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2014.06.03 UP

60歳代は“高齢者”にあらず!? 神奈川県大和市の大胆政策とは?

80歳で3度目のエベレスト登頂に成功したプロスキーヤー・三浦雄一郎さんや、マスターズ陸上の世界記録を更新し続ける90歳(※1)の守田満さんのように、これまでのイメージと大きく異なるイキイキとした高齢者が最近増えていると感じませんか?

事実、高齢者は身体的に若返っているようです。高齢者の “歩く速度”を比較したデータ(※2)を見ると、2002年の75〜79歳の高齢者の通常歩行速度は、10年前の1992年の65〜69歳の高齢者と同じ速度。つまり、身体的に10歳も若返っているんです!

元気な高齢者が増える中、神奈川県大和市が「60歳代を高齢者と言わない都市 やまと」宣言をして、話題になっています。

大和市の公式ホームページによると、日本人の平均寿命が大きく伸び、多くの60歳代の人が健康を保ちながら地域や職場などで活躍していることや、一般的な高齢者を「70歳以上」と考えている人が約8割いるという国の意識調査の結果などを受け、「60歳代を高齢者と呼ぶことは時代に合わなくなってきている」との思いから宣言を発案したのだそう。

宣言文では60歳代の人を「豊かな知識と深い経験を持つ人材」「大和の貴重な宝」としており、「こうした方々に、いつまでも、はつらつと元気に活躍していただきたい」と謳っています。

全国で初めてといわれる画期的な宣言。60歳代はまだまだ現役という意識が浸透すれば、高齢者の活動の幅がいままで以上に広がり、地域の活性化も期待できそうです。

これからの時代、見た目がお年寄りだからって「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼んだら怒られちゃうかも!?

※1 2014年6月2日現在での年齢
※2 鈴木隆雄他「日本人高齢者における身体機能の縦断的・横断的変化に関する研究—高齢者は若返っているか」(『厚生の指標』第53巻第4号、2006年4月、p.1-10)より

【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】

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