介護業界を目指す方へ
2022.09.29 UP
少しでも自分にあった場所で働きたい!介護職に興味はあるけど、介護施設の種類が多くどのように選べばよいかわからない。そんな悩みをお持ちではありませんか?実際に施設ごとの違いを知っていただくために、施設ごとの特徴について、社会福祉法人小田原福祉会に3つの施設(特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問介護)、株式会社スミリンフィルケアに有料老人ホームのことについてお聞きしました。自身に合った施設の探し方のヒントとなるよう施設ごとの特徴を紹介していきます。
目次
介護施設の違いとは?
1.特別養護老人ホーム
2.通所介護(デイサービス)
3.訪問介護
4.有料老人ホーム
5.まとめ
1.特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームは、入所者が可能な限り在宅復帰できることを念頭に、常に介護が必要な方の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上のサポートを行う施設です。(*1)
やむを得ない理由がない限りは要介護度3以上の方のみが入所の対象となっているため介護度が高い利用者が多いことが特徴です。また施設によって相部屋が中心の「従来型」の施設と、個室と共同生活室で構成されるユニット型の二つのタイプが存在します。
特別養護老人ホームについて社会福祉法人小田原福祉会(※1)にお聞きしました
【特別養護老人ホームの特徴とは?】
・自宅での生活を営むことが難しくなった方が安心して暮らすことを目的した施設
・要介護度3以上の方が基本になるため、全介助(日常生活活動の食事、排泄、着替のいずれにおいても介護者の援助を全面的に必要とし、1 日中ベッドの上で過ごす方への介助)の利用者が多い
・利用者が最後まで施設で過ごすこともあるため、看取りまで行う場合がある
・ユニット毎に専属の担当をすることが多いため、利用者の理解が深まる
【業務・働き方の特徴とは?】
・三大介助と呼ばれる入浴介助、食事介助、排泄介助を全て行う
・24時間365日利用者が生活する環境のため、職員はシフトで勤務を行う
・看取りまでを担当するため、医師や看護師など他種との連携が多い
2.通所介護(デイサービス)
通所介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的としてサポートを行う施設です。(*2)
食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供し、施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行います。
デイサービスについて社会福祉法人小田原福祉会(※1)にお聞きしました
【デイサービスの特徴とは?】
・月間の利用者に応じてデイサービスは小規模型・通常型・大規模型に3分類される
・自宅などで生活をされている方が、日中の時間に通われる施設
・要介護認定の有無にかかわらず、サービスの提供ができるため、幅広い利用者がいる
【業務・働き方の特徴とは?】
・普段は自宅で過ごし、日中のみ利用される方がほとんどのため、コミュニケーションを取れる方は多く、レクリエーションが多い
・自立度が高い方も多いため、利用者に合わせて必要な介助を行う
・送迎業務があるため、家族との関りや、利用者の生活背景を把握できる
・基本的には夜勤勤務はなく、日中だけの勤務
3.訪問介護
訪問介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護(身体介護)を行います。(*3)
また、身体介護だけでなく、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活の支援(生活援助)を利用者の希望に合わせてサービス提供します。
訪問介護について社会福祉法人小田原福祉会(※1)にお聞きしました
【訪問介護の特徴とは?】
・身体介護だけでなく、掃除や調理などの生活支援を行う
・利用者の自宅でケアを行うため、施設ほどの設備が整っていないことが多くある
・ケア中は1対1で利用者に向きあいやすい
【業務・働き方の特徴とは?】
・利用者の状況に合わせて身体介護だけでなく、生活支援を行う
・事業所などに立ち寄らず直行直帰で仕事ができることが多い
・利用者の自宅という限られた環境で、適切なケアが求められるため、知恵を出し創意工夫しながら業務を進める
4.有料老人ホーム
有料老人ホームは老人を入居させ食事の提供、介護の提供(入浴、排泄、食事)の提供、洗濯・掃除などの家事の付与、健康管理の4つのサービスのうち、いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設を有料老人ホームとして定義されます。(*4)
有料老人ホームは介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム3つのタイプが存在します。
有料老人ホーム株式会社スミリンフィルケア(※2)にお聞きしました
【有料老人ホームの特徴とは?】
・24時間介護スタッフが常駐し、身の回りの支援を受けることができる
・国が定めているサービスや設備の基準をクリアし、認可を受けている
・運営法人の方針により、富裕層向け、一般向けなど施設ごとに特徴がある
・ほとんど介護が必要のない方から、身体介護が必要な方まで幅広い方が利用できる
【業務・働き方の特徴とは?】
・食事、入浴、排泄、更衣の介助など身体介護
・健康チェック、散歩や通院の付添いなどの自立支援
・レクリエーションの企画、実施
5.まとめ
今回は法人の方にお聞きした内容をもとに4つの施設についてご紹介してきました。施設により、特徴や働き方、身につくスキルや経験は異なります。ぜひ自身にあった施設選びができるよう、気になった方は見学などに足を運んでみてはいかがでしょうか。
今回ご協力いただいた法人
※1【社会福祉法人小田原福祉会】Twitter:(https://twitter.com/junseien)
1977年の設立以来、地域の暮らしに寄り添い特別養護老人ホームなどを運営。利用者の憩いの場として、日常的に集まることをテーマに落ち着く施設作りを目指し、古民家を改修したデイサービスなど複数の事業形態にて施設を運営。(https://junseien.jp/)
一人一人が安心して居心地の良い生活を送るお手伝いをすることを理念に、最期まで口から食べていただける、日本で初めての「介護食(写真)」を研究開発し、1991年「日本栄養改善学会」から「学会賞」を受賞。
また訪問介護では、自宅で最後まで生活をしたい利用者のニーズに答えるため、24時間365日サービスの提供を行うなど地域密着の施設運営を行う。
※2【株式会社スミリンフィルケア】
住友林業グループとして、「今日の日本の繁栄を築いていただいた先達に恩返しをしたい」「よりよい介護を提供したい」という思いのもと東京、神奈川を中心に有料老人ホームとデイサービスを計20施設運営。(https://www.fillcare.co.jp/)
“家族のように寄り添う介護”に向けて、従業員の育成はもとよりICT活用により、効率化を図ることで、従業員の負担軽減と利用者へのサービス向上に向けて取り組みを行う。
また、“木を感じる生活”をコンセプトに良質な木材を使用し、住友林業社らしい解放感と温かみのある木質感に溢れた空間を創造した施設運営を行う。
【出典】
*1どんなサービスがあるの? – 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
*2どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス) | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
*3どんなサービスがあるの? – 訪問介護(ホームヘルプ) | 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
【文: HELPMAN JAPAN】