対談
「今月のヘルプな人」第8回(前編)/日本の介護をテーマにした漫画『ヘルプマン!!』(『週刊朝日』にて連載中)の作者・くさか里樹さんが、さまざまなジャンルの“ヘルプな人”と対談するコーナー。第8回のゲストは、プロブロガーのイケダハヤトさんです。東京から高知へ移住(!)をしてしまったイケダさんと、高知がホームグラウンドであるくさか先生…ということで、初の出張対談が実現! ディープな高知ネタから介護の未来を占う熱いトークに注目です!(対談の模様は、2回にわたりお届けします)

自由でおおらかで、地方が面白い!

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イケダさんは東京から高知へ移住されたわけですけど、
なぜ、高知に?
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リアルに東京がつらくなっちゃったんですよね。
家賃も高いし、子育てするのも結構つらくて。
それに住んでいてつまらなくなっちゃった。
東京から学ぶことも、もうそんなにないかななんて、
僕自信過剰だから、エラそうに思ってしまって(笑)。
で、地方の方が面白い、と。
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どんなところが面白いと思ったんです?
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地方って、社会的課題が先鋭化しているじゃないですか。
高知なんかだと、人口も少なくて、仕事も全国最下位で、
共働き率が高くて、医療費も高いみたいな。

でも、外から見ると課題なんだけど、
中に入って関わってみると、課題を課題としていないというか、
ある種のソリューションが生まれていて。
コミュニティでなんとかなってるってところがすごく面白いなと。
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ふんふん。
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しかも、発想が自由っていうか、おおらかっていうか。
例えば、高知に「おきゃく」っていうお祭りがあって、
アーケード商店街に畳とこたつ並べて飲みまくるとか(笑)。

あとは、山の方に行くとですね、
個人で祭り作っている人が結構ふつうにいたり。
小松さんが創始者の「こまっちゃん祭り」とか、夫婦でやってる「桜祭り」とか。
その発想はなかったなって(笑)。
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ははは。
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有名なところでは、沢田マンションって、
高知の九龍城って呼ばれているけど、
5階建てくらいのでっかいマンションを自作しちゃったり。
建築基準法的にはきっとNGなんでしょうけど…(笑)。
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認知症の高齢者が教える大学?!

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ところで僕、
お会いする前から『ヘルプマン!』読ませていただいていて。
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ありがとうございます。
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結構衝撃を受けました。
平気だと思っていた親が、突然認知症になってしまったり、
誰にとっても他人事ではないですし。
漫画を読むと当事者意識が芽生えてきて、
うちの妻が深刻な顔して「ちょっとどうしよう」って。
でも具体的に何をすればいいかって、そこは宿題として残っていますが。
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なかなか、実際にそうなるまで手を打たないところですよね。
さわりたくない、手をだしたくないから目をつぶってしまう。
でも専門家に認知症の話を聞くと面白いですよ~。
知れば知るほどお得で、恐怖心もなくなるんだけどな。
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確かに、知ることで価値観変わるはずですよね。
こちらに来てすごく面白いなと思ったのが、
本山町って地域でやっている「長老大学」っていうプロジェクトなんです。
代表は、もともとヘルパーとかをやっていた方で、
認知症のおじいちゃん、おばあちゃんが
若い人たちにいろんなことを教えられるんじゃないかって考えて。
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へえ~。
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要するに民俗学でいう、聞き書きなんですけど、
地元の昔の話とか、農家の方なら農業の話をしてもらうんです。
そしたらすごくいいことをがんがん言うんですよ。
僕らにない知識を、彼らはやっぱり持ってるんで、
めちゃくちゃ参考になるんです。
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始めた人すごいですね。まさにヘルプマン!
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面白いですよね。
僕もふつうにお金払って受講しに行きたいですし、
ケアを提供する中で、自分が学ぶ、教えてもらうっていう
関係性に変わっていくんですよね。
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そうそう!
介護を知らない人からすると、
介護をする側、される側っていう見方をしちゃうけど、
実際は逆だったりするんですよ。
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そういう取り組みがどんどん増えてくると、
介護に対する見方が変わっていきそうですね。

東京で消耗している場合じゃない!

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僕が東京を出たのは、結局そういうことなんです。
東京にいると日中の時間は仕事に占有されてしまって、
周りに認知症の人たちがいたとしても関わる機会がない。
でも田舎って人間関係が密だから、懇親会なんかに行くと、
ナチュラルに認知症の方がいたりするんです。
で、後から認知症だって聞いて、あ、そうなんだって。
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何か気付きがあったんですね。
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僕は移住者で、移住の促進をやりたいのは
そういうところなんです。
週末だけでもいいから東京から来てもらって、
おじいちゃんおばあちゃんとお酒飲んで、楽しんで、
後で認知症だって知るみたいな。
その経験があるか否かで価値観が変わってくるはず。
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うんうん。
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「長老大学」をやったのも移住者なんですよ。
コミュニティが豊かだから
いろいろなことができる。
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地方だからできた、と。
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東京だと医療にしても介護にしても話が大きすぎて、
個人が関わるには相当本気ださないと難しいけど、
それが、こっちだとサイズが小さいから、
自分が関わる余地を作りやすいと思う。
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ひとりの存在感が大きいですよね。
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高知県知事が73万人のトップって考えると、
世田谷区とそれほど変わらないんですよ。
人口が少ないんで、ネットワークが近いですし、
一度来て人とつながればすぐに話が進む。
言えば、知事がすぐ「わかった」って話をしてくれる。
そんな距離感って東京じゃ絶対あり得ない。
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確かに距離近いです(笑)。
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だから、そこにいろんなアイデアを持ってる人が入り込んできたら、
もっと面白いことができるはずなんです。
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県もそれを狙ってるんですよ。
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それに、地方の課題ってだいたい共通しているので、
ここでしっかりソリューションを作れれば、
スケールアウトできるんじゃないかってことを、
まじめに思っていて。
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イケダさん自身が
やってみたいことってあります?
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いろいろありますけど、高知は空き家の問題が大きくて、
全国でも上位なんですね。
修繕すれば住めたりするんですけど、放置状態なんで。

一方で東京は家賃高すぎじゃないですか。
健全じゃないので、住宅に困窮している若い世代を呼び寄せて、
空き家を改修して住まわせてあげる。
そういう空き家の活用をやりたいですね。
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じじばばも一緒に住む、
シェアハウスなんていうのもありですね!
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ええ。
地方から新しいソリューションが生まれるのは明らかなんで。
東京で消耗してちゃダメですよ(笑)!


(続く/対談の後編は、4月下旬に公開予定)

★くさか里樹のつぶやき★

初の地方ロケ…が高知県とは!元気ですよ〜、高知のじじばば!ていうか、本人じじばばって思ってない、と、イケハヤさん。ヘルプマン的あたりまえ視点と独自の角度で人と社会を見つめるイケハヤさんはかっちょいい!
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文: 編集部
写真: 飯島 裕
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