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2015.01.08 UP
いま、フィットネスクラブに通う高齢者が増えているようです。経済産業省の「産業活動分析」(平成24年年間回顧)の「フィットネスクラブ会員数の年齢別構成比の推移」を見ると、20代以下や30代の会員比率は年々低下している一方で、60歳以上の割合は増加しており、2012年は60歳以上の会員比率が約30%と、全年齢の中で最も高くなっているんです。
シニアの間でスポーツ志向や健康志向が高まっていることが背景にあると同分析では述べられていますが、それに応えるかのように、フィットネスクラブでもシニア向けの取り組みが充実してきています。
例えば、業界大手のコナミスポーツクラブは、60歳以上を対象にしたスポーツ初心者向けのプログラム「OyZ(オイズ)」を提供。「ロコモ(※1)予防」「メタボ予防」「姿勢改善」を目的とするトレーニングを実施することで、生活の中に運動習慣を取り入れて、介護予防につなげています。
また、同クラブを運営する株式会社コナミスポーツ&ライフでは自治体と連携して、理学療法士や健康運動指導士、管理栄養士などが筋力アップの方法から口腔ケアや栄養指導まで、生活全般のレッスンを地域のシニアを対象に行う介護予防プログラムも展開しているんです。
こうした取り組みは他のフィットネスクラブでも始まっており、短期間で体質改善ができると話題のRIZAP(ライザップ)も、50代から70代のシニア層を対象に、健康的な食事のアドバイスや筋力維持のサポートを行う新事業を計画しているのだそう。
いま、日本人の健康寿命(※2)は男性が71.19歳、女性が74.21歳。定期的に運動する習慣がさらに広まって、高齢者が自立して生活できる時間が少しでも長くなることに期待です!
※1 運動器の障がいで移動機能が低下した状態のこと。「ロコモティブシンドローム」の略称で、ロコモが進行すると介護が必要になるリスクが高くなる
※2 健康上の問題がなく、日常生活を普通に送れる状態のこと
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】