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2014.04.07 UP
多摩ニュータウン、戸山ハイツ、高島平団地など、高度成長期の日本を象徴する“マンモス団地”で、入居者の高齢化が進んでいます。
特に、昭和30〜40年代に建てられた都内の大規模住宅団地は、同じ時期に入居した住民が一斉に高齢化する傾向があり、団地内の高齢化のスピードは、東京都全体の平均を上回っているのだそう。
そんな中、団地に住む高齢者を対象にした、さまざまな取り組みが行われています。
例えば、東京都多摩市の多摩平団地。団地再生事業の一環として、老朽化し空き家となっていた住宅棟を“団地型シェアハウス”としてリニューアル。シェアハウス2棟、菜園付き集合住宅1棟、高齢者向け住宅2棟で構成されていて、若者から高齢者まで、多世代が暮らすコミュニティとして生まれ変わりました。
埼玉県春日部市の武里団地では、市と近隣大学が連携して、学生を団地に招き入れ、地域貢献活動をしてもらう代わりに家賃や通学費の一部をサポート。団地に住む子どもや高齢者と若い世代が交流を深める食事会やレクリエーションが学生主体で開催され、団地の自治会の活性化などにもつながっているのだそう。
さらに、企業と連携して住民の健康管理システムをつくり、食事の指導などを行う実験に取り組む団地も出てきているようです。
昭和の時代、団地暮らしは“庶民の憧れ”だったといわれていますが、団地はいまも新しい可能性を秘めているんですね。
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】