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2014.03.17 UP

認知症の本質的な捉え方を知り、身近で気ラクな存在に変える1冊

人を尊重する介護を実践した著者の
認知症とのつきあい方とは?

認知症介護に27年間携わり、“介護業界の革命児”と呼ばれる和田行男さんによる、認知症を理解するための入門書。現在、認知症の原因となる疾患を完全に治療する見通しは立っていません。つまり、現時点では、ある程度の折り合いをつけ、備えることが大切な病気だということ。本書では、認知症の正しい捉え方とつきあい方、介護保険制度の活用法について、実践的で、時にユーモラスな視点を交えて解説されています。

【もくじ】
はじめに/1章:生活の中で認知症に出会うとき/2章:そもそも認知症とは何か/3章:認知症と折り合いをつける/4章:―家で暮らす・施設で暮らす― <パートI>介護航海まぎわの人が知っておきたいこと <パートII>介護航海中の人が知っておきたいこと/おわりに ―あらためて認知症に想いを寄せて―

★★HELPMAN Point!★★

認知症はかつて「痴呆(症)」と呼ばれていた状態。痴呆は「ばかげたこと」という意味なので、痴呆老人というとバカ呼ばわりしていることになります。これに始まり、認知症には周囲の理解の足りない場面が多くあります。認知症は病ではなく病によって引き起こされる状態ですし、脳の力も「消え失せる」わけではなく「衰え退く」状態。こうした小さな誤解が積み重なり、実際に家族が認知症になると、とてもうろたえてしまうことになります。

ある女性は、「母親が認知症になった」と嘆き悲しみながら著者に相談に来ました。このとき著者は、「認知症ってちょっと離れてみると面白いこともいっぱいあるやろ」と意外な問いかけをします。続けて、「お昼ごはんを食べたのに食べてないって言うことなかったですか、おかしいですよね」。そんな話を続けるうちに女性は泣き顔から笑顔に変わり、「母がおかしくなったのではなく、認知症がおかしなことをやらせているだけ。母親の存在は変わらない」と気付いたそうです。

このエピソードが示すとおり、認知症はきちんと知れば笑顔でつきあっていけるもの。本書は今まで誤解していた認知症について正しく理解し、捉え方を変えれば“だいじょうぶ”だと教えてくれます。


★だいじょうぶ認知症 家族が笑顔で介護するための基礎知識
価格:760円+税

【著者】和田行男 【発売日】2014年1月10日 【ISBN】9784022735461 【発行】朝日新聞出版(朝日新書) (C)2014 Wada Yukio

【文: 岡本のぞみ(verb)】

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