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新聞やテレビで、いかに超高齢社会の話題が取り上げられたとしても、身近に高齢者がいない生活を送る人々、とりわけ都会で一人暮らしをして、平日の朝から晩まで忙しく働く若者たちにとって、それらはなかなか実感の持てない話なのかもしれません。

そんな若者たちと高齢者を結びつける団体、「ドットファイブトーキョー」をご存じですか? 双方を媒介するのは「ボランティア」。といっても、肩肘張った取り組みではなく、仕事のない週末などに気軽に参加できるというものです。

同団体が企画するプログラムはどれも楽しそう。例えば、高齢者施設等で暮らす方々の外出をサポートする「みんなでピクニック」や、施設での名作映画鑑賞会、お化粧とおしゃべりを楽しむ「エステプログラム」など。

しかも、その雰囲気がとても大らかなのも特徴的です。必ずしも継続して参加する必要がなく、「気になるプログラムがあって、時間が空いたときに」参加したらいいというもの。さらに、例えば「エステプログラム」に参加するボランティアには必ずしも化粧の技術が必要なわけではなく、おしゃべりに徹する盛り上げ役も大歓迎なのだそう。のんびりリラックスした空気の中、久しぶりのお化粧で華やかになったシニアには笑顔があふれ、歌い出す人もいるほど楽しい時間になるのだとか。

普段は介護に縁のない仕事に勤しむ若者たちの参加は、現場に新しい価値観をもたらしてくれるでしょう。そして、彼らにとっても社会的な問題を「自分ごと」としてとらえるチャンスとなるはず。一人ひとりが自分のできる範囲で少しずつ介護にかかわる新たなカタチ。これは、今後の日本に必要なスタイルのひとつとなるのではないでしょうか?
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文: 高木沙織(verb)
イラスト: 株式会社コットンズ
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