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漫画ヘルプマン!

2014.07.17 UP

「だったら県庁なんか辞めればいい」

あらすじ&作品紹介

新年度を迎え、高齢者支援課に異動となった県庁職員の小池一郎。「県民生活に直結する大事な部署」のはずが、実情は小池の現場での決定権、発言権はゼロ。「粛々と事務処理をするロボット」でしかない現実が待ちかまえていた。

さらに、有料老人ホームの怠慢な仕事ぶりや、それを起因とする老人のけがなどの悲劇を、小池は次々と目の当たりにしてしまう。県庁職員は何をするにも行政手続法を守り、幾重もの手順を踏まなければ現場で動くことができない。

自分の力で高齢者福祉の未来を変えたいと切望する小池は、一念発起し班の上司に現場への介入を願い出た。しかし、「県庁の仕事は全体像をコントロールすること。現場のことは市町村に任せる」というドライな回答。食い下がる小池に上司は、「だったら県庁なんて辞めればいい」と冷たく突き放す……。

この巻で描かれるのは、現場から一歩離れた「行政」の場。県庁職員の苦悩から、介護業界のリアルがまたひとつ描かれる、社会への問題提起となる章です。

ヘルプマン!主人公


恩田百太郎(おんだももたろう)

恩を百受ける男、恩田百太郎。介護を通じ、高齢者の圧倒的な知識や経験に学び、それを原資に、介護業界の矛盾を、等身大の高齢者視点で改善しようとする破天荒な青年。介護業界の主人公は高齢者自身とするがゆえに、介護保険制度や固定観念と日々対立。

神崎仁(かんざきじん)

矛盾に満ちた介護業界の構造と闘う社会福祉士。介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアアップし、現在社会福祉協議会に属している。ケアマネジャー時代に独居の在宅高齢者から頂いた“おしるこ”の温かさに触れ、目指す未来が明確に。人と社会をつなげるために日夜奔走中。

編集者からのコメント


「ヘルプマン!」の講演会に伺った際に、たまたまパーソナリティーとしてご一緒した方から伺ったセンセーショナルな話題。後日改めてその方に取材し、本作の世界観ができあがりました。人間の「尊厳」と、官民の在り方について、「ヘルプマン!」初の役人側からの視点で描いた「監査編」は27巻の後編へと続きます!


★ヘルプマン!(26) 監査編
価格:552円+税

【著者】くさか里樹 【発売日】2014年06月23日 【ISBN】978-4-06-354519-7 【発行】講談社 イブニングKC
イブニング2014年2号~11号に掲載された作品を収録しました。

【文: 小林 景悟(あらすじ&作品紹介)】

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