特集記事
2020.09.04 UP
【新型コロナウイルス感染症に負けるな!応援Prj】Vol.14 社会福祉法人しんまち元気村~学童保育新設や在宅ワークを推進!子育て家庭を積極支援!
~社会福祉法人 しんまち元気村 理事長様 へお話をお伺いしました~
【Message】#つむぐ!笑顔メッセージ!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この状況で我々ができるベストは何か?を考えることは、誰も経験したことのないコロナ禍にあってはとても大切なことです。しかし常日頃から、お客様に提供するサービスの本質や働き手が考える仕事の価値、企業が地域に提供すべき価値の本質を突き詰めれば自然と「できること」や「すべきこと」が明確になると私たちは考えます。自分の施設の課題や社会課題が新型コロナウイルス感染症によって明確になった今だからこそ、じっくりと考えて取り組む良い機会だと思います。そこには慣習や前例といったものは全く必要ありません。自由な発想と新しい取り組みで、社会福祉法人しんまち元気村は社会に貢献していきます。
Message by 社会福祉法人 しんまち元気村
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【Interview】福祉・介護の現場から!!
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、各所で様々な影響が出ている。全国の小学校・中学校・高校では、一時的に長期休校となり、児童館も休館となったことにより、働くお父さんやお母さんは、家庭で子どもを見守りながら仕事も両立しなければならない状況が続いた。
社会福祉法人しんまち元気村では、学校の休校により、家庭で子どもが過ごす時間が増えたことで、子育てと仕事の両立に負担を感じているという職員からの声を耳にしていた。また、管理者からは「勤務が組めない」という話があり、詳しく話を聞いたところ、小学校低学年の子供がいる職員の家庭では、一人で留守番をさせることができないという理由で、出勤ができないことがわかった。そこで、これまで職員の幼児向けの託児所として使用していたスペースを区切り、休校中の小学生を受け入れられる学童保育の運営を開始した。もともと、託児所には保育士などの有資格者がいるほか、放課後と土日に小学生の子どもを預かっていた。また、空いているデイサービスのバスを利用し、職員の子どもたちを学校へ迎えに行き施設へ送り届けていたことから、インフラや小学校との関係性もできており、スムーズに進められた。学校が始まるまでの期間、多くの職員の子どもが利用し、1日あたり約40人が集まる場となった。そこでは、子どもに自分で時間割を作成させ、そのメニューに応じて一日を過ごすなど、子どもの自主性や個性を活かす方式をとった。学校から出された宿題を自己学習することが中心ではあったが、例えば“45分間は国語の時間、5分間は休み時間…”とすることにより、子どもにとっては、整ったリズムに合った生活をおくることができ、集中力も保つことができた。さらに、体育の時間も設け、施設の周りをジョギングするなど、まるで学校のような共同生活を作り出していた。また、子どものご飯を毎日毎食作らなければならないのも、親御さんにとって負担であるということから、給食の提供も行われた。高齢者施設の調理部門の管理栄養士が考えた栄養バランスの整った食事が提供されたという。仕事をしている職員にとっては、仕事に集中ができるほか、子育ての精神的な負担感も減らすことができたと好評を得ていた。今後は、長期休みの受け入れも検討している。
▲普段託児所として使っているスペース。学童保育として利用した。
コロナ禍に置いて実施した取り組みは、他にもある。感染症拡大を防ぐために、本部職員については積極的な時短勤務や在宅ワークを取り入れ、小さい子を持つ職員は今も在宅勤務を継続しているという。外部との接触を極力減らしつつも、在宅勤務者がわざわざ出勤しないようにするため、受付を無人化する決断をした。もともと2019年12月頃に導入していたクラウド受付システムを最大限活用し、新型コロナウイルス感染症が拡大する時期に決断。急な来訪者があった際にも、クラウド受付システムを通じてチャットで来訪通知が来るようにしているため、担当者不在の際でも別の人で対応が可能。何度もやり取りをせずに効率的に対応できる仕組みだ。
ご利用者とご家族をつなぐ取り組みとしては、WEBを通じたオンラインでのご家族面会を実施しているほか、ケア記録ができるICTシステムを使うことで、日常の様子をスマートフォン一台で見ていただけるような仕組みを取り入れている。しかし、地域柄、高齢の家族も多く、オンラインでの面会やスマートフォンの操作に慣れないという声があった。そのような家族にとっては、ログインをしなくても簡単に検索でき、URLをクリックするだけで施設や利用者の様子を見ることが出来るブログが比較的好評だという。定期的に施設の状況を発信し続けたことで、これまで月5000程度であったPV数が、月3万にまで伸びている。定期的な更新を一人が実施するとなると負担が偏ることから、各事業所にブログ担当をおくほか、全員がスマートフォンを持ち、常にブログで取り上げるネタを考えているという。また、ご利用者の写真をWEBサイトに掲載するために許諾を取る必要があるが、毎月ご家族あての手紙で許諾を取り、スムーズな掲載を進めている。ブログについては表彰制度も設けており、PV獲得数の多い投稿者を年間のアワードで表彰し、モチベーションを高めている。記事投稿数の目標設定を行い、安定的に記事を作っていくことがPV数アップにつなげるコツ。これまでコツコツ実施してきたことが、コロナ禍において役に立った思いもよらない一例だ。
▲スタッフが定期的に更新しているブログ
しんまち元気村では、「子育てしながら働く職員」のため、「ご利用者のご家族」のため、など、対象者は異なれど「人」に向けて様々な新しい独自の施策を柔軟に実行してきた。「人」のために常に日々向き合い、その人が幸せに、その人らしい生活を送ることをお手伝いする福祉・介護業界だからこそ実直にできる取り組みかもしれない。
■社会福祉法人 しんまち元気村
群馬県高崎市を中心に事業を展開。2002年の特別養護老人ホーム花みづき寮の創業以来、地域と時代のニーズに正面から向き合い続けている。社会福祉法人だけでは掬い取ることが出来なかった地域の僅かな福祉ニーズに答えるため、グループ企業である(株)日本ケアストラテジーを設立。現在では高齢者福祉のほか、障がい者・障がい児福祉、託児所、相談支援事業、また各事業に関連する教育・研修事業を手がけ、グループ全体の総合力で「地域の福祉の安心」を提供し続けている。(http://www.genkimura.or.jp/)
【文: HELPMAN JAPAN 写真: 社会福祉法人 しんまち元気村 提供】