漫画ヘルプマン!
2017.11.20 UP
あらすじ&作品紹介
「ヘルプマン!!」第8巻の続編。「介護は人手不足」だと思い込んでいた主婦・山重茜は、 ホームヘルパー1級、2級の資格が廃止され、 研修を受けないと介護職として働けないことを知る。
妻に先立たれ息子夫婦と別れた独居高齢者の松島大吉は、 制度改定により、「要支援」に介護度を下げられ、 家事の援助を受けられなくなっていた。
茜は地域支援事業を手がける恩田美都子と出会い、「有償ボランティア」の存在を知り、大吉の生活支援を開始!
ところが、大吉の息子夫婦は茜を「ボランティアにかこつけて年金を奪おうとする輩だ」と疑う。
思いもよらぬ事態にショックを受けた茜。
彼女はボランティアをあきらめようとするが、 大吉を高齢者扱いして人間の尊厳を奪う家族を前に、納得がいかず立ち上がる――。
有償ボランティアは是か非か! ?
ヘルプマン!!主人公
恩田百太郎(おんだももたろう)
恩を百受ける男、恩田百太郎。介護を通じ、高齢者の圧倒的な知識や経験に学び、それを原資に、介護業界の矛盾を、等身大の高齢者視点で改善しようとする破天荒な青年。介護業界の主人公は高齢者自身とするがゆえに、介護保険制度や固定観念と日々対立。現在は、フリーの介護士として働き始める。
神崎仁(かんざきじん)
矛盾に満ちた介護業界の構造と闘う社会福祉士。介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアを積む。ケアマネジャー時代に独居の在宅高齢者から頂いた“おしるこ”の温かさに触れ、目指す未来が明確に。人と社会をつなげるために日夜奔走中。現在は、介護の可能性を探るためショッピング施設内に地域の住民や機関・団体などをつなぐ「介護総合情報センター」を開設。
編集者からのコメント
「ヘルプマン!!」第8巻の続編となる今回は、前巻同様に「有償介護ボランティア」の役割についてフォーカスしています。
高齢者の急増で介護保険制度だけでは支えられなくなった時代が本格的に到来し、今や日本は、要介護度の低い高齢者は十分なサービスを受けられなくなり、重度化するまで自立し自宅で生活することを余儀なくされている高齢者が溢れています。
内閣府調べでは、日本全体で65歳以上の高齢者のいる世帯は、平成26(2014)年現在、世帯数は23,572千世帯と、全世帯(50,431千世帯)の46.7%を占めています。
要するに、高齢者のいる「単独世帯」や「夫婦のみ世帯」が全体の過半数に達していて、2017年現在は更に増えているはずです。
本作では、世界的に見ても圧倒的な高齢化率を誇る日本が、国家予算で賄いきれなくなった介護問題に対して、オリジナリティーあふれる有償介護サービスが雨後の竹の子のように誕生している実情から、作者の取材体験などを元に描いています。
介護に携わったことの無い人と、ある人での介護に対する常識のズレは、取材を重ねる程開きがあることがわかり、更に、それが新たな介護サービスのネックになっているというこも見えてきました。
「介護ボランティア編」では、高齢者、その家族、そして介護サービス従事者を三方向から取り上げ、現代の社会課題に対して一つの希望を提案しています。
親や祖父母の介護を体験した方や、これから体験される方にも必読の一冊となっています。
ぜひぜひお手にとってみてください。
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★ヘルプマン!! Vol.9
介護ボランティア編
価格:691円(税込)
【著者】くさか里樹 【発売日】2017年11月20日【ISBN】978-4023316348