ヘルプマン
高校時代は演劇部。その経験を生かそうと神戸大学発達科学部人間表現学科へ進んだ伊藤美友さん。授業の一環で出会った介護福祉士の言葉が人生を変えました。高齢者も障がい者もいろんな人が自然に集まる居場所をつくるというその考えに共感。将来は地元で社会福祉士として起業して、地域の問題解決に携わりたいと考えるようになったそうです。 (※この記事は2012年以前のもので、個人の所属・仕事内容などは現在と異なる場合があります)

独立へのエールなど
4時間の熱弁に心が動いた

私が惠伸会を選んだ理由は2つあります。

1つは、会社説明会での田村透業務部長の4時間に及ぶ熱弁に心を動かされたこと。介護サービスをはじめ生活支援事業はボランティアではなく、お客様へのサービスの対価で運営されており、利益を上げなければサービスの提供を継続できないし、スタッフの生活を支えることができないという、経営者目線のお話が新鮮だったことです。

もう1つは、ここでノウハウを吸収して、将来は法人を離れて起業しても、他社で活躍してもOKという潔さに心を打たれたことです。私はソーシャルワークという分野に興味を抱いており、高齢者の1人暮らしなど地域の問題にリンクしたサービスを立ち上げて、社会を変えていきたいという思いがあります。そこで、社会福祉士の資格を取得して、将来は地元で起業したいと考えたのです。
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既成概念にとらわれない
介護サービスを目指して

2010年4月に惠伸会に入職し、グループ系列の結婚式場などでの業務研修をはじめ、保育園や他の介護施設の巡回、日帰りのデイサービスや短期入居型のショートステイ、訪問介護などのジョブローテーションを経て、現在に至ります。「学べるだけ学び、新人のフレッシュな目線でどんどん意見を言って欲しい」という上司の要望もあって、まずは先入観なしで観察することからスタート。

たとえばデイサービスでは、午前中はお客様のご入浴にスタッフ総出で対応するため、待っている人たちが、ただ座っていたり寝転んだりしていて退屈そうに見えました。ひょっとしてルーティンワーク的なサービス提供になっていないか?もっとお客様が私たちと一緒に楽しく過ごせる工夫ができないか?気づきから変革への意識がむくむくと芽生えてきました。

外へどんどんうって出る介護サービス

翌2011年2月からは、特別養護老人ホーム「サンレジデンス湘南」の生活支援グループで入居希望者の申し込み受付、地域のボランティアの方の申し入れへの対応、イベント運営、お客様のご家族からの相談受付など、幅広い経験ができました。同年の11月からは福祉用品のレンタル・販売を行う部署へ異動し、合計約150名のお客様のお宅を訪問しています。

例えば車椅子・介護用ベッドのレンタルや介護用品の販売など、お客様の要望に副ったものを提供します。時間的制約はとくにないため、じっくりお話を伺いながら、その方に最適な福祉用品を提案します。納品後6ヵ月ごとの点検時には、お客様の使用状態を見て、車椅子に座っている方の姿勢が悪化することがないようにクッションをおすすめしたり、リハビリ効果が上がっているお客様には、車椅子から歩行器に換えるようケアマネージャーさんと相談するなど、問題解決の道筋が立てられるやりがいを感じています。

“看取り”から学んだこと

「サンレジデンス湘南」には、ご入居されているお客様が現在80数名いらっしゃいます。ご病状が悪化して病院へ転院される方など年間20名ほどのお客様が入れ替わるのですが、その中には当施設内でお亡くなりになられる方もいらっしゃいます。ご家庭の事情もあり、家族葬を望まれるケースも年間数回あり、当施設内でご遺体の安置、納棺、読経などのご葬儀に立ち会います。大変悲しいことですが、あたかも眠られているかのようなお姿を見るにつけ、「ここで最期までお過ごしいただき、本当にありがとうございました」という感情がこみ上げます。

だからこそお客様が元気な間は、幸せであったと思えるように精一杯介護させていただく。
そんな考え方が、今では私の仕事の軸となっていると実感しています。

秋祭りの実行委員長に手を挙げ、
やり遂げた充実感

惠伸会に入社して間もなく丸2年。やりたいと手を挙げたことや興味のあることはどんどんやらせてくれる会社なので、積極的になったなと感じています。

通信教育で社会福祉士の資格取得を目指していますが、年2回葉山でスクーリングが行われます。全国から約100名の受講生が集結し、4日間にわたり面接実習やグループワークを行います。介護業界のみならず異業種の方との出会いや地域の情報交換ができるため、外の世界と積極的に繋がろうと動き始めています。

そんな前向きな気持ちが働いてか、2011年の当施設での秋祭りの実行委員長にも立候補しました。屋台の味を楽しんでもらおうという企画にもかかわらず、前年は「売り切れで食べられなかった」という声があったので、これを反省材料に、みなさんが満足できるだけ作って堪能していただこうと提案。スタッフでソーラン節を披露したり、地元の方々の太鼓やフラダンスなどの催しもので盛り上がったりしました。みなさんに満足していただけた充実感が忘れられません。

伊藤さんからのメッセージ

お客様への優しさも大切ですが、それだけでは介護の仕事を変えていくことはできません。私は企画力、発案力を発揮して、もっともっといい介護を目指していきたいし、できれば柔軟で既成概念にとらわれない後輩のみなさんにも加わってもらい、現状を変えていきたい。自分たちが業界を変えるんだという気概があれば、介護ってビジネスとしての可能性はいくらでもあると私は信じています。

理想とするのは、誰でもが利用できるリーズナブルな料金なのに、クオリティの高い個別ケアを提供する介護サービス。

みなさんも、インターンやボランティアとして、いろいろな現場をご覧になり、自分なりの理想のケアを見つけてください。
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文: 高山 淳
写真: 山田 彰一
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