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2015.08.20 UP

学んだ成果を、地域や子どもたちに還元! 生涯学習がシニアの役割づくりを後押し

老人大学、長寿大学、シルバー大学など、さまざまな名称がある高齢者大学校。自治体やNPO法人が運営する生涯学習の場として、全国各地に存在していますが、その学びのスタイルが大きく変わってきているようです。

従来の高齢者大学校のイメージと言えば、地域の歴史を学んだり、陶芸、ゲートボール、カラオケなど、趣味的な活動を通じて、高齢者同士の親睦を深めるカルチャースクールに近いイメージではないでしょうか?

しかし、高齢者の生きがいの多様化や社会環境の変化を受け、パソコンなどいまの生活に欠かせないスキルを身につけたり、学習の成果をボランティア活動に生かすなど、地域貢献や多世代との交流を推進している高齢者大学校が増えている様子。

例えば、神戸市シルバーカレッジでは、フィールドワークを中心としたグループ学習を積極的に実施。地域児童の学習支援や登下校の見守り、里山の保全、公園の美化など、地域との交流を図るボランティア活動も学習体系に組み込んでおり、卒業後もなんらかの社会貢献に取り組んでいる高齢者が少なくないといいます(※)。

東京都港区では、明治学院大学と連携してチャレンジコミュニティ大学を開校。これまでの経験や知識を生かして、地域活動のリーダーとなってもらうことを最大の目的に、区の仕組みや行政課題、社会福祉などを学ぶプログラムを用意しています。修了後は、自主的な運営組織であるチャレンジコミュニティ・クラブを通じて、さまざまな活動に関わっていくそう。

知的探求心を満たすのはもちろん、地域の中での役割を見つけ、新たな社会参加の一歩を踏み出すきっかけとなる高齢者大学校。高齢者たちのパワーに、ますます期待が高まりますね!

※ 生涯学習研究e事典「藤原博史『高齢者大学における協調学習の有用性』」を参照

【文: 成田敏史(verb) イラスト: 株式会社コットンズ】

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