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2015.10.16 UP

介護の現場は、おもしろネタの宝庫だった ユニークな雑誌が全国に人気を拡大中!

ファッション、グルメ、音楽などさまざまなジャンルの雑誌が数多くあるなか、介護や高齢者の日常を独自の視点で発信する雑誌が注目を集めています。

福岡県福岡市にある「宅老所よりあい」が発行する『ヨレヨレ』は、介護施設で繰り広げられる日々を追いかけた雑誌です。こむずかしい介護知識は一切出てこず、「よりあい」で起こる利用者・スタッフのドタバタ劇、崖っぷちの運営状況の全貌……などが包み隠さず描かれています。表紙には、詩人・谷川俊太郎さんとの爆笑対談「谷川さん、認知症です!」やエッセイ「うんこの水平線」など、一見冗談!?と思ってしまうような見出しがずらり。

人気の理由はズバ抜けたリアリティ。ほんとは自分の家で暮らしたかったお年寄りが、「よりあい」への入居を拒み、スタッフと7年間バトルを繰り広げながらもうちとけていった姿や、一瓶400円の手作りジャムを売って、「よりあい」の新施設・特別養護老人ホームの建設費(1億8000万円)をこつこつと集めるスタッフの姿など、ページをめくるほどになんとも泣ける! 笑える!

〈認知症になっても、自宅で暮らせなくなっても、みんなでもがきながら生きていこう〉
そんなメッセージがじわじわと伝わってきます。

『鶴と亀』も、全国に人気を拡大中のフリーペーパーです。長野県飯山市出身の小林直博さんが兄と2人で2013年に創刊。もともとおばあちゃん子だったという2人が、身近にいるパワフルなお年寄りの姿に影響を受け、撮影を開始。農作業や雪かきに精を出すおじいさん、大好きなおしゃれを楽しむおばあちゃんなど、これまでに約100人のお年寄りが登場しています。ポートレート写真がメインでありながら、おじいちゃん、おばあちゃんの表情には生きざまがにじみ出ていて、ストーリー豊かな構成です。

これまでなかなか雑誌の世界に登場することがなかった介護の現場や高齢者の日常。生きるうえで大切なこととは? 介護に本当に必要なものとは? それらのヒントをユーモアたっぷりに届けてくれるこれらのメディアにますます注目です!

●興味のある方はこちらから
『ヨレヨレ』
http://yoriainomori.com/
『鶴と亀』
http://www.fp-tsurutokame.com/

【文: 齋藤春菜(DECO)】

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