上映で見ていただくという流れです。

▲上映の様子。聞き取りから上映までの過程を通じて、ご利用者の方に様々な感情が沸き上がるきっかけや、人とのつながりができるきっかけにもなってほしい、そのような想いを大切にして取り組んでいる

心に残る印象的な出来事もありました。私たちがある対象者さんに聞き取りをしたところ、想い出を聞かせてと言っても「そんな無い」と反応がなく、模擬外出も求めていないというような姿勢でした。認知症をお持ちの方だったので、私たちの存在自体や聞かれている目的がわからず不安だったのかもしれないです。そのような反応な中で、大阪から高知県と遠方にまで撮影へ行っても上映が成功しないのではないかと、私たちも不安を感じていました。
ところが上映が始まってみると、その方の表情が一変してすごい笑顔で観てくださり、ご家族ともイキイキしゃべっていらっしゃる。その姿を見てよかった、嬉しかったと思いました。さらには、最後にお土産を渡すタイミングで、

▲上映の最後にお土産を渡す様子

学生ヒーローズに参加した理由を教えてください!

大学職員の方から案内があったことがきっかけで知りました。「受賞すれば東京に行ける!」とも思いましたし、この機会に自分たちの活動を整理して評価していただくというのも大切なことだなと思い、参加しました。
ちなみに、受賞の自信もありました!というのも、珍しい取り組みだといろんな方からおっしゃっていただけていたこと、特に模擬外出は企業やNPOなどでも珍しく、学生が主体的に取り組んでいることは強みだと思っていました。

受賞したことによる反響や変化はありましたか?

大学の方から表彰してもらえ、支援金をもらうこともできました。また、受賞をきっかけに、この春に1・2年生のメンバーが増えたことも大きな変化だと思います。

内面的な成長もありました。受賞という形で評価してもらえたことで、自信が持てました。また、関わる人も増えて責任が増えたなとも感じます。特にコミュニティカフェは継続していこうという想いがより強くなりましたね。

今後どんなことを目指していきたいと思っていますか?

活動を継続していくことに加えて、マンネリ化を防ぐためにも、新しいことに挑戦していくことを意識して取り組みたいです。
地域の人に認識してもらうことも目指したいです。地域にお祭りがあるように、毎月定番のイベントがあることで、地域の方が知っているような存在になれたらと思います。

地域の人に愛されるような団体を目指していきたいです。

▲佐藤さん・細川さん、インタビューさせていただきありがとうございました!

# デジタルアート # 楽しくリハビリ # 高校生と専門学生がタッグを組む!



▲今回お話を聞いたのは「デジリハJK」の呉屋さん・友利さん・下地先生の3名。「デジリハ」(デジタルアートを活用したリハビリツール)というアプリを使い、障がいを持った児童を対象に身体機能の向上や人との接し方を学べるようにプログラムを提供する内容。高校生と作業療法学科2年生による合同企画として始まった。

「デジリハJK」という名前がユニークですが、どんなメンバーで取り組んでいるのか、はじまった経緯も教えてください!

「デジリハ」を広めたいという想いと、私たち女子高校生が関わっているということで「JK」を合わせて名づけました。
2023年度は、琉球リハビリテーション学院の専門学生が18名、私たち陽明高校の生徒は2年生13 名が関わって、総合学科という授業の一環として全国で初めて実施しました。

▲小学生に向けた授業内容を検討する様子

始まった経緯は、私からご紹介します!
琉球リハビリテーション学院が高専接続プログラム(高等学校と専門学校が有機的に連携して取り組むプログラム)を受託し、私たち陽明高校ともこれまで連携をしていました。ただ私としては、学校と学校との連携に留まらず、学生と生徒との接続もしたいということで始まりました。また、デジリハの代表の方とも知人だったことからデジリハを活用した連携に至ったという経緯です。

実際にデジリハを使った時に、どんな反応がありましたか?

初めての取り組みということで、はじめのうちは正直わからなかったというのが感想です(笑)小学生に対してプレゼンできるか心配でしたが、専門学校の知識ある先輩が引っ張ってくれたので、私たちも楽しく実施することができました。そして小学生がたのしんでくれたことに、達成感がありましたね。
▲小学生に向けたプログラムの内訳

授業を通して障がい児の方と接したのですが、普段障がい者や、そもそも小さい子どもとも関わる機会が少ないので、関わり方が分からなくて不安でした。
面白いと思ったのは、デジリハの中で個人戦やチーム戦でゲームをしていたときの場面です。小学生は負けず嫌いな部分があると思っていたのですが、お互いに応援し合っていてすごいな~と思って嬉しくなりました。

▲デジリハを授業内で実施する様子


コミュニケーションが得意じゃない子も、自分から話しかけてくれたリ、子どもたち同士でも積極的に話していたり、悔しかったりしたら表に喜怒哀楽を出してくれて本当に楽しんでくれているのがわかり、やってよかったと思いました。

学生ヒーローズに申し込んだ理由や、受賞したことで何か反応や良かったことはありましたか?

先生から「こんなのがあるよ」、と紹介してもらったことがきっかけです。手を挙げる人が居なかったので、私が代表者として立候補して友利さんを誘って申し込みました。今後の経験としても必要だなと思ったこと、

受賞して、学校内のいろんな先生たちに褒められたことが嬉しかったです(笑)
あとは、沖縄だけの事例ではなく、全国の福祉の取り組みを知れたことがよかったです。私自身の変化としては、表舞台にでるのが苦手だったのですが、社交性がついたと思います。

全国という大きな舞台の中で、高校生として受賞出来たことで、結構自信がつきましたね。

今後「デジリハJK」はどのようになっていきますか?

今高齢者や障がいのことについて授業で学んでいて、授業内で介護初任者研修の取得ができるように頑張りたいです。今後「デジリハJK」としては、特別支援学校の中学生向けにも取り組んでいく予定です。

小学校での取り組みを知った中学校の特別支援学校からお声がけいただき、新しく始めることとなりました。また、彼女たちが同級生の先生役になってデジリハの取り組み方法を教えて広げていくことで、支え手も増やしていきたいと思います。
▲呉屋さん、友利さん、下地先生、インタビューさせていただきありがとうございました!

次回は、さぬき広島ボランティ愛ランドです!

2024年度も、社会福祉学生ヒーローズの募集を予定しています。詳細は、社会福祉HERO‘SのWEBサイトをご覧ください(http://www.shafuku-heros.com/

【文: HELPMAN JAPAN 写真: FIOREI・デジリハJK(陽明高校)】

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