介護の現場から
2016.03.11 UP
介護の現場から vol.37
角田直美さん
株式会社SPI あ・える倶楽部 認定トラベルヘルパー 介護福祉士
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宮原和子さん
株式会社SPI あ・える倶楽部 利用者
株式会社SPI/「家族旅行や、孫が習うピアノやお琴の発表会のときに一緒にでかけます」と和子さん
一緒におでかけ
「家族旅行や、孫が習うピアノやお琴の発表会のときに一緒にでかけます」と和子さん。角田さんは“トラベルヘルパー”という外出支援専門員。ふたりは、これまで10回以上も一緒におでかけしている間柄だ。角田さんを指名する理由は「介助が上手。安心して外出できるからね」
4年ほど前に大腿骨を損傷。車いすの生活になった和子さんは、「前のように歩くには、自分で努力しなきゃ」ときっぱり。毎週のように、通所センターでのリハビリや、ジム、鍼灸に通い、時には車いすなしででかけられるほど回復した。「こうして外に出ることが励みになるわね」
かつて日本舞踊が趣味で、その経歴は30年に及ぶという和子さんが、今後実現させたいのは「着物を着て銀座四丁目を歩くこと」。角田さんは、「私の方がたくさんパワーをいただいています」と笑う。
トラベルヘルパーという仕事
以前は病院で医療福祉に携わっていた角田さん。「患者さまとの会話で、よく旅行の話題が出ました。旅の思い出を語るときは皆さん笑顔。旅の力ってすごいと感じていました」。そんな折に出合ったのがトラベルヘルパーの仕事。『旅は最高のリハビリ』という会社の考え方に共鳴し、いまでは週末を中心に、旅行や家族イベントにサポート役として同行。「事前準備は大変ですが、やりがいはお客さまの人生に寄り添い、一緒に喜びを感じられること。こちらも幸せな気持ちになるんです」
【文: 池内由里 写真: 刑部友康】