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「婚活」って、若い男女のもの? いいえ、そんなことはありません。婚活に励む高齢者は数多く、その傾向は近年ますます顕著。とある結婚相談所では、約20年前は全体の1割にすぎなかった60代以上の会員が、2014年時点で約6割を占めるまでに。そして、65歳以上での結婚は男女共に1990年から2012年の12年間で倍増しているのだとか(※)。

若者の婚活は、いまやインターネットの利用が当たり前ですが、海外には、はっきりとシニアがターゲットだと銘打ったマッチングサイトがあるのです。それは、「Stitch(スティッチ)」。オーストラリア・シドニーのベンチャー企業、タペストリー社がスタートしたサービスです。

同社は、もともと高齢者とその家族の交流の場を提供するSNS「タペストリー」を運営していましたが、高齢者が同世代との出会いを求めていることに気付き、「スティッチ」を開発したといいます。電話番号を交換せずにネット上で通話ができるシステムなど、高齢者の使いやすさやセキュリティ面での工夫もみられます。また、一口に「出会い」といっても恋愛や結婚の「パートナー」だけでなく、散歩や映画、食事などを一緒に楽しむ「友人」を探せるのが特徴で、高齢者を孤独から守るセーフティネットの構築にも一役買っているのだとか。

現在、同サービスはアメリカを中心に英語圏のみで提供されていますが、今後は非英語圏への進出も検討中との情報も。実際のところ、恋するお年寄りは笑顔が増えて食欲も湧き、リハビリにも熱心に取り組むためADL(日常生活動作)が向上するなど、心身共に充実した日々が送れるそうです。シニアの恋も友情も、どちらも間に立ってつなげてくれるマッチングサイトが日本に上陸すれば、一人暮らしの高齢者を支える、身近なSNSになるかもしれませんね!

※ 『国民生活』(国民生活センター) 2014年7月号「高齢者の結婚」より
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文: 高木沙織(verb)
イラスト: 株式会社コットンズ
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