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いま、オランダで生まれた「ビュルツォグ(Buurtzorg)」と呼ばれる在宅ケア組織が世界から注目を集めています。

1968年に世界初の公的介護保険制度「特別医療費保険」を創設し、80年代以降は施設型ケアから在宅ケアへの転換を図ってきた介護先進国のオランダですが、90年代に入ると利益優先の在宅ケア事業者が増加し、ケアの質の低下が問題となっていたのだそう。

そんな中、地域看護師であるヨス・デ・ブロックさんが立ち上げたのが、新しい在宅ケア組織・ビュルツォグです。ブロックさんは最大12人の看護師と介護士がひとつのチームとなり、50人前後の利用者に対して、訪問介護や身体介護などをトータルにサポートするシステムを確立しました。

特徴的なのは、チーム内にリーダーをつくらず、利用者やスタッフのマネジメントから、新規スタッフの採用や教育、財務に至るまで、一人ひとりのスタッフに責任と裁量があること。

また、独自の情報通信ネットワークを構築することで、各チームの動向やスタッフ、利用者のデータを共有。人権費や経費など、組織の運営にかかるコストをIT化で最小限に抑えているのだとか。

自律的なチーム体制と先端的な技術を活用し、家庭医や病院とも連携しながら質の高いケアを提供しているビュルツォグは、利用者やスタッフの満足度も高く、オランダ国内ではすでに400を超えるチームが活躍しているといいます。

地域での包括的なケアシステムが模索されているいま、日本流のビュルツォグが生まれる日も近いかも?
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文: 成田敏史(verb)
イラスト: 株式会社コットンズ
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