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特集記事

2020.11.06 UP

【新型コロナウイルス感染症に負けるな!応援Prj】Vol.18 医療法人社団カワサキ~管理栄養士が介護のヘルプまで?!事業所の垣根を超えたフォロー体制~

~医療法人社団カワサキ リハビリストホーム上溝 管理者の方へお話をお伺いしました~

【Message】#つむぐ!笑顔メッセージ!!

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我々の施設は相模原市で小規模の地域密着型通所介護を展開しております。コロナ禍でありながら利用者様に安全で安心してきていただけるように密をさけ関わる工夫をしています。我々の施設は様々な専門職が利用者様個々に関わる必要性を重要視してご提供しており、柔道整復師、歯科衛生士、管理栄養士、理学療法士等様々な分野の専門職の新たな働く場として活躍できる社会・現場を作り上げていきたいと思っております!それが今後の介護・福祉への担い手として活躍していけるようになればもっと楽しいと感じています!ぜひ一緒に作り上げていきましょう。
Message by 医療法人社団カワサキ
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【Interview】福祉・介護の現場から!!

新型コロナウイルス感染症の影響で介護業界は厳しい状況にたたされ、デイサービスを中心に全国の多くの事業所で休業や利用人数を縮小しての運営が相次いだ。そんな中でも、スタッフ間や利用者との日々のコミュニケーション、更には柔軟な対応の結果として、緊急事態宣言後も支障なく運営を継続している事業所がある。

神奈川県相模原市にある医療法人社団カワサキでは、「少人数に深く」をテーマに地域密着型の小規模デイサービスを運営している。ここでは、介護職以外にも歯科衛生士や管理栄養士、柔道整復師、理学療法士など様々な有資格者が働いており、日中のメニューには、リハビリや体操だけでなく、リフレクソロジーも実施している。小規模施設であるため、定員は最大9名。スペースも限られ、全員が参加すると密となり、ソーシャルディスタンスを保つのが難しくなる。そこで、密にならない工夫を2つ行った。1つは、これまでは一斉に行っていたプログラムを、リハビリ組、リフレクソロジー組、体操組と、それぞれの時間帯を分けて行うようになったこと。内容はこれまでと変わらないためスタッフの負担もなく進められ、密も回避することができた。
2つ目は、緊急事態宣言時前までは午後の部のみで運営していたが、利用者から午前の部に参加したいという声があり柔軟に受け入れを行ったこと。ちょうどそのタイミングで、新たに午前の部をスタートしようとしていたため、スムーズに午前の部の受け入れを開始することができ、密を避けリスク回避ができたという。

対策を講じてはいるものの、デイサービス利用への不安を口にする利用者もいる。「周りや知り合いの事業所でも人数の多い事業所は怖いので参加を控えるというご利用者様が多かったようです。でも、私たちの事業所は、一人ひとりのご利用者様に対して担当者制を導入して、個別性の高いコミュニケーションを大事にしています。外出への不安からリハビリを休み、体調が悪くなったという声を聞くことがありました。そのような方には担当者が個別に電話でサポートをし、密にならない工夫や感染症対策について、安心してご参加いただける取り組みを丁寧にお伝えしました。結果的に、ほぼ全員にお休みなく参加し続けていただけたのは、日頃の丁寧なコミュニケーションによる信頼関係があったからだと感じています」と管理者は語る。このような状況下でも「あなたがいるから来ている」と、利用者から嬉しい言葉をかけられることがあるという。対策を講じていることについて伝えた内容を実際に体感したことにより、利用者が安心して継続するようになったということも、大きな信頼関係が無ければ成し得ない事だ。

▲プログラムを、リハビリ組、リフレクソロジー組、体操組と、それぞれのプログラム時間を分けて蜜を防いでいる様子

利用者の安全を確保するためにはスタッフ間のサポートも大切だ。緊急事態宣言後には、スタッフ間や利用者への感染リスクを減らすため、パートタイマーは自宅待機とし、少ない人数でも運営できるよう調整。支援金を利用し、自宅待機でも勤務として給与が発生するように対応し、本当に人手が足りない場合のみの出勤とした。また、近隣でグループの歯科医院や整骨院も運営しており、管理栄養士や歯科衛生士などそれぞれの専門スタッフが利用者の部分的なサポートに入り、介護のヘルプまでできる。なお、緊急事態宣言時は、管理栄養士と歯科衛生士を歯科医院の職員とは一切の接触を避けた体制をとるなど、感染対策を徹底していた。事業所の垣根を超えてグループ全体でフォローし合う体制が整っているため、このようなことが可能となった。フォローし合う体制は緊急事態宣言以前からあり、それぞれの事業所の状況も把握できているという。マネジメントをする立場の管理者は、日頃から職員とのコミュニケーションを大事にしており、法人の方針を管理者の言葉で伝え、さらに現場の声をトップへ伝えている。そのような姿を見て職員は管理者への信頼を強めている。その信頼関係があるからこそ、「スタッフ一人ひとりが自律しており、みんなで乗り越えよう!何とかしていこう!という強い想いをもって前向きに取り組んでくれているのだと思います」

このような数々の取り組みにより、休業や利用人数を縮小せずに運営できているが、もちろん不安もあるという。「もしもの時のためにスタッフやご利用者様が感染した際の対応マニュアルも作りましたが、正直なところ、実際に感染者が出たら…という不安は私たちにもあります。それでも運営を続けるのは地域やご利用者様のためであり、地域に貢献するという想いがベースになっています」と語ってくれた。その後も運営を継続し、現在では新規の利用者も増えてきているという。

信頼関係に日々のコミュニケーションがいかに大切であるか、その日々の積み重ねが有事の際にいかに大きな力になるのかを改めて教えてもらった。コミュニケーション手段が変化したコロナ禍で、それを感じることはこれからも出てくるのではないだろうか。今後もICTの活用や効率化は「新しい生活様式」の中で求められ続け、新型コロナウイルス感染症が終息した「アフターコロナ」でも、変化したコミュニケーション手段や働き方はすべてが元通りにはならないだろう。状況に応じて柔軟に変化を受け入れていくことは大切である。だがその変化の中で大切なことを見失わないよう気を付けていきたい。

■医療法人社団カワサキ
神奈川県相模原市にある医療法人カワサキでは、『地域の人々にとって最も身近な健康長寿実現パートナーとなる!』というグループ理念のもと、歯科医院、整骨院、デイサービスを運営。「入口から出口まで」栄養・口腔・運動・排泄と利用者の体の状態を知った上で、管理栄養士による栄養指導、歯科衛生士による口腔ケア、理学療法士・柔道整復師による機能訓練などを専門的目線から総合的に支援している。(https://iki2.group/rehabilisthomekamimizo/

【文: HELPMAN JAPAN 写真: 医療法人社団カワサキ 提供】

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