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最近、認知症介護の世界で、「パーソン・センタード・ケア(Person Centred Care)」という言葉を耳にするようになりました。一体、これってどんなものなんでしょう?

パーソン・センタード・ケアとは、イギリス生まれの臨床心理士、故トム・キットウッド氏が提唱した認知症介護の理念。従来の医学モデルに基づいた認知症の捉え方を再検討し、認知症患者の個性や人生、尊厳としっかり向き合うことで、介護施設や介護者中心ではなく、“その人を中心とした最善のケア”をめざすものなんです。

実際の介護現場では、認知症患者の行動を6時間以上連続して5分ごとに観察し、彼らがどんなときにどんな行動や状態にあるかを記録する「認知症ケアマッピング(DCM)」というツールを用いて、認知症患者の隠れたニーズやケアの改善に役立てているのだそう。

イギリスでは高齢者サービスを行う際の国家基準に取り入れられていて、高齢者介護の基準にもなっているパーソン・センタード・ケア。アメリカ、ドイツ、オーストラリア、デンマークなど、世界各国にも広がっており、日本国内でもセミナーやワークショップが盛んに開かれているといいます。

トム・キットウッド氏の著作は日本語訳も刊行されていますから、気になる方はぜひ一読を!
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文: 成田敏史(verb)
イラスト: 株式会社コットンズ
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