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2014.12.04 UP
災害大国である日本。そう遠くない将来に発生するといわれている南海トラフ巨大地震では、最大で約32万人の死者が出ると考えられています(※)。
被害をできる限り少なくするため、新しい避難場所の整備や建物の耐震化などが議論されていますが、何よりも重要なのが“迅速な避難”。ただし、高齢者の中には自力で歩くことが困難だったり、車いすを利用している人も少なくありません。
そんな高齢者に配慮した災害対策商品が、いま広がりを見せているんです。例えば、株式会社サンワが販売する「ステアチェア」シリーズは、エレベーターのない建物内から避難するときに実力を発揮する商品。
高齢者を乗せて階段を上り下りできる電動階段昇降車と呼ばれるもので、階段をしっかりグリップするゴム製のクローラー(キャタピラ)とモーターの力により、力の弱い介助者でも1人でサポートできるのだそう!
東日本大震災以降、津波対策シェルターの必要性も各地で検討されていますが、車いす利用者の命を守ることを第一に考えたシェルターの開発も進められています。
ツネイシクラフト&ファシリティーズ株式会社と株式会社ティエフシーが共同開発するアルミ浮揚型津波シェルター「TTS80」は、バリアフリー対応のスロープを入り口に設け、ハシゴを使う必要があったり、高い段差がある一般的なシェルターでは難しかった、車いすでのスムーズな避難を可能にしているんです。
こうした災害対策商品のバリエーションが広がり、認知がもっと進めば、大きな災害が起きたとしても被害を減らすことができるかもしれませんね!
※ 2012年8月29日内閣府発表資料より
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】