対談
「今月のヘルプな人」第6回(後編)/『週刊朝日』(朝日新聞出版)で連載している、日本の介護をテーマにした漫画『ヘルプマン!!』の作者・くさか里樹さんが、さまざまなジャンルの“ヘルプな人”と対談するコーナー。前編に続いて、放送作家・脚本家の小山薫堂さんとの対談をお届けします。「介護業界には、もっとスポットライトが当たるべき!」と話す小山さん。アイデアを聞くと「う〜ん」と腕組みをしながら、飛び出した企画はなんと4つ! 実現すれば、介護する側もされる側も、みんなハッピーになれるかも!

“あえて頼る”介護で
お年寄りに笑顔が生まれる

kusaka_2
小山さんの温かい人柄と、優しい語り口を聞いていると、
お年寄りに育てられた人は、つくづく優しいなぁと思うんですよ。
保育園が足りないなら、退職したお年寄りが
子どもをお世話する施設を作ればいいのに!
koyama_2
同感です。
先日、過疎化した村に引っ越した若いご夫婦を取材したんですけど
その夫婦の子どもが、「村の孫」みたいになっているんですよ(笑)。
kusaka_3
すてき!
koyama_1
その子どもが風邪をひいたら、村中大騒ぎです。
みんなに世話されて、風邪が治ったら、一同で喜んでいる(笑)。
そう考えると、村がそのまま保育園機能を持つというのも面白いかも!
kusaka_2
実際に、ユニークな介護施設は増えているんですよ。
農家に介護施設の機能をプラスした「ケアファーム」や
銭湯にデイサービスの機能を加えた「デイ銭湯」なんて施設も!
koyama_3
何かと何かを組み合わせて、新しい価値を作り出している。
僕がプロデュースするときに大切にしている
「和える」という考え方と同じです。
kusaka_2
小山さんだったら、介護業界にどんなサービスがあったらいいと思いますか?
koyama_3
僕はね、「おじいちゃんタクシー」があるといいなと思うんです。
ドライブ好きのおじいちゃんが、車に統一のステッカーなんかを貼って
自家用車を走らせるわけですよ。
趣味で車を走らせているだけなんで、もちろんお金は取りません(笑)。
kusaka_3
ヒッチハイクと近いんですかね?
koyama_1
そうです、そうです。
いま、地元・天草の観光アドバイザーをしているんですけど
僕は天草を「日本一ヒッチハイクしやすい町」にしたいんです。
利用する側は移動に使えて便利なのはもちろん、
おじいちゃんたちにとっても、楽しい時間になるんじゃないかな。
kusaka_2
誰かを乗せる喜びって、ありますよね。
koyama_2
僕は、人は誰かの役に立ったときに、本当に喜ぶと思っていて。
お年寄りだから、施しをしなくては!と決めつけるのではなく
“あえて頼って笑顔にする”という、介護の仕方もあると思うんです。
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介護する側もうれしい
商品アイデアを公募!

koyama_2
…あ!!
もうひとつ新しいアイデア、浮かびました。
kusaka_2
なんですか?
koyama_3
「ヘルプマン・デザインアワード」を
開催してみたらいかがでしょう?
kusaka_3
なんか、すごくおしゃれなイベントっぽい!
koyama_1
介護商品って、もう少しお世話をする側の楽しみを考えた
商品があっても、いいのかなぁと思って。
例えば、車椅子だったら、ハンドル部分に万歩計をつける!とか。
介護をするのが楽しくなるようなアイデアを募るんです。
kusaka_2
めちゃめちゃ面白そうな予感!
koyama_2
それで、ケア商品の会社に協賛してもらい
商品化に名乗り出てもらうんです。
kusaka_3
オムツでもできそうですよね?
テープをはがしたら、労いのメッセージが書いてあるとか。
koyama_1
それ、いいですね〜!

お年寄りフェスで、
新たな趣味を発見?!

kusaka_2
もうひとつお聞きしたいことが。
どんな人が介護の場にいたらいいと思いますか?
koyama_1
お年寄りに新しい趣味を与えられる人、ですかね。
打ち込める『何か』に出合うことは、幸せなことだと思うから。
「この介護士さんと出会ったから、70歳でカメラ始めました!」
なんて人が増えたらいいなぁ。
kusaka_3
確かに、夢中になれる趣味がある人の方がイキイキしてます!
koyama_3
あ! 企画アイデア第三弾が浮かびました。
介護士とおじいちゃん、おばあちゃんが
一緒に行ける「フェス」があったら面白くないですか?
kusaka_2
「フェス」って、あの音楽を聴く?
koyama_2
おじいちゃん、おばあちゃんに
新しい趣味を見つけてもらうための「フェス」です。
企業がブースを出展して、例えばカメラのメーカーだったら
「写真ってこんなに簡単に撮れるんですよ!」って
デモンストレーションするんです。
kusaka_3
新しい趣味が見つかる可能性大!
koyama_1
すご~く前向きなオレオレ詐欺です(笑)。
kusaka_2
でも売る側はもちろん、買う側も
新たな趣味発見につながるし、みんなハッピーですねぇ。
koyama_3
打ち込めるモノを増やすという意味では、
じじばば世代だけのお店を作るのもアリかも。
…あ! コーヒーショップ「スタばぁー」をやってみたいです。
kusaka_3
あはははははは(ツボに入る)。
koyama_2
これ、スターバックスが本気でやらないと面白くないですけどね。
あのロゴマークの人魚もおばあちゃんにして、カップも軽量化。
kusaka_2
エプロンの色は赤とか!?
koyama_1
ノリノリじゃないですか(笑)。

笑って泣ける、介護バラエティ番組を
作ってほしい!

▲取材の最後に、くさかさんから小山さんへ、似顔絵入りの色紙をプレゼントしました! 早速、おしゃれなオフィスの本棚に飾ってくれた、優しい小山さん
koyama_1
昔、『料理の鉄人』という番組を作ったんですが、
あの番組をきっかけに、
料理人が社会で認められるようになったと実感していて。
結果、料理人に憧れる若手がたくさん生まれたんですよ!
kusaka_2
確かに、あそこまで料理人に
クローズアップしている番組はなかったですもんね。
koyama_3
僕はね、メディアに携わる者の責任として
世の中のどこに光を当てるべきかというのはとても考えます。
介護にはもっとスポットライトが当たるべき。
そうしたら、介護職に就きたい若者が増えるかもしれないですし。
kusaka_3
いまのお話の流れ的に、番組を作ってくださるんじゃ!?
って期待しちゃうんですけど(笑)。
私ね、介護のバラエティ番組を作ってほしいんです。
介護施設には、面白い人がい~~~っぱいいますから!
koyama_2
いいかもしれないですねぇ…、
ちょっと本気で考えてみます!
kusaka_2
ぜひ、お願いします〜。
今日はいろいろなアイデアに触れて、すごく楽しかったです!
早く「スタばぁー」にもお茶しに行きたいなぁ(笑)。

★くさか里樹のつぶやき★

「おっしゃることがですね、介護現場のヘルプマンにいちいち当てはまるんですよ。やっ
ぱり、間違いなく、介護はクリエーティブなお仕事です!!」(くさか里樹)
[
文: 平田桃子(verb)
写真: ヤマグチタカヒロ
]
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