人事ヘルプマン

毎年数百人の学生が参加する『プレミアム』なインターンシップとは

オリックス・リビング株式会社は、毎年学生向けにインターンシップを開催している。その内容は、通常、大きく分けて3種類。自己分析型、業界研究型、現場体験型。3パターンのインターンシップを用意することで、学生のあらゆるニーズに答えることが可能になるのだ。今回はその3種類のどれでもない、特別なインターンシップを開催するということで、オリックス・リビング社の『プレミアムインターンシップ』にHELPMAN JAPANがお邪魔した。
▲介護体験コーナーでは、学生が2人1組になって、ゲスト(ご入居者)とケアスタッフになりきって、実際の介護の仕事を疑似体験する。
インターンシップの午前中は、介護体験コーナーだ。実際に学生が2人1組になって介護の仕事を疑似体験する。講師は同社の採用チーム長の森林さんが務める。

「頭に豆電球があると想定して、頭の動きがS字になるようにゲスト(※学生)を起き上がらせてみよう!」

介護体験では体に麻痺がある方の起き上がりや寝返りの介助方法を学ぶ。
学生からは次々に「すごい!自分でも介護できるんだ!」という声が上がる。
また、同時に実際にゲストになりきることで、相手の立場になって考え、行動することの大切さも学ぶのだ。

介護体験が終わった学生に話を聞くと、「いままで介護の仕事は技術を学んできた人しかなれないと思っていたけど、法学部の自分でもコツが分かればチャレンジできることが分かった。」、「大学の福祉学科に所属しているが、介護技術を実践するコースはない。初めて体験した。相手の立場になって考えることの大切さに今日初めて気付けた。」「人が人をサポートする。これから介護の道に進むか分からないが、生きていく上で役に立つ技術が学べた。」と好意的な意見が並んだ。
◀昼食は、実際に施設で提供される食事を食べられる。お昼の時間も『相手の立場になって考える』ことの大切さを学ぶ貴重な学びの場となるのだ。
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前代未聞のゲストが職場見学を実施

昼食が終わった午後。ここからがこのインターンシップの真骨頂だ。施設見学の時間。
なんと驚くべきことに、ゲストが施設を案内するのだ。

「私は今ここにいて、幸せよ。生涯ここでお世話になろうと思っているの。」

そう学生に説明しながら、施設を順番に案内するゲスト。
食堂やテラス、フリースペースを案内した後に、最後は自分の部屋へ案内をする。
本来はプライベートな空間であるはずの自分の部屋を学生へ開示するのだ。

「今日この見学会がなかったら、私は1日この部屋に引きこもっていたかもしれない。学生のみなさん、今日ここに来てくれて、ありがとう。」

ゲストからの思ってもいなかった言葉に学生自身も驚く。

「こちらこそ今日は貴重な経験をさせていただき、ありがとうございます。」

お互いに自然とお礼を言い合っている光景がそこにはあった。
▲学生へ入居している施設が獲得した賞の説明をするゲスト。誇らしげに賞のことを説明するゲストから法人愛を感じることができた。
ゲストは、「あなた達に私の今後をお世話されたい。入社したら、よろしくね。」とつづける。
まだ採用も始まっていないインターンシップの段階だ。にも関わらず、「はい!よろしくお願いします!」と答える学生。
そこには、就活生と採用する企業側という立場を超えた一つの『関係性』があることを確かに感じることができた。

まだまだサプライズは続く。
飛び入りで学生に話をしたいという別のゲストとの座談会や実際のアクティビティ(レクリエーション)への参加など、現場の『生の声』を学生は体感する。

「今日はなんでも答えるわよ。」とゲストが話す。
下手をすると、学生にネガティブな情報が伝わりかねない場面。
採用チーム長の森林さんは静かにその光景を見守るのみだ。

学生から鋭い質問が飛ぶ。
「他にもいっぱい施設があるのに、なぜこの施設を選ばれたんですか?」
ゲストも正直だ。
「ここは、サービスが他の施設より行き届いているように感じるし、何より支えてくれるスタッフの皆さんが本当に優しいのよ。居心地いいわ。」
学生も包み隠さず現場を見せてくれる法人の姿勢に好感を持つ。

「今日はリアルな現場を見せてもらえて、本当にありがたい。すべて見せてもらえたことで、この法人は正直だと思えることができた。」と学生は話す。
▲ドッグセラピーのアクティビティ(レクリエーション)に参加する学生とゲスト。

インターンシップを通して、学生にも変化が・・・
介護の仕事は“究極のサービス業”!

施設見学の後は、見学した施設の立﨑ジェネラルマネージャー(施設長)との座談会だ。
自分はなぜこの業界に入ったのか、なぜこの会社に入ったのか、丁寧に学生に説明をする。

「今日1日を通じて、どうだった?」

学生に問いかけると、学生からは「相手の立場になって考えることの大切さを今日は学べた。実際の現場見学を通じて、この施設は、ゲストの立場になって、いろんな施策をしていることが分かった。」という答えが返ってきた。

「うん、実はそれこそがうちの会社の法人理念なんだ。」

立﨑さんが話す言葉はどれも説得力に満ちている。
なぜなら、それらはまさに1日を通じて、実際に学生が体験したことだからだ。

最終的には、人生相談の様相になる。来年に就活を控えた学生の悩みはさまざまだ。
さまざまな職業の間で悩んでいることや、年収や転勤、キャリアパスに関する懸念点。
立﨑さんは、すべての質問に真摯に答える。

「御社にとって、福祉ってなんですか?」
時には学生から、難しい質問も。

「オリックス・リビング社のサービスは、福祉というよりも、人の人生を豊かにするオプションサービス。たしかに技術も大事だけど、それ以上に気持ちが大事。うちは究極のサービス業なんだ。」

「たとえ、介護業界に進まなかったとしても今日学んだことを忘れないでね。」

参加した経済学部の学生も「福祉は専門学部の人がいくものだと思っていた。僕たちのような学部、学科の学生にも門戸を開いてくれるのは本当にありがたい。また、現場を見ることで、自分も含めて介護業界へのイメージが世の中で固定化されていることが分かった。自分が変えていきたい。」と力強く答える。
▲学生からの質問に答える立﨑ジェネラルマネージャー。 「全部正直に答えるから森林さんに怒られないか心配(笑。」
▲インターンシップの最後には、立﨑さんから修了証を渡す。「これで、皆さんはもうオリックス・リビング社のプレミアムメンバーだよ。これからもよろしくね。」

今回のインターンシップを企画した採用チーム長の森林さんの思い

▲本当の意味で学生のためになる採用活動を企画したかったという森林さん。
採用チーム長の森林さんにインターンシップ終了後に話を伺った。
まずはゲストが施設を案内する異例の採用手法について。

「実は、ゲストも社会参画できるいい機会だと採用活動をポジティブにとらえてくれる方がほとんど。うちはインターンシップだけでなく、採用選考もすべて施設で行います。普段、自分の部屋に閉じこもってなかなか外で活躍される機会がない方も採用選考を通じて、活躍できる。最近は、『次の選考はいつですか?楽しみなんです』と嬉しい質問をしてくれるゲストもいらっしゃいます。」

ゲストを大切にすることはもちろん重要だが、ゲストを会社の採用活動に巻き込むことで、さらなる社会での活躍機会を提供する。
まさに社会課題解決の一つの形だ。

また、学生と企業にとっても、この取り組みは非常に良い取り組みだとのこと。

「もともと採用選考は何回面接しても、合計で5~6時間で決まることが多い。自分の人生がたった5~6時間で決まってしまうのです。我々は、インターンシップを通じて、本当の意味で学生と企業が両想いになれる機会を提供したい。」と森林さんは語ります。

取材をした帰り際、たまたまインターンシップに参加した学生と同じ電車に乗った。
「今日どうだった?」と聞くと、「僕の心はもう決まっています。」と答える学生。

次世代のヘルプマン誕生の瞬間を見た気がした。
[
文: 繁内 優志
写真: 繁内 優志
]
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