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HMJ活動紹介

2014.02.17 UP

「小規模多機能フォーラム」参加報告。"湘南の地域ケアは若手がつくっていく!"

HELPMAN!JAPANにも登場していただいた、あおいけあの加藤さんやナースケアの菅原さんたちが中心となって企画した「小規模多機能フォーラム」に行ってきました。定員250名のところ、300人もの参加者が集まったという会場内は熱気にあふれ、期待と感心の高さが伝わってきました。『闘魂伝承』をテーマに掲げたこのフォーラム。地域ケアの先駆者である新潟県長岡福祉会の小山剛さん、医療ジャーナリストの浅川澄一さんを招き、先駆者と若手による熱いトークが繰り広げられました。

先駆者が語る。
地域ケア、小規模多機能の可能性

前半のプログラムは、医療ジャーナリスト浅川澄一さんと長岡福祉会小山剛さんによる2つの講演でした。

浅川さんのテーマは、『小規模多機能型居宅介護の元祖は宅老所』。
宅老所を参考に小規模多機能が制度化された際に、宅老所が持っていた通い+泊り+訪問+住まいの機能のうち、住まいが失われたことを指摘。小規模多機能とサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を組み合わせ、住まいの機能を復活させることで、フレキシブルなケアが受けられる「NEW宅老所」が可能になると提案しました。

各地で地域包括ケアのモデルづくりに取り組む小山さんのテーマは、『地域で人を支えるということ』。
現在の制度上の課題や矛盾、地方と都市部の違いなどを示しながら、施設を一時的な避難所と位置づけ、自宅に戻る生活をいかにつくるのか、あるべきケアについて持論を展開。地域に小規模のサテライト(サポートセンター)を作ることで、特別養護老人ホームのすべての入居者を、もと住んでいた地域に戻すことに成功したこぶし園の事例で締めくくりました。

若手実践者の活動報告!

休憩をはさんで、若手実践者5組による活動報告です。
持ち時間をついついオーバーしても、「語り足りない!」といった発表者のみなさんの姿が印象的でした。それぞれの持ち味や、カラーが光る発表でした。

【あおいけあ加藤さん】
「お年寄りは社会資産」という考えのもとに運営する小規模多機能事業所「おたがいさん」の日常や、お年寄りとの関わりのなかで社会性を身につけていく地域の子どもたちを紹介。そこには“介護される人”ではなく、地域のなかで存在感を放ち続ける高齢者たちの姿がありました。

*加藤さんの記事はコチラ
http://helpmanjapan.com/article/2149

【ライフヘルプサービス野間さん】
認知症を患った方のケースをもとに、どのようにプランサービスを組み立てていったのか。ケースをもとにケアのスタンスを伝えました。この方はなんと、今では、認知症になる前まで開いていた料理教室を再開できるまでになったのだそう。認知症になっても、周囲のサポート次第でその人らしい暮らしができることを実感しました。

【ヒューマンケア根倉さん】
ある認知症の方の生活を元の姿に戻そうと、地域会議を開いて地域コミュニティをつくる働きかけを行った事例を報告。町中に小さなコミュニティをつくろう、おせっかいな町をつくろうと呼びかけました。地域の人たちがつながることで生まれる大きな力を感じました。

【ナースケア菅原さん】
HELPMAN!JAPANにも登場いただいた、元ホテルシェフの男性、プールでリハビリを続ける女性、おふたりの事例を紹介。理学療法士の立場からエブリデイリハを掲げ、リハビリ専門職がケアのカギになるとして、藤沢市を福祉先進自治体にしようと訴えました。病気等であきらめていたことが再びできるようになる。おふたりの笑顔が印象的でした。

*菅原さんの記事はコチラ
http://helpmanjapan.com/article/1537

闘魂伝承! 先駆者から若手へ

最後は、浅川さん、小山さん、キャンナス代表菅原由美さん、あおいけあ加藤さん、藤沢市六会地区地域包括支援センター伏見康一さんによるシンポジウム。本日のテーマである、先駆者から若手へのメッセージで締めくくりました。4時間という長丁場でしたが、その時間を感じさせないほどみなさんの熱い想いと、興味深いお話がつまったフォーラムでした。組織を超えてつながった若手スタッフたちが、運営もすべて自分たちの手で行ったそうです。若手のパワーをヒシヒシと感じる、藤沢を中心とした湘南エリアの介護。今後も注目していきたいです。

【文: 鹿庭由紀子】

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