facebook
twitter

漫画ヘルプマン!

2015.09.04 UP

“胃ろう”になった高齢者が経口食に復帰できる確率6.5%。日本は胃ろう大国なんだよ。

あらすじ&作品紹介

介護への情熱が高まるあまりのスタンドプレーやトラブルで、施設での介護士としての仕事がままならなくなった恩田百太郎はフリーの介護士として活動開始。「ホームヘルパーはじめました!」とチラシを配り、仕事を探すことに。

ポストに投げ込まれたそのチラシにうさん臭さを感じつつ、認知症の祖父を持つ昇子は、百太郎に力を借りる。

昇子の祖父、巌は、肺炎をきっかけに「胃ろう」の処置を受け、「型どおりの介護」で弱り、寝たきりになった。巌を普通食に戻してあげたい、元気になって、大好きなカツ丼を食べさせてあげたい……。その思いで百太郎は病室にカツ丼を持ち込むが、昇子や巌の娘の千代には「詰まらせて死んでしまうわ!」と猛反対されてしまい———

「胃ろう大国日本」。しかしその中で、誤った常識や根拠のない医学的な主張がある。その具体例と真実を、本作では伝えています。巻末の歯科医への取材記事、「肺炎になったから胃ろうは誤りだ!」も必見です。

ヘルプマン!!主人公


恩田百太郎(おんだももたろう)

恩を百受ける男、恩田百太郎。介護を通じ、高齢者の圧倒的な知識や経験に学び、それを原資に、介護業界の矛盾を、等身大の高齢者視点で改善しようとする破天荒な青年。介護業界の主人公は高齢者自身とするがゆえに、介護保険制度や固定観念と日々対立。現在は、フリーの介護士として働き始める。
神崎仁(かんざきじん)

矛盾に満ちた介護業界の構造と闘う社会福祉士。介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアを積む。ケアマネジャー時代に独居の在宅高齢者から頂いた“おしるこ”の温かさに触れ、目指す未来が明確に。人と社会をつなげるために日夜奔走中。現在は、介護の可能性を探るためショッピング施設内に地域の住民や機関・団体などをつなぐ「介護総合情報センター」を開設。

編集者からのコメント


講談社『イブニング』から、『週刊朝日』に連載の舞台を移し、2014年12月22日合併号より「ヘルプマン!!」としてリニューアル連載を開始しました。第一弾のキーワードは“蘇生”。

著者くさか里樹氏は今回のテーマを取り上げるにあたり、11年間連載を続けてきた介護漫画の原点に立ち返り、介護分野のみならず、生きる上で誰しもが欲する三大欲求のひとつ「食」という最もシンプルなテーマに挑みました。

胃に穴を開け栄養を流し込むことで、人は生ける屍になってしまう? 飲み込む力すらなくなった寝たきり高齢者を簡単に復活させるには!? 魔法にかかったように短時間で噛む力を回復し、寝たきりだった高齢者が歩き始めた!? などなど、専門家からリアルな経験談を取材し描いた本作は、一般に信じられていた情報が意外にも間違いだったことを明らかにしています。

★ヘルプマン!! Vol.1 介護蘇生編
価格:691円(税込)

【著者】くさか里樹 【発売日】2015年5月20日 【ISBN】978-4023314122 【発行】朝日新聞出版

【文: 小林 景悟(あらすじ&作品紹介)】

一番上に戻る