facebook
x

漫画ヘルプマン!

2014.03.31 UP

善意で「老人の自立」を妨げていませんか?

あらすじ&作品紹介

岡田 公子は、認知症の義父・鹿雄をたった一人で在宅介護している40歳の主婦。夫は仕事が多忙、娘たちは介護に非協力的ということもあり、たび重なるストレスと過労で公子は入院してしまいます。

入院中に知った介護保険制度を申請してひと安心かと思いきや、訪問してくるヘルパーとの相性が合わず、鹿雄は自尊心をズタズタにされ抜け殻のように……。

あらゆる試みが失敗に終わっていく絶望のなか、公子が偶然出会ったのは元気いっぱいの青年・恩田 百太郎。ヘルパーとして働く百太郎はさっそく公子の家に派遣され、さまざまな改善案を出していきます。

大嫌いなおむつを外して本人のストレス軽減、お風呂へも自発的に入れるよう巧みに誘導、そして入念な聞き取り調査から鹿雄おじいさんが“自分を取り戻す”ためのキーを見つけだします。

認知症老人の“尊厳”という重要なテーマが描かれるとともに、百太郎の人間的な成長も見ることができます。

ヘルプマン!主人公


恩田百太郎(おんだももたろう)

恩を百受ける男、恩田百太郎。介護を通じ、高齢者の圧倒的な知識や経験に学び、それを原資に、介護業界の矛盾を、等身大の高齢者視点で改善しようとする破天荒な青年。介護業界の主人公は高齢者自身とするがゆえに、介護保険制度や固定観念と日々対立。

神崎仁(かんざきじん)

矛盾に満ちた介護業界の構造と闘う社会福祉士。介護福祉士、ケアマネジャーとキャリアアップし、現在社会福祉協議会に属している。ケアマネジャー時代に独居の在宅高齢者から頂いた“おしるこ”の温かさに触れ、目指す未来が明確に。人と社会をつなげるために日夜奔走中。

編集者からのコメント


主人公・恩田百太郎が川に飛び込むシーンは、「うんち」がいっぱい登場するので「うんち画」と呼ばれています(笑)。作者のくさか先生が、味噌などを使って実際にうんちを再現したシーンは、当時テレビ放送されました。「HELPMAN! JAPAN」の記事にも登場する、広島国際大学・八木裕子准教授が、授業でこの2巻を活用してからは、学生たちは作中に登場する高齢者・岡田鹿雄さんが実在の人物だと思い込んでしまったほどのめり込んだとか。

読者からのコメント

■親のカイゴというのがもう少し身近な年齢になる前に、この作品を読めてよかったと思います。
東京都 学生 17歳 女性

■『ヘルプマン!』の公子さんは10年前の母の姿そのものです。5年間祖父の介護漬の毎日でした。
茨城県 主婦 33歳 女性

■『ヘルプマン!』を読んでヘルパー2級の資格を取りました。
東京都 無職 38歳 男性

■何のための制度なのか? 誰のための介護なのか? 真剣に考えている時期が来ていると思う。
高知県 酒卸売業 43歳 男性

★ヘルプマン!(2) 在宅痴呆介護編
価格:533円+税

【著者】くさか里樹 【発売日】2004年07月23日 【ISBN】978-4-06-352077-4 【発行】講談社 イブニングKC
イブニング2004年6号〜15号に掲載された作品を収録しました。

【文: 小林 景悟(あらすじ&作品紹介)】

一番上に戻る