対談
「今月のヘルプな人」第6回(前編)/日本の介護をテーマにした漫画『ヘルプマン!』(講談社)※の作者・くさか里樹さんが、さまざまなジャンルの“ヘルプな人”と対談するコーナー。第6回のゲストは、放送作家・脚本家の小山薫堂さんです。熊本県のPRキャラクター「くまモン」をはじめ、アイデアあふれる企画によって、次々と“ヒット”を導く小山さん。そんな希代のアイデアマンが、シニアに代わる名称として「グランドジェネレーション(G・G)」という呼び名を提案。G・Gに込めた思いから、カフェを立ち上げたというパワフルなご両親のお話まで、話は尽きません!(対談の模様は、1月・2月の2回にわたりお届けします) ※現在は週刊誌『週刊朝日』(朝日新聞出版)に発表の場を移し、「ヘルプマン!!」の新タイトルで連載中

「G・G」という言葉があれば
安心して年をとれると思った

kusaka_3
イオンのCMで「グランドジェネレーション」(以下、G・G)
という言葉を初めて知ったとき、うまいこと言うな〜と。
koyama_1
ありがとうございます。
kusaka_2
そもそも「シニア」に代わる新しい呼び名を
作ろうと思ったきっかけは、何だったんですか?
koyama_2
作曲家の松任谷正隆さんの還暦パーティに携わった際
「この人に『シニア』という言葉は似合わない!」と違和感を感じて。
彼のように、センスや知識、経験が豊富な団塊の世代に対して
新しい呼び名をつけてみたくなったんです(笑)。
kusaka_3
「グランド」という言葉は、すぐに思い付いたんですか?
koyama_3
割とすぐ浮かびましたね。
「グランド」には「尊大な」「最高位の」という意味があるので
「最も偉大なる世代」=「グランドジェネーション」で決まりだろうと。
この言葉があれば、自分も安心して年をとれると思いました(笑)。
kusaka_2
安心して年をとれる?
koyama_2
若いころから、人生の先に待っている言葉が
「シニア」だと少し寂しいなぁと思っていたんです(笑)。
kusaka_3
時代をつくるクリエイターが、若いころから
老後を考えていたとは! ちょっと意外です(笑)。
koyama_3
僕は両親が共働きだったので、おじいちゃん、おばあちゃん世代の
ベビーシッターさんに育ててもらったんですが、だからかな?
「自分が年をとったらどうなるんだろう?」と
いうことを常に意識してきた節がありまして。
kusaka_2
へぇ~。
koyama_1
大学1年生のときには『鳩よ!』という詩の雑誌に
お年寄りを題材にした作品を投稿したこともあるんですよ。
タイトルは「渋谷讃歌」で、“渋谷がお年寄りの街になればいいのに”
という内容だったと思います。…恥ずかしいなぁ。
kusaka_3
その詩は、雑誌に掲載されたんですか?
koyama_2
落選してしまいました。
ただ、いま思えば、あの詩は、
僕の執筆活動の第一歩だったのかも(笑)。
もっと読む

両親がカフェサロンをオープン!
現代のシルバー層は、好奇心旺盛

kusaka_2
小山さんの周りのG・Gは、どんな人が多いですか?
koyama_1
好奇心旺盛でパワフル。
熊本の天草にいる両親なんて、2013年に経営していた美容室を廃業したと思いきや
地元のお年寄りが集まる場として、新たにカフェをオープンしましたからね。
その名も「メイドカフェ」ならぬ「冥土サロン」(笑)。
kusaka_3
うひょー! 洒落が利いてて面白い~(笑)!
「冥土サロン」のネーミングも、小山さんが発案者?
koyama_2
僕はノータッチです。
天草のじじばばたちであーだこーだ話し合って
運営しているみたいです(笑)。
kusaka_2
私の知り合いのお年寄りたちも、本当に好奇心旺盛。
先日訪問した介護施設に、83歳のケアマネジャーさんがいて。
「いつ資格を取ったんですか?」って聞いたら、「最近取ったのよ」って。
思わず、拝みたくなっちゃった(笑)。
koyama_1
僕も年齢を言い訳にせず、日々を前向きに楽しんでいる
両親を見ていると、頭が下がります(笑)。

介護を受ける世代にも
新たな呼び名をつけてほしい!

kusaka_3
私も先ほどから自然と、G・Gと言っていますが…。
呼び名を少し変えるだけで、シニア世代のイメージが
ポジティブになるから不思議!
koyama_3
今日は褒めていただいてばかりで(笑)。
kusaka_2
そこでお願いなんですけど…。
koyama_1
なんですか?
kusaka_3
G・Gのようなプラスのイメージが湧く呼び名って
介護を受ける世代にも、あったらいいなと。
彼らの気持ちが前向きになるような呼び名を
ぜひ、小山さんに作っていただきたいです!!
koyama_2
実は、僕も前々から介護を受ける世代に向けて
何か発信はしていきたいと思っていて。
若い人たちが介護をすることを、より前向きに捉える
社会にしておきたいんです。自分の老後のためにも(笑)。
kusaka_2
それが原動力というのが、一番健全ですよ(笑)。
小山さんの新しい企画、楽しみにしています!

これからの日本を豊かにするのは
おじいちゃん、おばあちゃん!

▲小山さんからHELPMAN JAPANに「くまモン」のイラスト入りサインをいただきました。
悩んだ末に吹き出し入れた言葉は、「甘えちゃダメだモン!」
koyama_1
僕は、いつも企画を考えるとき
新しい市場が生まれたらいいなと思っているんです。
今回G・Gの考え方を提案したのは、
超高齢社会の到来を憂うばかりじゃなくて、
その世代の消費を促すアイデアが必要だと思ったのもあって。
kusaka_3
「自分の老後」以外の目的が、あったんじゃないですか(笑)。
koyama_2
ハハハ(笑)。
やっぱり、社会の豊かさって「上質な無駄遣い」をしたときに
生まれると思うんですよ。
kusaka_2
無駄遣いかぁ…。日本人は貯めるのは上手だけど、
使うのは下手だといわれていますよね。
koyama_3
そのとおりです。
でも、いままで頑張って働いてきたG・Gたちが
上手に散財することで、お金が動いて町自体が元気になる。
もういっそ、法律を作ったらいいのに。
kusaka_3
「お金を使わなければ、貯金は没収します!」みたいな(笑)?
koyama_2
いいですねぇ! それは冗談として(笑)
僕は、これからの日本を豊かにするのは
間違いなくおじいちゃん、おばあちゃん世代だと思っています。


(続く/対談の後編は、2月26日に公開予定)

★くさか里樹のつぶやき★

「超一流のクリエイターのすごさを肌身で感じてシビレました! なのにまあるいんです!
えばってないんです! その楽しいアイデアは、日本全土のヘルプマンです!」(くさか里樹)
[
文: 平田桃子(verb)
写真: ヤマグチタカヒロ
]
こんな記事もおすすめ!
対談
お年寄りに新しい趣味を与えられる 介護スタッフが必要
放送作家/脚本家 小山薫堂さん
×
漫画家 くさか里樹さん
更新日:2年前
VIEW4,914
対談
世の中で一番大切なのは食べること 国も世代もつなぐ料理の魅力とは?
料理研究家 コウケンテツさん
×
漫画家 くさか里樹さん
更新日:2年前
VIEW3,268
対談
プロレスと介護のつながりは 心・技・体を使って喜びを与えること
プロレスラー 丸藤正道さん
×
漫画家 くさか里樹さん
更新日:2年前
VIEW3,825
対談
プロレスラーほど 介護職に向いている人間はいない!?
プロレスラー 丸藤正道さん
×
漫画家 くさか里樹さん
更新日:2年前
VIEW4,785
対談
私は“ばばちゃん子” じいちゃん ばあちゃんとの壁は感じません!
タレント 佐藤唯さん
×
漫画家 くさか里樹さん
更新日:2年前
VIEW5,478
対談
学ぶことが多いし、笑顔もたくさん 介護の世界って楽しそう!
タレント 佐藤唯さん
×
漫画家 くさか里樹さん
更新日:2年前
VIEW3,617
漫画ヘルプマン!
たかが、おむつに振り回されるのはやめよう。どうだ?普通のパンツは
週刊朝日 漫画「ヘルプマン!!」
vol.5 排泄編
更新日:11ヶ月前
VIEW1,808
対談
『ヘルプマン!』を映画化!? 誰もが高齢者に関心があるんです
映画監督  フェリックス・ ハーングレンさん
×
漫画家 くさか里樹さん      
更新日:2年前
VIEW4,213