漫画ヘルプマン！

2014.03.31 UP

あらすじ＆作品紹介

認知症の松子さんを元気づけるため、独自のケアプラン作成に乗り出した飛石 亘。しかし“ヘルパーが美容院へ同行する”だけでも介護保険では違法になり、介護タクシーも利用できない現実に唖然とします。また、介護利権について腹を探られた社会福祉法人「至極会」からも飛石に圧力が及んできます。

八方ふさがりのなか、飛石の前に現れたのは百太郎とともに数々の困難を切りひらいてきた社会福祉士・神崎 仁。常識にとらわれない飛石のような男を待っていたという仁からサポートを得て、規制と利権にしばられた介護業界への挑戦がはじまります。

お年寄りのために行動すればいつも“制度”という巨大な壁に突き当たりますが、国が悪い、決まりだから仕方ないで終わらないところがこの作品のおもしろいところです。

制度が変わろうとしないなら自分たちで変えていけばいい、まず目の前のお年寄り1人を笑顔にしたい。そんな若い世代の想いが集まって、ここでも小さな奇跡を生みます。

ヘルプマン！主人公

恩田百太郎（おんだももたろう）

恩を百受ける男、恩田百太郎。介護を通じ、高齢者の圧倒的な知識や経験に学び、それを原資に、介護業界の矛盾を、等身大の高齢者視点で改善しようとする破天荒な青年。介護業界の主人公は高齢者自身とするがゆえに、介護保険制度や固定観念と日々対立。

神崎仁（かんざきじん）

矛盾に満ちた介護業界の構造と闘う社会福祉士。介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアアップし、現在社会福祉協議会に属している。ケアマネジャー時代に独居の在宅高齢者から頂いた“おしるこ”の温かさに触れ、目指す未来が明確に。人と社会をつなげるために日夜奔走中。

編集者からのコメント

10年近く介護業界を取材し、初めて感じたなんとも言えないワクワク感。介護業界のレジェンド的存在で 「HELPMAN! JAPAN」でもご紹介した、認知症のスぺシャリスト・和田行男氏と著者の講演会後、いきなり楽屋に訪ねて来たのは、「『北斗の拳』が好きだ」と笑顔を絶やさぬ髭もじゃの男。同じく 「HELPMAN! JAPAN」でご紹介したもんじゅ代表・飯塚裕久氏です。これまで『ヘルプマン！』を描き続けていた著者が、いつか出てくるだろうと待ち望んでいた人物が目の前に！ その後は雨後の筍の様にニュージェネレーション達が現れていきます。キーワードは「おいしい」。外出支援専門の事業所や旅行代理店など、実際に新事業が生まれていることにも注目！

★ヘルプマン！（24） 介護起業編
価格：552円＋税

【著者】くさか里樹 【発売日】2013年09月20日 【ISBN】978-4-06-352478-9 【発行】講談社 イブニングＫＣ
イブニング2013年8号～16号に掲載された作品を収録しました。