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2014.10.23 UP
東京都大田区が生み出した高齢者向けの“キーホルダー”が、地域住民の評判を呼び、全国の自治体からも注目を集めています。
その名も「見守りキーホルダー」。大田区の地域包括支援センター、通称「さわやかサポート」が2009年から始めた取り組みで、地域で暮らす65歳以上の高齢者で希望する人が、緊急連絡先やかかりつけの医療機関、病歴といった医療情報を区に登録すると、個別の登録番号が入ったキーホルダーとマグネットが配布されるというもの。
高齢者が登録番号入りのキーホルダーを身に着けることで、外出時などに万が一の事態が起きたとしても、医療機関や警察からの照会が迅速に対応できるとされています。
また、キーホルダーは“配布したら終わり”ではなく、登録情報を年に1回、誕生月に必ず更新することを基本としているため、介護の必要がない高齢者との間にも、必然的に地域とのつながりを生み出すことができると期待されているんです。
はじめは一部地域での取り組みだったものの、いまでは大田区全域で登録ができるようになり、キーホルダーの利用者は年々増加。全国の自治体からの問い合わせも相次いでいるのだそう。
キーホルダーといえば、アメリカ兵が自分の身元証明として首からぶらさげている認識票「ドッグタグ」が高齢者の身元証明に活用できると、静かな人気を集めているという話もあります。
GPS機能を搭載したハイテク機器で見守るシステムなどがある一方、こうしたシンプルなカタチで高齢者の安心や安全をサポートする取り組みも広がっていきそうですね。
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】