漫画ヘルプマン！

2014.03.31 UP

あらすじ＆作品紹介

高校を中退し、介護福祉士の資格をとらず働き続ける恩田 百太郎の月収は14万円。

「介護はおもしろい！」の信念で突っ走ってきた百太郎ですが、合コンで職業を聞いた時の女性陣の反応、実家である弁当屋の業績悪化、自分が働く施設の深刻な人材不足などから、ようやく“介護職の待遇”について意識しはじめます。

介護事業のなかで人件費が占める割合は60％以上。事業としては破綻しており、国が作ったバランスシートが最初から間違っているのだ。給与アップなど望めない……親友の仁から聞かされた話はどれも衝撃的でした。

お年寄りが相手ならどんな状況でも打破してきた百太郎ですが、今回は政策・制度という異質な相手で、どうすることもできないまま施設の職員が次々と辞めていきます。

政策などのマクロな話から、人手不足で“介護の質を下げる”という究極の選択を迫られる職員たちの苦悩までが広く、そして深く描かれたこの1冊。福祉と介護にたずさわる人々の巻末コラムも充実して、非常に読みごたえがあります。

ヘルプマン！主人公

恩田百太郎（おんだももたろう）

恩を百受ける男、恩田百太郎。介護を通じ、高齢者の圧倒的な知識や経験に学び、それを原資に、介護業界の矛盾を、等身大の高齢者視点で改善しようとする破天荒な青年。介護業界の主人公は高齢者自身とするがゆえに、介護保険制度や固定観念と日々対立。

神崎仁（かんざきじん）

矛盾に満ちた介護業界の構造と闘う社会福祉士。介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアアップし、現在社会福祉協議会に属している。ケアマネジャー時代に独居の在宅高齢者から頂いた“おしるこ”の温かさに触れ、目指す未来が明確に。人と社会をつなげるために日夜奔走中。

編集者からのコメント

宇都宮で新婚ホヤホヤの介護士達に、世間的に3Kと言われる介護業界の待遇について突撃取材し、優良な高待遇に拍子抜けした記憶あり……。それもそのはず、取材した彼等の恩師が当日看護師待遇改善に果敢に挑んで勝利を勝ち取った先駆者だけに、近未来の介護士の姿を垣間見ることができました。介護職の明日が見えた著者が描いた世界には、精神的に自立した近未来のじじばばの姿があります！

読者からのコメント

■「介護はおもしろい」の言葉に衝撃を受けました。
和歌山県 学生 16歳 男性

■情熱だけではどうにもならない事がある。介護の世界は本当に切実ですね。
福岡県 銀行員 29歳 女性

■現場を知らない人がルールを作るといい結果に結びつかないと思った。
東京都 学生 21歳 女性

■このマンガは目からウロコが落ちるような気持にさせられます。
山形県 販売員 24歳 男性

★ヘルプマン！（13） 介護職員待遇編
価格：552円＋税

【著者】くさか里樹 【発売日】2009年10月23日 【ISBN】978-4-06-352283-9 【発行】講談社 イブニングＫＣ
イブニング2009年7号～17号に掲載された作品を収録しました。