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介護の現場から

2017.04.10 UP

介護の現場から vol.40

坂田 千穂さん

株式会社かいごデザイン デイサービス/ネスト実籾 介護スタッフ

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橋本 八重子さん

株式会社かいごデザイン デイサービス/ネスト実籾 利用者

株式会社かいごデザイン/施設に漂うコーヒーのいい香り

コーヒータイムにしましょう

施設に漂うコーヒーのいい香り。デイサービスに通う八重子さんは、午後になるとコーヒーを淹れて、他の利用者や介護スタッフにふるまう。「家ではインスタントコーヒーで済ませることも多いけど、ここではみんなが喜んでくれるからね」と人数分のカップにコーヒーを注ぐ。八重子さんの隣で手伝う坂田さんは、「私が淹れるよりも断然おいしい。お湯の落とし方が丁寧でやさしい味なんです」と目を細める。

ふたりの出会いは、坂田さんがネスト実籾で働き始めた3年前。ここでは「ご利用者ができることはご自身でやっていただく」という方針。当時は消極的な印象だった八重子さんだが、坂田さんが声を掛けたことでコーヒーを淹れるようになり、次第に笑顔や会話が増えたという。

「よく子育てや夫婦のことを相談して、アドバイスをもらったり、励ましていただいたり。お互い甘いものが好きなので、近所のお菓子屋さんの話で盛り上がることもあります」と坂田さん。「話し上手で楽しいから、私はもっぱら聞き役。でも困ったときは、気軽に声を掛けられるし、頼りにしているの」と八重子さん。

必要とされること

以前は、ブライダルや雑貨関連の仕事をしていた坂田さん。介護の仕事を始めたのは母親に薦められたことがきっかけだった。「小学1年生のころから、母が祖父母や父のお世話をする姿を見てきたので、経験はなくても介護は常に身近なものでした」と振り返る。

介護職に就いて約7年。現在でも日々実感しているという介護の仕事の醍醐味は、“必要とされること”や“学べること”だ。

「“あなたがいてよかった”と言ってもらえると心からうれしくなります。八重子さんのような人生の先輩から、知らない言葉や立ち居振る舞いなど多くのことを教えていただけることもやりがいにつながっていますね」

【文: 池内由里 写真: 阪巻正志】

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