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活動紹介

2015.08.24 UP

【取材日記】「未来をつくるkaigoカフェ」プレゼンツ スペシャルトークセッション

介護に関わるすべての人が、立場や役職を離れて対話する場「未来をつくるkaigoカフェ」。立ち上げから3年がたち、着実にネットワークが広がってきています。そんなkaigoカフェが、3周年特別企画を行うとのことで伺ってきました。当日は、現場の介護職や専門職、経営者をはじめ、学生、異業種の方々も多数参加して情報交換を行うなど、ここから、また新しいなアイデアが生まれていく予感を感じさせてくれる会となりました。また、HELPMAN JAPANにも登場していただいた、あおいけあの加藤忠相さん、シルバーウッド下河原忠道さん、そして、医師の佐々木淳さんによるトークセッションも開催。改めてみなさんの思いが語られたセッションの模様をご紹介します!
※介護カフェの記事はこちら http://helpmanjapan.com/article/4636

この2人はたぶん、
次世代をひっぱっていくリーダーになると僕は思っています(下河原)

高瀬 今日は、貴重な機会をありがとうございます。改めて、おひとりずつの今取り組まれていることなどお話しいただけますか。

加藤 藤沢市から来ました加藤と申します。藤沢市で小さな介護やをやってます。小規模多機能2つとグループホーム1つの運営をしている、一応社長になりますけれども、ほんとに零細企業なんですけれども。ほんとの社長は隣の人なんで…

下河原 株式会社シルバーウッドの下河原と申します。日本一のサ高住を目指してですね、いろいろ展開しているところなんですけども。正直、ここのふたりに出会えたのは未来をつくるkaigoカフェがはじめてだったんですけど、私はこの会にほんと感謝しておりますし、高瀬さんをリスペクトしているひとりです。今日はよろしくお願い致します。

佐々木 みなさまこんばんは。医療法人悠翔会の内科医をしています。佐々木と申します。在宅医をやっています。私は下河原さんとこの会ではじめてあって、いま仲良くさせてもらっています。(加藤さんとは)恐れ多くてまだ2、3回しか声をかけてないんですけれども…笑、よろしくお願い致します。

高瀬 最初にゲストに来ていただいたときのこととか、印象に残っていることなどお話しいただけたら。

加藤 小規模多機能の仕事の話しをさせてもらいに、菅原健介と野間君と3人でやらせてもらったのがはじまりです。確か、10分とか短い時間で…もともと早口なので何を言ってるのか分からなかったかも…笑

佐々木 いちばん最初は、「公的保険に頼らない介護サービスのあり方とは」という、ぜんぜん違う畑の提案をさせてもらったことがありました。そのあとは、栄養ですね。在宅における低栄養の話しをして。そこで下河原さんとご一緒したんですね。

下河原 僕は、加藤忠相がカフェで話している姿を見て、この人は何をやっている人なんだろうってわからなかったんですね。ただ、すごい熱を感じた。あと、先生のときは、お医者さんなのに着ぐるみきてなんかやってる、こんなお医者さんいるんだなと思って面白かったの覚えてます。

高瀬 なんていうか、飾らないところがみなさん共通点なのかなと。

下河原 (介護業界では)すごい有名な人たちなんですけど、まったく型にはまらずにですね。いつもフランクな感じで、ジーパン、Tシャツの雰囲気が。先日もですね、すごい偉い人に会ってたんですけど、そういう人ってあまり型にはまらないんですよね。この2人はたぶん、次世代をひっぱっていくリーダーになるんだと僕は思ってます。

介護施設はただの道具。
どういう社会をつくるかが必要だと思う(加藤)

高瀬 みなさんが、今取り組まれている中心的なことは何でしょう

加藤 介護の仕事していると、経営をすることが、たとえば、僕だと小規模多機能をやることが目的になっちゃってることが多くて、それをなんとかしようって思っちゃうのが一番ネックになっちゃうんですけど、そうじゃなくて、あくまで小規模多機能はただの道具であって、これをつかってどういう社会をつくっていくか、っていうのが必要じゃないかなと思うんです。

先輩方からずっと教わってきたのは、小規模多機能は高齢者のためのものではなくて、地域を練(ね)るための装置としてある、というのがあって。それを結構、生真面目にやろうと思ってやってきたんですけど、子どもたちが、高齢者の社会保障を使って、学童とか保育所のいらいない社会になってもいいし、障害者の方たちが働いてもいいし、あたり前に地域の人たちがそこで成長していくとか、偏見とかもたないで一緒にいられる場所づくりというのに繋がればなと思っていまは動いている。

これを使って、介護保険や医療保険を食いつぶさない、報酬が入ってこないと困るとかそう話しのじゃなくて、僕ら介護保険の仕事をしている人のテーマは、介護保険は(高齢者の状態を)悪くするのではなくて、良くするのが仕事ですから、良くして介護保険が下がって、それが本来当たり前ですねという仕事の仕方ができないといけないかなと思って、勉強させてもらっています。佐々木 私はいま在宅医療の仕事をさせてもらって、主に、人生の最終段階にいる方々の最期の数カ月、数年間をご一緒しているんですけど、自分たち自身が高齢者になった世の中でそれが可能かっていうと、結構、厳しいんじゃないかと思ってるんですね。

2060年には1.2人の生産人口で1人の高齢者を支えなきゃけいない社会がやってくると。それが可能なのかっていうと、可能じゃないと思うんですね。いまは、海外からヘルパーさんを、介護人材をいれてなんとかできないかとかって言ってますけど、それは僕は本質的ではないかなと思っていて。

我々がやるべきなのは、いまいる人たちを支えるっていうのは全力でやらなければいけないけれども、同時に自分たち自身が健康をきちんと維持をして、65歳で高齢者、75歳で要介護ではなくてですね。75歳まで現役で働いて、できれば85歳まで働いて(笑)、86歳で死ぬとか、その健康寿命をのばしていかなきゃいけない。

日本は男性も女性も平均寿命は長いですけれども、男性は亡くなる前の9年間、女性は亡くなる前の12.5年間は、医療・介護に依存した状態で生きているんですね。仮にこの9年間と12年間を半分にできれば、日本の自助って大きく変わるんじゃないかと思っています。

だから、医療とか介護を充実させるっていうのはもちろん大事なんだけれども、それより大事なのは、自分たち自身が自分の健康管理、家族の健康管理をきちんとする、というところが一番重要かなと思っています。

いま私がやっている取り組みは、在宅医療を通じて、いま支えが必要な人たちに支えを提供するとともに、その、加藤さんがおっしゃった通り、医療と介護、保険だけで支えるのはちょっと難しんじゃないとおもっていて、志の高い人たちと集まって、そういう地域をつくっていくためのキーパーソンを育てたいと思っています。

そのために、今、在宅医療カレッジという取り組みをやって、実際、エキスパートの取り組みから自分たちが専門職として何ができるかというのを、保険の枠を超えて考えるとか。地域によってはケアカフェのような取り組みをさせていただいています。

蛇足ですが、私自身その、健康寿命をのばすための食生活の提案というのを、レストランをやってますけれども。自分自身も人生を楽しみながら、日本全体が幸せになっていく取り組みをできないかなぁと日々取り組んでいます。ありがとうございます。

介護の業界を見ていると、
すごく経営したくなるんです笑(下河原)

下河原 あのー私はですね。もともと介護とかぜんぜん関係のないところの業界から入ってきているので、経営者なんですね。えーと僕、介護の業界見てると、すごく経営したくなるんですよ(笑)。どうしてもなんか無駄が多いなと。

今年の4月ですか、財務省主計局さんが要介護度1、2を地域支援事業に移行しようという発表をしましたよね。僕は、あれね、実は、賛成なんです。なんでかってというと、うちのサ高銃で要介護1,2の人に対する介護サービスって何やってるかって改めて見直してみたら、まだまだご本人ができることを一生懸命とりあげちゃってるんですね。そういうサービスは消えてなくなってしまえと思いました。

でもですね、それだと、経営が苦しくなるっていう人たちがたくさんいると思うんですけど、僕はそれでいいと思うんです。だいたい社会保障費は待った無しですから、我々の次の世代にツケをまわしていくようなことは、間違いだと思って、最近は要介護1,2のサービスを減らすって作業をしています。

そうするとですね、経営がだんだん苦しくなってくるんですね。僕いま、銀木犀っていう高齢者住宅をやってるんですけど、そこから給料とってません。別の事業でしっかり利益出して、あのー、このままいければいいなと思ってるんですけど、そういうやせ我慢しててもしょうがないので、しっかり、利益を出せるような体質をつくるためにはどうすればいいのかっていうのを日々考えながら行動しているところでございます。高瀬 これからまたこういうことをやっていきたいとか、これからのことも伺えたら

加藤 実は今日、先生と下河原さんにお願いがあるんですけど。たまたま中央法規さんとかリクルートさんとかに映画会社の人が相談にいったら、うちに相談されちゃって。えーと、どうも映画をつくる話しになりそうなんです。

介護職員の成長を描いた映画で、かつ認知症もいま、その、ドラマとか雑でしょ、設定が。ひどいでしょ、認知症の扱いが。じゃなくて、ちゃんとなんの病気でこういう症状になっているんだっていうのがちゃんとわかるような、認知症サポーターとか受けなくてもわかるような映画にしてほしくってって話をしたら、ぜひやりたいっていってくれて。ワンダーラボラトリーさんという映画会社さんなんですけど、映画化をしようと。いま、藤沢市とも交渉しているんですね、場所を藤沢市にして、主人公が走ってるバックが江の島とか。そういう映画をつくろうよと思っているんですけども。

最後にテロップが流れるんですけど、そこで、実際にやってる小規模多機能さんのがんばってるところとかを写真と名前入りでだしていくってことをやっていきたくて、映画と現実をつなげるという取り組みをやっていきたくって。ぜひ、ぜひ、資金のほうをお願いしたい。

下河原 やっぱりそれか。

加藤 たぶん、オッケー出してくれると思うんですけど笑

下河原 ね。ね。佐々木さん。やっぱりその話かー。こういう話ってお金がつきまというよね。もちろん喜んで!

佐々木 がんばります。

全員 はははは

医療法人単体で成長するんじゃなくて、
地域と一緒に、地域の一部として成長していきたい(佐々木)

佐々木 えーとですね。いま、我々は悠翔会という組織で9か所の診療所を直営で、直営って言い方もおかしいかもしれないですけど、運営してるんですけれども。在宅医療って365日24時間患者さんの求めに応じるっていう義務があるんですね。

実はこれがけっこう、容易なハードルではなくて。2、3日ならだれでもやるし、一晩当直だったらがんばるんですけど、これがこの先ずっととなると、みんな嫌になっちゃう。私自身も、自分の在宅のクリニック立ち上げるときに最初5年半ひとりでやりましたけど、正直、精神的にだいぶ追い詰められましたし、身体的にも明日過労死してもおかしくないという感じで。

いまは、こういうところにこられるようになったのは、当直の先生置くようにしたんですね。当初、在宅のクリニックで、当直医に夜を任せるってうのは、ケアマネジャーさんから先生が見てくれるわけじゃないの?っていう、批判的な姿勢があって、正直苦しかったんですけど、ただ、ひとりの医者がずっと見続けるっていうのは物理的に不可能なんですね。

私自身は夜をほかの先生任せる日ができたことによって、こういう場でつながりができたし、いろいろ自分の仕事を別の目線からみることもできて、結果として、診療の質が高まったと思っています。

悠翔会は9この診療所があって、患者さんが2000人もいますから、いま、毎晩2人の当直の先生がクリニックに寝泊まりしてる。この先生たちの当直を、できれば一人で地域でがんばっている在宅医の先生にもサービスを提供したい。僕たちは最初、僕たちのクリニックが大きくなることを目指すんですけど、加藤さんのおっしゃる通り診療というのは地域を支える手段であって、目的としては何かっていうと、僕としては、看とれる地域をつくるっていうのが自分たちの使命だと。

そうすると、地域の患者さんが寝たきりになったら主治医を変えて僕たちのところに来なければいけないというのではなくて、見ててくれた先生が死ぬまでみてくれると、その代わり夜は僕たちがいくっていうのを、地域ごとに組めないかというのを模索をしていて、葛飾区はいま、医師会とそういう話をしていますし、実は、柏でもそういう話ができそうかなってなってきてます。

なので、我々はいままでは医療法人として単体として成長するというのはとりあえず行ってきましたが、今後は地域と一緒に、地域の一部として成長していくというのを目指していきたいと思っています。下河原 あのー、私はサービス付き高齢者向け住宅の運営を通じて、安心して人が死んでいける場所をつくっていきたいんですね。

とはいっても、ただ死ぬのを待つだけの家のするのはさみしいので、たとえば、いま藤沢ではいくつかの案件を進めているんですけど、サービス付き高齢者向け住宅と加藤ちゃんとこの小規模多機能が同じ敷地内にあったりしてね、一緒にコラボレーションしながら、小規模多機能で加藤ちゃんがずっと地域を守り続け、いよいよ家ではさすがに難しいんだよねってなったときに、サ高住で最期を迎えるみたいな、そういう連携ができないかっていうことで開発の申請を続けているところです。

西新井大師という銀木犀では、佐々木先生が御自ら診療に入っていただいているんですけど、先日もこんなことがあったんです。ある入居者が、認知症による摂食障害っていう診断で入ってきた方がいるんですけど、その方に先生は優しく、「何が食べたい」って優しく聞いたら、「お寿司食べたい」って、しかも、トロ。しょうゆたっぷりかけてっていう。認知症の摂食障害って診断されてる人が、最期おすし食べられるんですよね。その方はいよいよって状況なんですけれど。

やっぱり先生の診療って、愛があるよね。それ以外にもいろいろエピソードあるんですけど、そういう先生とね、連携を組みながら地域で安心して死んでいける、そんなインフラを整備していけるっていうのが、僕の近い将来の夢です。

(中略)

介護の仕事はお年寄りを元気にして、
活躍できる場、地域をデザインすること(加藤)

高瀬 どうしたらみなさんみたいになれるんでしょう?

加藤 たぶん、そもそも論だと思うんですね。そもそも介護の仕事ってなんだろうって話で、介護の仕事は1967年、老人保健法だったら養老所のお世話とか面倒みてあげること、2000年にはそういうことを一切書いてない。介護保険制度は。僕らの仕事は面倒をみちゃいけないわけです。

ってことはおじいちゃん、おばあちゃんができるようにするためのデザインをどうやってつくっていくかてことが仕事で。さらに、地域包括ケアって話がでているんだから、自立支援したお年寄りを地域でどうやって活躍できるかデザインするのが仕事なんですね。だから介護職員の仕事は、老人のお世話じゃなくて、地域のなかでじいちゃんばあちゃんが活躍する、地域をつくる、デザインすることなので、そうやって考えたらどんどん変わっていかなくてはならない。いまだに、お世話をしているってもったいないですよね。

世界中が、いま日本のことを見てますから、そのときに僕らが何をするかっていうのはすごく重要だと思うんです。当然、どうしても施設のなかに閉じこもりがちだし、なかのことばっかり考えがちだけど、医療・介護連携の話がでているなかで、アウトプットはなんなのかということなんです。危ないからねケガしないようにとか、寒いから風邪ひかないようにとか。

そういうことではなくて、健康になったものを地域のなかでもとの生活のなかでどうやって戻せるかっていうことを真剣に、アウトプットがゆあんと、クオリティオブライフとかクオリティオブデスにつながっているような医療・介護の連携にしないとなって、それははっきり思っているんで。

佐々木 そうですね。たぶん、私は医師という職種ですし、それぞれみなさん専門性があると思うんですけど、共通しているのは、自分のあたまで考えるってことなんじゃないかなと思います。

で、自分のあたまで考えて動けるようになるにはどうするかっていうと、自分の専門性をより深く磨いていかないとけないと思いますし、同時に自分以外の人たちがどういう専門性を持って、そういう人たちがどこにいて、どういうふうに関わってるのかっていうことがわからないと、やっぱり、地域のなかで応用がきかないと思うんですね。

マニュアルにしたがって仕事をするっていうのは、そのなかでやりがいがあるかもしれないけど、時間を切り売りしているような仕事じゃなくて、自分のあたまで考えて自分で動けるようになると、仕事のためにものごとをってなってくと思うので。

そうすると仕事そのものが違うかたちで自分の人生のなかに入ってくると思いますし、その結果、仕事に対して責任をもたなきゃって気持ちが変わってくると思います。働き方って人それぞれで強制するものではないともちろんないです。

介護がスターダムにのしあがる。
そういう気持ちで業界づくりができる若い世代に来てほしい(下河原)

下河原 僕は介護士の仕事の領域っていうのを、誰が、食事介助とかおトイレの下の世話って誰が決めたんだって思うんですね。

定期巡回随時対応事業をはじめようと思ってるんですけど、介護の仕事で無限なわけなんですよ。いろんなことできるし、むしろ介護士が業界の中心人物になっていかなきゃいけない。いままでは、なんか、ヒエラルキー的にお医者さんが決めたことを看護師のほうから流れてきて、それを介護士がやんなきゃいけないみたいなそういう流れがあったような感じがするんですよ。

でもこれからは、介護士がお医者さんをアゴで使う時代ですよ。介護士が看取りまでやればいいんですよ。そのくらいの気持ちで介護がスターダムにのしあがるような、そういう気持ちで業界づくりをやっていくような若いやつは全部、うちの会社で雇用しますので。いらっしゃっていただければ笑。

高瀬 勇気づけられました、パワーもらえました。ありがとうござました。

【写真: 近藤 浩紀(提供 kaigoカフェ)】

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