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2015.01.22 UP
私たちが毎日の生活の中で必ず使う水道のメーターに通信装置を取り付けて、高齢者を見守る新たな取り組みが岐阜県で始まりました。
岐阜県郡上市、NPO法人「つくしん棒」、岐阜大学、IT企業などが共同で開発したのが、水道水の利用状況から高齢者世帯の安否確認を行うシステム「KIZUKI」。これは、一人暮らしの高齢者宅の水道メーターに専用の通信装置を取り付けることで、インターネット上でその家の水道の利用状況が閲覧できるというもの。
具体的には、見守られている高齢者が朝起きて蛇口をひねり、水を使ったら、その報告が家族や近所に住む地域住民にメールで送られるほか、1時間以上連続で水道の使用が続いた場合や、半日以上水道を使用しなかった場合も、「異変がある」とみなされて自動で報告されるんです。
携帯電話の通信網を使用しているため、高齢者宅で新たにインターネットに加入するといった手間がかからないほか、生活リズムの確認が常にできるため、トイレに行く回数や入浴回数の変化から、見守られている高齢者の異変に早く気付くことができると期待されています。
水道・ガス・電気といったライフラインの事業者が、戸別訪問の際に高齢者の見守りを行う取り組みはこれまでも進められてきましたが、ライフラインそのものの利用状況から見守るというアイデアは、まさに“灯台下暗し”といった感! 全国的な普及に期待したいところです。
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】