介護業界を目指す方へ
2023.03.01 UP
全国に毎月約30万件の(※1)の新しいアルバイト求人があり、大学生は、「報酬・賃金」、「通勤の利便性」を重視して、求人を選んでいる。(※2)
今回は、アルバイトで貯めたお金を旅行に使い、47都道府県の制覇を目指す、東洋大学4年生(取材時)の保富さんに介護職のアルバイトについてインタビューを行った。介護職のアルバイト以外にも、2つの飲食店でアルバイトの掛け持ちをしている保富さん。色々なアルバイトを経験している保富さんが感じる、介護職の仕事の魅力とは何か。どのような働き方をしているのか、プライベートの充実はできているのか、などをお聞きした。
(※1)出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和4年10月分)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001014364.pdf
(※2)出典:株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター コロナ禍の学生アルバイト入職実態調査レポート
https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20211210_1985.html
隙間時間を有効活用して、自分の働きたいときに働く!
—現在、3つのアルバイトを掛け持ちしているそうですね。どのような働き方をされているのですか?
私は、3つのアルバイトを掛け持ちしていて、介護職のアルバイトの他に、団子屋と居酒屋でも働いています。昼は団子屋、夜は酒屋で働き、その上で、介護職のアルバイトを、土日の週1~2回、午前中だけ働いています。介護職のアルバイトは、「週1回、短時間でも大丈夫だよ」と言っていただけるため、働きやすく、助かりました。たまに予定を詰め込みたいときは、午前中働いた後、そのまま他のアルバイトを入れて働き続けます(笑)。常に予定が入っている方が好きな私にとって、今の介護職のアルバイトの働き方は、隙間時間を活用できるので、とても気に入っています。
—介護職のアルバイトについて詳しく教えてください。どのような仕事をしていますか?
身の回りのサポートが必要な方のご自宅にお伺いをして、入浴や着替え、外出準備、家事のサポートなどを行う仕事をしています。なので、働く場所はご利用者さんのご自宅です。たまに出勤もしますが、基本的には自分の家とご利用者さんの家を直行・直帰します。仕事を通して、自分の家事スキルが上がったり、生活の知恵が増えたりします。例えば、この間は「トマトの皮を捨てずにトマトソースが作れるよ」と利用者さんに教えてもらいました。トマトの湯むきをしたときに、皮は捨てるものと思い込んでいましたが、おいしく食べられるものであり、今ある資源を大切に使うという学びになりました。また、自分自身のスキルアップという面においても、目の前の方を良く観るからこそ「気付き力」が上がり、周囲への気遣いが前よりもできるようになりました。他にも、目の前の方が何を考えているのかを、つかむスキルも習得できたのではないかと思っています。
▲ご利用者さんのご自宅での一枚。(ご利用者さんはお食事を、保富さんは後片付けを。いつも向き合ってお喋りをしながら食事の時間は過ごしています。)
最初は暗いイメージがあった介護業界。でも、実際に現場を見ることで考えが変わった。合わなかったら辞めればいいと思い始めた仕事が、今は天職に。
—介護職のアルバイト以外にも、様々な仕事を経験されていますね。なぜ、介護業界で働こうと思ったのですか?
介護業界に興味を持ったきかっけは、中学生の時に行った介護施設での職場体験です。当時は介護の現場を見たことがなく、介護施設に対して暗いイメージを抱いていました。でも、実際に介護施設で職員とご利用者さんが、新聞紙を丸めて楽しそうにチャンバラをする様子を見て、こんな笑顔あふれる楽しそうな仕事があるのだと感じ、介護の仕事をしたいと思うようになりました。その後、介護業界を目指すようになりましたが、当時はその気持ちが変われば、他の仕事に就けばいいやと、軽い気持ちでした。ただ実際には、高校、大学を通して介護業界に対する想いが変わることはなかったです。
—今の介護職のアルバイトは、どのように見つけたのですか?
大学3年生の始めに、介護職のアルバイトをしてみたいと思い、未経験者でも勤務可能な入所施設で働きました。とても楽しく働くことができ、介護職のアルバイトは続けたいなと思っていました。一方、入所施設は複数人で共同生活をするため、生活の時間帯が決まっている状況であり、働く中でご利用者さんにも、決められた時間の中で生活をするのではなく、私と同じように、自分の生活リズムに合わせた生活ができるようにサポートしたい、という思いがだんだんと強くなってきました。そこで、ご利用者さんのご自宅で、1対1で接することができる訪問介護に興味を持ち、今の職場へ入職しました。今の職場を見つけられたのは、たまたま友人経由で、株式会社でぃぐにてぃ(※現在アルバイトをしている会社)の代表取締役社長の吉田さん(以下、社長)と会う機会ができ、話を聞いたことがきっかけです。話をする中で、「この会社で、一人ひとりに時間をかけて向き合い続けていく介護をやりたい!」と感じ、この会社で働きたいと思いました。また、実際に働く様子を見ることもでき、「自分にもできそう!」と働き始める前にイメージを持てたことは、仕事を始める前に安心できたポイントでした。
▲一緒に働く先輩職員や同僚との様子
—訪問介護は資格が必要なお仕事ですよね。無資格でも働くことに問題はなかったですか?
私は決めたら直ぐに行動するタイプなので、最短で資格が取れる研修コースに申し込みをすぐにしていました(笑)。資格取得は2週間ほどでできたため、大きな問題にはなりませんでした。また、でぃぐにてぃは、資格を持っていなくても、資格取得のための費用を全額補助してくれる制度があるので、資格がない人でも、お金の心配なくスムーズに資格取得ができます。アルバイトをしながら資格を取得できるので、少しでも介護職に興味があれば気軽にスタートできるので、おススメです。
—初めてご利用者様のご自宅に行くとき、緊張や不安はありませんでしたか?また、どのように乗り越えましたか?
どんなアルバイトの仕事でも、新しい職場で働くときは、緊張や不安があると思います。それと同じように、私も初めて一人でご利用者さんのご自宅に向かう道中は、不安な気持ちもあり、何回もメモを見返しました。とはいえ、私が不安や緊張を感じていると、顔や態度に出てしまい、ご利用者さんが不安になってしまうと思ったので、ご自宅に入ってからは「どうにかなる!わからないことは、直接聞こう!」と気持ちを切り替えて働きました。不安がありつつも、気持ちの切り替えができたのは、手厚い育成フォローがあったからだと思っています。
入社してすぐは、先輩職員がご利用者さんのご自宅まで同行してくれ、実際に働く様子を見せて教えてくれました。他にも、最短3日の講座を受講することで取得可能な民間資格を事前に取得させていただき、勉強できたことも自信になりました。入社後も不安がなくなるまで、複数の先輩職員がメンターとしてフォローや面談をしてくれました。時には、メンターの方から声をかけていただき、ランチ会のような少し砕けた場で、仕事やプライベートのことを相談できることも安心して働ける理由です。また、毎月1回管理者との面談、四半期に1回社長との面談もあります。
職場の雰囲気については、でぃぐにてぃの職員は若い人が多くて、自由度の高い会社だと思います。年が近いので話しやすく、距離もすぐ縮まります。「介護をしっかりやってくれればそれでいい」と見た目に関する決まりがないので、社員さんの髪色も金髪だったり、緑だったり。私も少し前までピンクでした。(笑)
▲でぃぐにてぃ先輩職員さんとのお食事会の様子
(先輩職員より保富さんへのコメント)初めて会った時も、『初めて』を感じさせない持ち前の明るさで、みんなとすぐに打ち解けていました。保富さんと同じお客様を担当したときも、お客様から「保富さん、すごいしっかりしているね。たくさん話を聞いてもらってありがたいよ!」というお褒めの言葉も沢山頂いています。自慢の後輩です!
時給は1,420円~?!アルバイト以外の時間は趣味の旅行でプライベートも充実。
— アルバイトの掛け持ちや学業との両立でお忙しいと思いますが、お休みの日などのプライベートはどのように過ごしているのですか?
私は旅行が好きで、大学生のうちに47都道府県の半分は制覇したいと思っているんです。なので、アルバイトや学業の時間以外は、お休みを取って旅行に行きます。この間も1週間ほどお休みを取って、沖縄県と福島県に行ってきました。1週間以上の長期休みも「旅行に行きたい」と事前に相談していれば、取得することが可能です。アルバイトで稼いだお金は、ほとんど旅行に使うことが多いですね。
—お休みも取りながら、たくさん旅行へ行かれているのですね!職場を選ぶ際、給料は気にされましたか?
私はお金よりも、どんな仕事ができるか、どんな人と働けるか、ということを大事にしているので、正直お給料はそんなに気にしていなかったです。働いたお金で、旅行へ楽しく行けたらいいなと思っています。とはいえ、今の介護職のアルバイトでもらっている時給は、1,420円なので、結構高めだと思います。
▲アルバイトで貯めたお金は、お休みを取って旅行へ。47都道府県の半分制覇を目指しています。
—時給1,420円は、アルバイトの平均賃金(※3)よりも高いですね。
他のアルバイトも経験されている保富さんが感じる、介護職のアルバイトの魅力とは何ですか?
1対1の信頼関係を築けて、関わる方の人間味を感じられるところが魅力です。「朝が弱いんだな」「卵が好きなんだ」など小さいことかもしれませんが、その人の新しい一面を知っていくと、今どんなことを感じているんだろう、何をしてほしいのかな、ということが分かるようになっていく気がしています。ご利用者さんのできないことが少なくなり、ご利用者さんがやりたいと思った時に、それにとことん付き合える仕事が介護職の仕事。「ああ、これが自分のやりたいことだったんだな」と思っています。
この間休んだ時に、ご利用者さんに「寂しかった、会いたかったよ」と言われたんです。週1回、午前中しか会っていない私でさえも、ご利用者さんにとって必要な、生活の一部になっているんだと感じてとても嬉しかったです。最近は、仕事だから出勤するのではなく、ご利用者さんに会いたいから出勤してると思っています。会いに行けるのが楽しみで、仕事をしている感覚がなくなっていることもあります(笑)。それくらい楽しめるところも介護職の魅力だと思います。
(※3)出典:株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター 2022年11月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】
https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20221214_2501.html
—これから介護職のアルバイトをしようと思っている学生に、メッセージをお願いします!
もしかしたら「自分にできるのだろうか…」と不安になってしまうこともあるかもしれません。私もそうでした。働き始めた当初は、周りに「介護は大変な仕事でないのか?」と言われてきました。ですが、実際働いてみたらとっても楽しいです!おそらく皆さんが思っているより、ハードルは高くない仕事だと私は感じています。
介護職のアルバイトで一緒に働く学生がもっと増えたら嬉しいです!
―――――――保富さん、ありがとうございました!!!
【文: HELPMAN JAPAN 写真: 保富志帆さん】