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介護業界人事部

2021.04.13 UP

“管理栄養士×介護”という新たな職種を創出。福祉系学部以外からの新卒採用にも成功した取り組みとは?

未経験から介護・福祉の仕事を始めて活躍する方をインタビューする『ひとりひとりの「はたらく」ストーリー』。実際に介護・福祉の現場で活躍されている方からお話をお聞きすると、「職場の環境」・「社内の人事制度」・「フォロー体制」など、活躍のためのヒントが様々にありそうです。人事の方に詳しくお聞きしました!

専門性を高めるために。管理栄養士×介護という働き方「フードケアスタッフ」

――管理栄養士の方を「フードケアスタッフ」という職種で受け入れているんですね。福祉学部ではなく他学部の方が活躍するためのヒントが得られそうです。受け入れるに至った経緯を教えてください
弊社では、創業当時から『食事』を大事にしていて、ケアの中心に食事を置いています。食事によってケアの質も変わりますし、ご利用者に食事を“安全”に“安心”して食べていただきたいという想いがあり、食事を大事にしたケアがしたいということからスタートしました。またその一方で、これまでケアスタッフは食事やケア、機能訓練まで、生活の支援ということで、何でも全般的にやってきました。それに対して、それぞれの専門性をもう少し高めていきたいという想いもありました。そこで、食事、ケア、機能訓練それぞれの専門性を高めるため、ケアスタッフ以外に、栄養の専門性を持つ『フードケアスタッフ』、機能訓練の専門性を持つ『リハビリケアスタッフ』を作ったのです。それぞれの職種の受け入れを開始してから1年程度ですね。
『フードケアスタッフ』に期待していることとしては、管理栄養士の学びがある方々の力を食事面で活かすことです。面接の場面でもこの期待は伝えています。新型コロナウイルス感染症により制限があったため、まだ想定通りに進められてはいないですが、施設においても食事を通じてご利用者が元気になったり、健康づくりに役立てていただいたり、ご利用者の意欲や生きがいづくりにつながればと思っています。佐藤が言っていたように、ケアと管理栄養士の橋渡しをするような仕事を目指しています。

――実際に『フードケアスタッフ』の方が現場に入り、どのようなことをされていますか。またそこから何か生まれたことはありますか?
ご利用者のQOLを向上するための委員会を管理栄養士が主体となって開催していますが、そこに『フードケアスタッフ』も参加し、イベントを立ち上げる等の一部役割を担ってもらっています。また、日々の食事摂取量、体重増減、嚥下状態、食事姿勢の課題に関する記録のほか、月に1回管理栄養士と共に、食形態や治療食に合わせたメニュー展開に携わる専門的な業務にもチャレンジしています。管理栄養の知識があるので、ご利用者の食事に関する管理栄養士からの問いに対して、的確な回答をしてくれるという喜びの声が出ており、介護と管理栄養士の橋渡しが機能し始めていると感じています。


▲年間を通して、様々な研修プログラムを用意している

――資格取得に関する支援体制について教えてください!
弊社内に『ケアカレッジ横浜』という介護福祉士実務者研修修了の資格が取得できる学校を設置して、取得支援体制を整えています。加えて、『模擬テスト』や苦手分野へのアドバイス等の様々な資格取得講座を用意しています。民間の認知症ケアの資格取得を含め、自分自身のスキルを積み上げていける機会を提供するというのが弊社の特徴の一つにありますね。また、資格受験や講座受講ができるようにシフトを調整するなど、ソフト面での支援も行っています。また、資格が取得できたあかつきには、「頑張ったね!」とお祝い会をしたり、お祝い金をだしたり、法人全体でその人の努力をお祝いします!

――教育体制全般について、教えてください
『ファーストステップ研修』という約1か月間の集合研修を用意しています。昨年は緊急事態宣言と重なったことで、時期をずらしたり、オンラインも取り入れながら実施しました。その研修では、介護のプロフェッショナルとして、法人使命・就業規則・個人情報保護などの採用時研修必須項目と共に、コミュニケーションや介護技術等を学び、法人職員としての基礎を習得していただきます。加えて、6か月後に『フォローアップ研修』、1年後、2年後と定期的に研修を行うなど、3年目になるまでは“新人研修期間”ということで、定期的なフォローアップ研修を用意しています。この定期的な研修では、介護のスキルというよりも、年次や階層により異なる悩みに合わせた内容としており、モチベーションアップを促すような研修としています。それらの研修のほか、専門職研修、職員に応じて興味のある分野の研修、研究結果の発表のための研修なども用意しています。新型コロナウイルス感染症の拡大時期については、外部の医療機関との連携をして感染症対策の研修にも力を入れました。

――入職後、特に役立ったと言われる研修はありますか?
感染症対策が一番良かったという声がありました。感染症が一人出た場合、その他の方への感染を食い止めることや、感染者の方の対応に追われて通常業務を行うことが難しくなってしまうので、とても大切な研修だと言っていただきました。マンツーマンで先輩が現場に合わせて教え、実際に発生した時にすぐ対応できるような準備が、職員間でもできています。

――そのほか、キャリアアップ制度についても教えてください!
スタッフ一人ひとりに合わせたキャリアを用意しています。法人として、マネジメント職に就くことだけをキャリアアップと考えず、専門職を極めることやキャリアチェンジも含めてキャリアアップと捉えています。例えば、介護を極めること、ケアマネージャーになること、地域包括支援センターで地域に密着した仕事をすること等。必ず全ての異動希望が叶うわけではないですが、幅広いキャリアの可能性を用意しています。また、令和5年に新しい特別養護老人ホームのオープンも決まっており、約半分は内部のスタッフが異動します。新しい施設で新しいことを創っていきたいというスタッフの希望も叶えられます。スタッフが未来を描き、キャリアの幅を広げられることを念頭に、弊社の代表は、引き続き積極的な事業の拡大を進めていますね。
制度としては、半年に一度、上長と面談で今後のキャリアや働き方について相談ができる仕組みがあります。今後、フードケアスタッフから管理栄養士、フードケアスタッフから施設長を目指す方も出てくるかもしれませんね!

――若竹大寿会で活躍している方の共通点は?
『職員一丸となって人を幸せにします』という法人理念をしっかり理解して実践しようとしている人ですね。『人を幸せに』したいと考えられる人、人をハッピーにすることが好きな人、佐藤のようにご利用者に何が出来るのか?と前向きに考えられる、気づきや工夫が出来る人というのも共通点かなと思います。

【社会福祉法人若竹大寿会】
神奈川県にある社会福祉法人若竹大寿会は、『職員一丸となって人を幸せにします』というビジョンのもと、1989年に設立。(https://wakatake.net/)。神奈川県横浜市、東京都品川区に高齢者向け、障がい児・者向けに幅広い事業を展開。未経験で活躍されている方のインタビューはコチラ

【文: HELPMAN JAPAN 写真: 社会福祉法人若竹大寿会 提供】

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