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介護の現場から

2020.02.27 UP

介護の現場から vol.45

荒木 慶太さん

株式会社太平洋シルバーサービス シルバーシティ武蔵境 ヘルパー主任

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内田 裕子さん

株式会社太平洋シルバーサービス シルバーシティ武蔵境  入居者

月下美人とふたり

夜にしか咲かない月下美人。毎年家族が持ってきてくれるが、5年ほど咲かずに毎回萎れてしまっていた。ある日の晩にご自身の部屋でやっと咲いた時、内田さんが荒木さんに声をかけて一緒に喜んだ。

多才で気品に溢れ、才色兼備という言葉がぴったりな内田さん。30年以上琴を演奏し、教授のお免状も持つ。最近は日常的な読書や公園への散歩に加え、エアロビクスやヨガにも積極的に参加。少し前は、テレビでのラグビー観戦にもはまったという。興味の幅が広いと話す内田さんは「私、ミーハーなの(笑)」と笑う。12年前のとある日。熱中症で倒れたことがきっかけで、一人暮らしに不安を覚え、今のホームに移り住んだ。「ここの生活がとても居心地がいいの。これしちゃダメということがなく、自分でできることは自由にさせてくれるから。ここの明るい雰囲気も自分に合っていて、『当たりを引いた!』って思ってるの(笑)」

 

一番充実してやりがいを感じられる仕事

子供が好きで、少年野球のコーチを7年やっていた荒木さん。当時は、子供たちとだけでなく、そのご家族ともつながりができ、輪が広がっていくことも嬉しかったという。「人と接するアルバイトもやったし、不動産業界で営業をやっていたときも楽しかったんです。でも今の介護の仕事は人と関わることが多く、一番充実して、やりがいがありますね」と語る。介護の仕事を始めて二つの出来事が強く印象に残っている。入職して間もなく、ご入居者様が突然意識をなくすことがあった。その時「自分はまだ経験が浅く、何もできなくて。ちゃんとやらないと」と改めて決意。その後、他施設に移り、ひとりの上司に出会って価値観が大きく変わった。考え方や働く姿勢を学んだことで、成長意欲や向上心が増したという。その頃から、ご入居者様との時間を大切に出来て、自分の経験と能力を評価してもらえる職場を求めるようになり、人員配置が手厚い、今の法人に転職を決意。この法人に移ってからは1年。今後は「ご入居者に寄り添う時間をもっと増やす為、この法人が35年間培ってきたノウハウを活かし、今以上に働きやすい環境にしていきたい」と考えている。

 

人生の大先輩の先見の明

12年間このホームで生活し、様々なスタッフを見てきたからこそ、スタッフに助言をくださることもある内田さん。荒木さんの仕事に対する想いや考えを聞いて、「ちょっと見てたらわかるわ。荒木さんのこと、目をつけていたのよ(笑)」と笑顔で話す。続けて「始めパッと見てはわからなかったんだけど、よく眺めていると、将来この人は(偉くなる)ね」と。

月下美人の花言葉、「強い意志」を感じる荒木さんと、それを見守る内田さん。「頼りになる方が出来てよかったわ」

【写真: 平山 諭】

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