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2014.09.04 UP
皆さんは「フレイル」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、“虚弱”“老衰”などを意味する英語「Frailty」(フレイルティ)をもとにした言葉で、高齢になって筋力や心身の活力が低下した状態を指しています。
フレイルを使用することを提唱している日本老年医学会が2014年5月に発表したステートメント(声明文)によると、75歳以上の後期高齢者の多くは、健常な状態からフレイルの状態を経て、徐々に要介護状態に陥るといわれています。
フレイルの状態にあるかどうかの判断基準は日本ではまだ確立されていないものの、アメリカの評価法によると、「体重の減少」「歩行速度の低下」「握力の低下」「疲れやすい」「身体の活動性の低下」のうち、どれか3つが当てはまったらフレイルの状態なのだとか。一説では、日本の高齢者の約300万人が、フレイルの状態にあると推定されています。
要介護状態の前段階ともいえるフレイルですが、この状態になった高齢者に早い段階から適切な予防法を行えば、要介護状態になることを予防したり、遅らせることができるのだそう。
予防法としては、タンパク質やビタミン、ミネラルを含む食事をしっかり取ることや、ストレッチやウオーキングなどの運動を定期的に行うことなどとされており(※)、こうした概念や予防法を周知させることで、高齢者のQOLの向上や、介護に関わる費用の抑制にもつながると考えられています。
日本の医療・介護現場での浸透はこれからということですが、元気がなかったり、疲れを感じているおじいちゃんやおばあちゃんに、早速教えてあげてみては?
※ 予防法は専門医などに相談の上、適切に行ってください
【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】