対談
「今月のヘルプな人」第5回(前編)/日本の介護をテーマにした漫画『ヘルプマン!』(講談社)の作者・くさか里樹さんが、さまざまなジャンルの“ヘルプな人”と対談するコーナー。第5回のゲストは、11月8日から公開される映画「100歳の華麗なる冒険」の監督、フェリックス・ハーングレンさんです。世界40カ国で翻訳され、800万部を超える大ベストセラーを映画化した本作は、100歳の誕生日を迎えた主人公・アランが、老人ホームを飛び出して大冒険を始めるという痛快なお話。ハーングレン監督は、好奇心を持って毎日を過ごしている主人公の生き方を知ることで、より幸せな人生を過ごすことができると語ります。『ヘルプマン!』にも興味津々な監督との対談をお楽しみください!(対談の模様は、10月・11月の2回にわたりお届けします)

100歳の主人公に興味を惹かれたし、
年齢を重ねることはよいことだと考えていた

画像/「100歳の華麗なる冒険」のワンシーン。映画の冒頭、老人ホームの窓から脱走する主人公のアラン (C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
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映画、とにかく面白かったです!
100歳の主人公・アランが老人ホームの窓から脱走して、
いろんな人を巻き込みながら大冒険を始めるというストーリーも痛快だし、
ただのじいさんかと思いきや、実は爆弾のスペシャリストで、
20世紀に起こった歴史的な重大事件に絡んでいたことが次々と明らかになって。
ホンモノの象まで登場するからビックリしたけれど(笑)、
奇想天外なのにとてもリアリティがあって引き込まれました。
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ありがとうございます。
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映画の冒頭で、100歳の誕生日を迎えたアランが
老人ホームの窓から脱走しますよね?
あのシーンは、「じいちゃんばあちゃんは枯れていて当然」みたいな
世間の常識を見事に裏切ってくれたというか。
「いくつになっても自分の思うように生きられるんだ!」という
メッセージが込められていると感じました。
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そう言ってもらえるとうれしいです。
原作を読んだとき、主人公が100歳だというところに興味を惹かれたし、
年齢を重ねることはよいことだと私も考えていたんです。
その想いが、この映画に携わったことでより強いものになりましたね。
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アランのような生き方を知っていれば
より幸せな人生を過ごすことができる

画像/「100歳の華麗なる冒険」のワンシーン。老人ホームを抜け出し、駅に辿りついたアランは、ひょんなことから闇資金入りのスーツケースを入手する。そこからアランの大冒険が始まる (C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
画像/「100歳の華麗なる冒険」のメイキングシーンより。モニターチェックをするハーングレン監督(中央) (C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
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アランって自分の過去を憂えたり、
後悔したりしていませんよね。
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うんうん。
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自分の老いですら意に介さずに、
子どものように好奇心旺盛で、気ままに毎日を生きる。
そんな彼の生き方って、とてもよいものに見えませんか?
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私もそう思ってました!
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映画製作では、天候のことや制作費のことなど、
いろんなトラブルが日々起こりますが、
そのときに、アランの存在は私の助けとなったんです。
彼のような生き方を知っているだけで、
より幸せな人生を過ごせるんですよね。

リアリティを追求するために
YouTubeをチェック!?

画像/映画の試写会が行われた劇場内でセッティングされた対談。監督の気さくな人柄が印象的でした
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映画は老人ホームのシーンから始まりますけど、
映画を作る上で、実際の施設に見学に行ったりしたんですか?
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もちろんです。
自分のおじいちゃんやおばあちゃんも
余生は老人ホームで過ごしていたので、ご縁はありましたし。
今回、舞台となった老人ホームも、
もともと老人ホームとして使われていたところです。
アラン役のロバート(・グスタフソン)とも
実際の施設に見学に行きました。
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そうなんですか。
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100歳の方は周りにいなかったので、
YouTubeでチェックしたりして、リアリティを追求していきました。
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へえ~!
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アランの人生はクレイジーかもしれないけど、
映画を観ている人が「信じられない…」と、
距離を感じてしまわないようにしたかったんです。
物語に入り込んで観てもらえるように、
コメディもわざとらしく誇張するのではなく、
ひとつのドラマのように演じてもらえるように気をつけました。
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確かに。アランの周囲の人々がいろんなアクシデントに驚く中で、
アランだけがひょうひょうとしていて(笑)。
そこがとてもリアルで魅力的でした。

本来ならアラン役は
100歳の人にお願いしたかった

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私のことはさておいて(笑)、
クサカ先生のマンガ(『ヘルプマン!』)に、
100歳のシニアは登場するんですか?
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いっぱい出てきますよ(笑)。
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それは素晴らしいですね。
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監督のいままでの作品ではどうですか?
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うーん、100歳の登場人物はいませんでしたが、
私はプロの役者ではない人と仕事をすることが多いんです。
シニアの方もたくさんいるし、今回の映画でも、
アマチュアの役者さんがたくさん登場します。
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それもリアリティを出すための演出?
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その通りです。
本来ならアラン役も100歳の方にお願いしたかったのですが、
今回は25歳から100歳までを1人の役者さんに演じてもらいたかったから、
50代のロバートを配役したんですよね。
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なるほど。
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撮影はまず、アランの半生のフラッシュバックから始めました。
アランが若者だった20世紀の頭から、順々に撮り進めていったんです。
そうすることで、ロバートも私も、
アランの人生を体感しながら撮影に臨むことができました。
映画にリアリティを与える上で、とてもよかったと思いますね。

(続く/対談の後編は、11月13日に公開予定)
画像/ハーングレン監督からヘルプマンジャパンにサインをいただきました! メッセージは「keep up your fantastic work!」(この素晴らしい仕事をがんばって続けてください!)

★くさか里樹のつぶやき★

「ワールドワイドな方にお会いするキンチョーは、お会いした瞬間に吹っ飛びました! 映画の話をするはずが漫画の話ばかりしちゃいました。監督は好奇心の固まりでしたね!」(くさか里樹)
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★「100歳の華麗なる冒険」
2014年11月8日(土)、新宿ピカデリー他全国ロードショー

【監督】フェリックス・ハーングレン 【脚本】フェリックス・ハーングレン、ハンス・インゲマンソン 【原作】ヨナス・ヨナソン 【キャスト】ロバート・グスタフソン、イヴァル・ヴィクランデル、ダヴィド・ヴィバーグ 【後援】スウェーデン大使館 【提供】KADOKAWA、ロングライド 【配給】ロングライド 【宣伝】クラシック 
(C)NICE FLX PICTURES 2013. All Rights Reserved
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文: 成田敏史(verb)
写真: 片桐圭
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