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2014.08.08 UP
高齢者の残存機能をサポートしてくれる“パートナーロボット”や、“見守り介護ロボット”(※1)など、介護にまつわるロボットにはさまざまなタイプがありますが、いま、一人暮らしの高齢者を中心に、精神的な支えとなってくれる“メンタルヘルスケアロボット”が人気を集めているようです。
ピップ株式会社が2011年から販売している「うなずきかぼちゃん」は、小さな子どもの姿をしたロボットで、「ねえねえ、おばあちゃん」などと呼びかけてくれたり、話しかけると「うん、うん」とうなずきながらおしゃべりをしてくれるんです。
ロボットと一緒に生活することで、日常生活の中であまり会話がなかった一人暮らしの高齢者でもコミュニケーションする機会が増え、認知機能の向上やストレスの減少などに効果があるのだそう。いまでは、さまざまなメーカーから“しゃべるロボット”が登場しており、株式会社パートナーズの「おしゃべりまーくん」は、2013年の発売から約半年で4,000個も売れているといいます。
また、ギネスブックに「世界でもっともセラピー効果があるロボット」と認定されたのが、タテゴトアザラシの赤ちゃんの姿をした「パロ」(販売:大和ハウス工業株式会社)。
撫でたり呼びかけたりすると、「キュー」と鳴いたり、足やまぶたを動かすなど、感情豊かに反応するロボットで、アニマル・セラピー(※2)と同様のセラピー効果があるとして、アメリカでは多くの介護施設や医療施設で採用されているのだとか。
高齢者の日常生活をさらに豊かにしてくれるメンタルヘルスケアロボットたちに今後も期待です!
※1 センサー技術などを用いて人の状態を検知し、通信機能で家族や介護従事者に情報を共有することができる。転倒や離床の検知など見守る分野はいろいろ
※2 動物との触れ合いを通して、人の心を癒やしたり、生活の質の向上をめざすセラピー手法
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】