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漫画ヘルプマン!

2021.01.27 UP

「ヘルプマン!!―取材記―」あらすじとみどころ

HELPMAN JAPANがコラボレーションする漫画「ヘルプマン!」とその人気作品「ヘルプマン!!―取材記―」の最新刊が電子書籍限定で3巻同時リリースされました。今回は、いつも漫画「ヘルプマン!」をご紹介いただいている編集部の方より、漫画の「あらすじ」と「見どころ」をご紹介いただきます。

あらすじ&編集者コメント

 

◆ヘルプマン!!-取材記-4巻

「鯱浜の伯母」「注文をまちがえる料理店」

本作の見どころはなんと言っても「注文をまちがえる料理店」という興味深いネーミングの料理店です。ネーミングが変だということだけなら昨今世の中に沢山ございますが、この「注文をまちがえる料理店」はそれとは異なり、超ユーモアに富んだコンセプチュアルな一大プロジェクトです。

取材で訪れた御殿場でのプロジェクトは、あのドラ焼きなどでも有名な老舗「とらや」のカフェスペースで開催され、何げなく通りかかった地元の方や、感度高めな有識者やメディア。そして主役は認知症の高齢者でした。メニューを渡され注文した料理はとても美味しく、それらの料理を運ぶウェーターはすべて認知症の方達。まったく違和感なく立ち話をし接客は和やかでパーフェクトでした。この企画を仕切るツワモノは元NHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」などを制作されたプロデューサー・小国士朗さん。彼が発信するアイデアは常に本質的でユーモアがあり機能美でした。「ヘルプマン」を連載開始した2000年からマンガの世界で表現してきたことが現実の姿になって現れた不思議な感動を味わったのを覚えています。

世間の偏見や曲解したタブー視は捻じれを生み、人間の顔をゆがめます。それを解きほぐし開放していき本質の美しさを表すことは誰にでも可能なのではと思わせる力がこのプロジェクトにはあり、だからこそ有志がどんどん集まる。マンガでは表現しきれない部分もあると思いますが、一歩踏み出す気になる興味深い必読必至の内容です!

 

◆ヘルプマン!!-取材記-5巻

「ミライ塾」

『HELPMAN JAPAN』2017年4月12日に掲載されたインターンシップ型自立支援プログラム「ミライ塾」。

立ち上げた代表の奥平幹也さんへぜひ取材をかけたいと相談された作家くさか里樹先生の、これを伝えねばという熱量。「ヘルプマン!!-取材記-」をスタートした際に、現実はとっくにマンガを超えていますとおっしゃったくさか先生の言葉の意味が納得できた取材となりました。「学生×介護」というテーマで、新たな奨学金制度を作り、進学支援と人材不足解消を同時に実現された奥平さんは、ご自身が苦学生だった体験を余すところ無く活かし、現在も多くの学生をサポートしています。進学したくても金銭的な援助が必要な学生は、通常、奨学金を活用します。しかしこの奨学金は、卒業後に多額の借金を背負わせられ、給与の少ない入社当初の若者の経済的な部分を圧迫します。そこに目をつけた「ミライ塾」という画期的かつユーザービリティーの高いシステムは、多くの学生たちを笑顔にし、さらに「介護」という高いコミュニケーションが必要な仕事により、彼ら若者たちの人間性を高め「察する力」を鍛え、卒業後、他職種へ就職後も彼らに備わった福祉リテラシーが働く上でぶれない軸を生む。入塾する生徒数は年々増えているとのことですが、日本のみならず、全世界で「介護」を中心にした「ミライ塾」は必要になるだろうと感じました。

本作は一人の学生のお話ですが、実話を元にしていますので、もし「ミライ塾」に興味がある方は読んでみてください。また、何かを仕掛けたいと思うベンチャーマインドがあるなら、「ミライ塾」の発想は参考になると思います!

(※「ミライ塾」は2020年9月末日をもって終了し、10月より「ミライ道場」として、再スタートし学生の支援を継続中)

▼ミライ道場
https://miraidojo.net/?fbclid=IwAR1KKKVNs6RLNaLjMow1CrbvG968tcA8yc0rrODXIn-aiGb9kUNttiCo2Y4

▼HELPMAN JAPAN記事
https://helpmanjapan.com/article/6012

 

◆ヘルプマン!!-取材記-6巻

「介護現場1992」「インフォーマルケア」

「ヘルプマン」の取材を受ける中で、本作を立ち上げた理由はなにか? とよく聞かれて上手く説明できないこともありました。おそらくそれがすべてこの一言で説明できるのではないかと思えたのが「インフォーマルケア」です。

地域社会の中で支える介護は、介護保険でできる範囲外をカバーできる。その範囲外に範囲を限定してしまうのも、されてしまうのも、既成概念にとらわれた発想の貧しさなのかもしれない。私自身もマンガにより、発想の開放をさせられ目からウロコが落ちた経験を何度もしてきました。それと同じ感覚を「インフォーマルケア」では感じます。『やってはいけないこと』から『やってもいいこと』に変換するには勇気がいります。でも、それを軽々飛び越え『やり始めてしまう』人々と介護業界で沢山お会いしました。

「介護現場1992」は、そんな“介護保険制度規制”を作ったより以前の『措置の時代』と呼ばれた当時のエピソード。大学の研修で介護現場へ行った一人の女学生にフォーカスして描いた内容です。そんな彼女が体感した介護現場の悲惨な状況と、そこに見えた『希望』。それが現代において変わりつつある介護の姿の原点にあると思います。本作はそんな『介護』の本質に迫る取材が綴られた内容となっています!

 

★ 『ヘルプマン!!―取材記―』4~6巻
販売価格:510円+税
【著者】くさか里樹
【発売日】2020年5月22日

【文: 「ヘルプマン!」編集部】

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