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2014.08.28 UP

家族の再生をうながした父の記憶を見つける旅

思い出に寄り添うことで
再び結ばれる絆

俊介はこれまで仕事一筋に働いてきた会社員。重役への昇進も目前です。一方で、共に過ごす時間がなかったため、家族はバラバラ。妻・昭子とは会話がなく、息子の大介はアルバイトを転々とし、家にいるときも部屋に閉じこもりきり。娘の咲子も高校生なのに毎晩帰りが遅い状態。そんなとき、同居する父・俊太郎に認知症の症状があることに気付きます。

自分を男手一つで育ててくれた父のため、何とか家族の協力を得ようとするものの、気持ちは届きません。そんなある日、実は息子の大介が俊太郎の力になってくれていたことを聞かされ、自分が家族と向き合ってこなかったと思い知らされます。俊介は家族との時間を取り戻すために、初めての家族旅行を決意。ある晩、俊太郎が言った「春、満開の桜が美しかった」という言葉を頼りに、父の遠い記憶を探す旅に出て…。

★★HELPMAN Point!★★

父・俊太郎の言葉に導かれながら、少しずつ歯車が回り出す俊介たち。一方で、俊太郎の症状は進み、昔の記憶の中を生きる時間が増えていきます。しかし、旅を続ける中で俊太郎の大切な思い出に触れ、改めて父(祖父)の人生を見つめることで、家族の思いが一つになり、俊太郎のおぼろげな記憶の先にある思い出の地にも近づいていきます。

「僕は自分の記憶に自信がないんだよ」。俊太郎がある日、告白したように、記憶が薄れ自分が何をしたかもわからなくなってしまうのは非常に不安な状態。日記に記された言葉の端々からも、その苦悩が伝わってきます。しかし、孫の大介が味方だとわかりうれしかったと俊太郎が言うように、家族や身近な人たちの支えや理解、認知症の人の意識に家族のほうから近づいていくことで、絆を取り戻すことができるのではないでしょうか。


★「サクラサク」
発売日:2014年10月10日 ※同日レンタル開始
価格:4,700円+税(DVD)

【原作・主題歌】さだまさし/原作『サクラサク』(『解夏』幻冬舎文庫収録)、主題歌『残春』(ユーキャン)【監督】田中光敏 【脚本】小松江里子 【音楽】大谷幸 【キャスト】緒方直人、南果歩、矢野聖人、美山加恋、藤竜也、NAOTO、津田寛治、嶋田久作、佐々木すみ江、大杉漣 【発売】東映ビデオ株式会社 【販売】東映株式会社
(C)2014映画「サクラサク」製作委員会

【文: 岡本のぞみ(verb)】

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