対談
「今月のヘルプな人」第5回(後編)/日本の介護をテーマにした漫画『ヘルプマン!』(講談社)の作者・くさか里樹さんが、さまざまなジャンルの“ヘルプな人”と対談するコーナー。前編に続いて、映画「100歳の華麗なる冒険」のフェリックス・ハーングレン監督との対談をお届けします。日本では介護職をめざす若者が増えているという話に驚くハーングレン監督は、『ヘルプマン!』の映画化をくさかさんに提案!?  老いてなお元気に生きる人々の姿を描くクリエーター2人のトークは、ますます盛り上がります!

人生経験が豊かな高齢者は
未来と向き合うヒントもたくさん持っている

画像/試写会が行われた劇場内での対談の様子。くさかさんと監督のヘルプマン・トークで盛り上がりました!
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監督は、アランの存在とその生き方を知っているだけで
より幸せな人生を過ごせるとおっしゃっていましたけど、
今回の映画に監督が込められたメッセージや、大切にしたものを聞かせてください。
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そうですね。私の母国・スウェーデンでは、
若い人に重きが置かれているというか、
シニアがリスペクトされていないという状況があって。
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えっ? 福祉大国と言われているのに?
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ヨーロッパの他の国と同じように、
若者社会というか、新しいものがよいとされる傾向があるんです。
残念なことではありますが…。
ただし、寡黙で声高に自分の思っていることを口に出さないシニアでも、
皆さん、素晴らしい物語を持っていますよね。
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そうですね。
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ですから、この映画をきっかけにして、
シニアの方々がどんなことを考えていたり、
経験したりしてきたのかということを、
ぜひ直接聞いてみてほしいと思っています。
シリアスな内容じゃなくて、楽しかったり、クレイジーな話でもいいし。
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わかります!
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さまざまな経験を重ねていれば、それだけ人生は豊かになる。
シニアは未来との向き合い方のヒントもたくさん持っているんですから。
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介護職をめざしている若者が増えている?
ファンタスティックですね!

画像/「100歳の華麗なる冒険」のメイキングシーンより
(C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
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日本も若者中心の社会で、
高齢者がないがしろにされているという状況があります。
その一方で、介護職をめざす若い人も増えているんですよ。
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そうなんですか。
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自分たちが面倒を“見てあげよう”と思っていたのに、
じいちゃんばあちゃんの奥行きのある人生に触れることで、
幸せって何か、人生って何かってことを教えられているんです。
それですっかりハートをつかまれて、
介護にハマっていくという現象が起きているんです。
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それはファンタスティックです!
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だから、私が『ヘルプマン!』で伝えたかったことも、
監督がおっしゃっていることと同じなんです。
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そう言ってもらえるとうれしいです。

みんな、ホントは
高齢者に関心があるんです

画像/くさか先生のお気に入りという「100歳の華麗なる冒険」のワンシーン
(C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
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クサカ先生のマンガは、
どんな年齢の読者が多いんですか?
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えっ? なんだか私のマンガのことばかり
聞いてもらって申し訳ない…。
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いえいえ、もっとたくさん聞きたいくらいです!
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連載している雑誌『イブニング』(講談社)は
30~40代の男性が読者層なんです。
それで、高齢者のことに関心はないかなと思って連載を始めたら、
小学生から80代の高齢者まで、
いろんな方から関心が寄せられてびっくりしましたね。
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それはすごい!
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監督の映画はどうでしたか? 本国での反響は。
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実はクサカ先生とまったく一緒です。
幅広い年齢層から反響がありました。
高齢者もいるし、下は8歳くらいの子どももいるし。
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みんな、ホントは高齢者に関心があるんですよね。
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そうだと思います。
『ヘルプマン!』は映画化しないんですか?
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えっ…、してほしいですね(笑)。
ただ、日本ではこんなに高齢化が進んでいるのに、
メディアで面白おかしく高齢者を描くことに躊躇があるというか。
触ってはいけないもののように扱われていると感じることがあって。
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なるほど。
映画向きだと思いますから、ぜひ挑戦してほしいです。
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ありがとうございます(笑)。

自分が高齢者施設を作るなら
友人と一緒にいられるところがいい

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ところで、監督は自分が高齢者施設を作るとか、
自分が介護される立場になったとしたら、
どんな施設だったら面白いと思います?
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それはもちろん、友人と一緒にいられるところです。
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おっ、即答!
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(笑)。
僕がいままでに出会った友人たち、
そこで新しく出会う友人でもいいけれど、
人生に価値を与えてくれるのは自分の周りにいる人々だと思うんです。
だから、ファンシーな施設じゃなくてもいい。
よいスタッフと、1人でも気の合う友人がいたら十分ですね。
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私も同感です!
そろそろ時間が来てしまったんですけど、
監督、今度はスウェーデンでお会いしたいですね。
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ぜひ! 私の家にご招待しますよ。
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やった! 本日はありがとうございました!
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こちらこそありがとうございました。
画像/対談の最後に、くさか先生からハーングレン監督へ、似顔絵入りの色紙をプレゼントしました! 「ファンタスティック! 自宅の壁に飾りますよ!」とハーングレン監督

★くさか里樹のつぶやき★

「生活スタイルや文化的なギャップもあるし、監督と話がかみ合うかな? しかも通訳さんを介しているし…。そんな心配をしていたけど、お会いした瞬間に心配は吹っ飛びました! 人は万国みんな同じって教えてもらいましたね!」(くさか里樹)
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★「100歳の華麗なる冒険」
2014年11月8日(土)、新宿ピカデリー他全国ロードショー

【監督】フェリックス・ハーングレン 【脚本】フェリックス・ハーングレン、ハンス・インゲマンソン 【原作】ヨナス・ヨナソン 【キャスト】ロバート・グスタフソン、イヴァル・ヴィクランデル、ダヴィド・ヴィバーグ 【後援】スウェーデン大使館 【提供】KADOKAWA、ロングライド 【配給】ロングライド 【宣伝】クラシック 
(C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved 
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文: 成田敏史(verb)
写真: 片桐圭
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