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2014年12月22日UPのエンタメコーナーで取り上げた映画「パーソナル・ソング」(http://helpmanjapan.com/article/4141)の公開で、いま、注目が集まっている「音楽療法」。音楽を使うレクリエーションはさまざまな介護施設で行われていますが、音楽療法とはそもそもどんなものなのでしょう?

音楽療法とは、抗精神病薬などを使わずに心身の病を改善する“非薬物療法”のひとつで、日本音楽療法学会のガイドラインでは、「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障がいの軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義されています。

歌や楽器の演奏を行う能動的なセラピーと、音楽を聴くという受動的なセラピーの2種類に分かれていて、自律神経系、免疫系、ホルモン系に影響を与え、不安の軽減や痛みの緩和効果があることが明らかになっているんです。好きな音楽を聴かせる音楽療法を認知症の人に行うと、脳の広い領域が活性化し、音楽が感情に訴えることでその曲にまつわるさまざまな記憶が呼び起こされるのだそう。

また、認知症の人に特有の不安や不穏な心理状態や、周囲の人に対する敵意が軽減するほか、音楽療法を受けた人と受けなかった人を比較すると、受けた人の方が寿命が長いという報告まであるのだとか! 現在、国内では音楽療法を専門に行う音楽療法士の公的資格はありませんが、前出の日本音楽療法学会をはじめとする民間の資格を持つ音楽療法士が約6,000人いるといわれています。

東京・新宿にある株式会社リリムジカでは、音楽療法を基に、介護施設の利用者とスタッフが共に参加して楽しめる独自の音楽プログラムを提供。「ミュージックファシリテーター」と呼ばれる専門家の養成も進めているといいます。

音楽療法は医学的なエビデンスが構築されつつある状況ですが、研究がさらに進めば、新しい認知症ケアの一翼を担うことになるかも?
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文: 成田敏史(verb)
イラスト: 株式会社コットンズ
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